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「列に並んでるだけでしょ、もういいです!」パン屋で何度もトレーをぶつけてきた母親。だが、母親の態度を変えた子どもの一言

  • 2026.10.11
「列に並んでるだけでしょ、もういいです!」パン屋で何度もトレーをぶつけてきた母親。だが、母親の態度を変えた子どもの一言

混雑するパン屋で、何度も背中に当たるトレー

旅行先の観光地で、昼どきに小さなパン屋へ1人で入ったときのことです。

店内は混み合っていて、お客さんはトレーとトングを持ち、棚のパンを取りながら一列になってレジへ進んでいました。

私のすぐ後ろには、40代くらいの母親が並んでいました。その後ろには、中学生くらいの女の子と男の子もいます。

列は一度に20センチほどしか進みません。

そんな中、腰のあたりに何かがこつんと当たりました。

振り返ると、母親が手に持っているパンの載ったトレーでした。

最初は偶然だと思い、気にしないようにしていました。

ところが、列が少し動くたびに、またこつん。前が詰まって立ち止まっているときにも、トレーの端が背中に当たります。

どうやら母親は、前の様子が気になるのか、私との距離をかなり詰めているようでした。

「もう、全然進まないじゃない」

母親は大きなため息をつき、私の肩越しに前をのぞき込んでいました。

そのうち腕時計を確認すると、私に向かって言いました。

「前、もうちょっと詰められるでしょ」

そう言われても、前のお客さんとの間にはトレー1枚分の余裕もありません。

何度も背中を押されるような形になり、私が持っているトレーの上でも、クロワッサンが端へずれてしまいます。

これ以上は困ると思い、私は振り返って声をかけました。

「あの、すみません。さっきからトレーが何度も当たっていて……。もう少し離してもらえますか?」

すると、母親は不機嫌そうに眉を寄せました。

「え?列に並んでるだけでしょ、もういいです!」

突然の大きな声に、前のお客さんやレジの店員さんまでこちらを振り返りました。

私は驚いて言葉が出ませんでした。

ただ少し距離を空けてほしかっただけなのに、まるで私が文句をつけたような雰囲気になってしまったのです。

「ママ、さっきから当たってたよ」娘の一言

気まずくなって前を向こうとした、そのときでした。

母親の後ろにいた女の子が、そっと母親の袖を引きました。

「ねえ、ママ。さっきからトレー、何回も当たってたよ」

母親は驚いたように娘を振り返りました。

「えっ?何言ってるの、あんたまで…」

すると、隣にいた男の子も口を開きました。

「うん、僕も見てた。ちゃんと謝ったほうがいいよ」

母親は何か言いかけましたが、すぐに口を閉じました。

そして、自分が持っているトレーと私との距離を見て、気まずそうに目を伏せました。

少しの沈黙のあと、小さな声が聞こえました。

「……すみませんでした」

母親はトレーを自分の体に引き寄せ、一歩後ろへ下がりました。

私も「いえ……」とだけ返し、前を向きました。

その後、私がレジに着くまで、トレーが背中に当たることは一度もありませんでした。

会計を済ませると、店員さんがパンを紙袋に入れながら声をかけてくれました。

「焼きたてです。熱いので気をつけてくださいね」

紙袋を受け取り、出口へ向かおうとしたとき、まだ列に並んでいた女の子と目が合いました。

女の子は私に向かって、小さく頭を下げました。

私も軽く会釈を返して、店を出ました。

もし子どもたちが何も言わなければ、私は自分の言い方が悪かったのかと、ずっと気にしていたかもしれません。

母親を責め立てるわけでもなく、見ていたことをそのまま伝えてくれた子どもたち。

その素直な一言が、何よりありがたく感じられた出来事でした。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた20代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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