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「金は払ってるんだぞ!」朝食バイキングで卵焼きを袋に詰める男性。駆けつけた料理長が大皿を持ち上げた理由

  • 2026.10.11
「金は払ってるんだぞ!」朝食バイキングで卵焼きを袋に詰める男性。駆けつけた料理長が大皿を持ち上げた理由

朝食バイキングで目にした男性の行動

妻と温泉旅館に泊まった翌朝のことです。

私たちは朝食バイキングの会場に入り、料理が並ぶ長い台の前にできた列に並びました。

私たちの2人前には、私と同じくらいの年齢の男性がいました。

どうやらおかわりを取りに来たようで、片手に皿、もう片方の手には自分の箸を持っています。

ところが、その男性は台に置かれたトングを使わず、自分の箸で大皿の焼き魚を取り始めたのです。

「えっ、自分の箸で…?」

思わず目を疑いました。

男性は焼き魚を3枚取ると、今度は卵焼きを何切れも皿に重ねました。

さらに驚いたのは、そのあとです。

男性は浴衣のたもとから小さな袋を取り出し、皿の卵焼きを自分の箸で袋に詰め始めました。

それに気づいた若い女性スタッフが、慌てた様子で声をかけました。

「あの、お客様。申し訳ありませんが、お料理のお持ち帰りはご遠慮いただいているんです」

すると男性は、不機嫌そうに顔を上げました。

「はあ?こっちは金を払ってるんだぞ」

スタッフは困った表情を浮かべながらも、続けました。

「それと、お料理を取るときは、こちらのトングをお使いいただけますか」

その言葉に、男性の声がさらに大きくなりました。

男性は再び自分の箸を卵焼きの大皿に入れたのです。

後ろに並んでいた客も足を止め、困った顔をしていました。

隣の妻も小さく首を振っています。私も、楽しみにしていた卵焼きを取る気がなくなってしまいました。

料理長が静かに伝えた言葉

そのとき、調理場の扉が開き、白い上着を着た料理長が出てきました。

女性スタッフが男性の箸と、焼き魚と卵焼きの大皿を示します。

料理長は男性のそばへ来ると、落ち着いた声で話しかけました。

「お客様、申し訳ありません。お料理は備え付けのトングでお取りください」

「だから、ちょっと取っただけだろ」

「ですが、お箸が直接触れたお料理は、ほかのお客様にお出しできないんです」

男性は少し戸惑ったようでした。

「……何だよ。じゃあ、これ全部下げるのか?」

「はい。こちらの卵焼きと焼き魚は、下げさせていただきます。それから、お持ち帰りも衛生上の理由でお断りしているんです」

そう告げると、料理長は2つの大皿を両手で持ち上げました。

男性は箸を持ったまま黙り込みました。

周囲の客もその様子を見ています。

しばらくして、男性は小さな声で言いました。

「……悪かったよ」

そして、袋に入れていた卵焼きを自分の皿に戻し、空になった袋をたもとにしまいました。

料理長は軽く頭を下げました。

「すぐに新しいものをお持ちしますので、少々お待ちください」

男性は自分の皿を持って席へ戻り、止まっていた列も動き始めました。

しばらくすると、料理長が湯気の立つ卵焼きを運んできました。

「お待たせいたしました」

妻はトングで卵焼きを2切れ取り、私の皿にも2切れのせてくれました。

「ふふ、焼きたてになったわね」

思わず私も笑ってしまいました。

せっかくの旅行先で驚くような光景を見ましたが、料理長の落ち着いた対応が印象に残った朝でした。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた60代以上男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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