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【今さら聞けない】リベラルと保守って、なんですか?無知は損する…ゼロから学ぼう【#むちぞん】

  • 2026.10.10

世の中の「知らないと損する」話題を、北海道から「ざっくり」深掘りするHBCのWEBトーク番組「むちぞん~無知は損する~」。

情報があふれる現代社会で、「もやもやする話題」や「実は、知らないと損する知識」を、その道の第一人者をお招きしてじっくり聞いていこうという企画です。

記念すべき第1回は、今、日本の最大多数を占めながらも実態が知られていない「謎の集団・新しいリベラル」に迫ります!

Sitakke

ゲストに『新しいリベラル』(ちくま新書)の著者である北海道大学大学院の橋本努教授をお迎えし、政治思想の基本から「新しいリベラル」の正体まで、ゼロからたっぷり伺いました。

聞き手は、HBC本間吏成(ほんま・りせい)アナウンサーと、報道部の髙橋智也(たかはし・ともや)記者です。

「新しいリベラル」とは?話題の著書から深掘り!

本間アナ) 第1回が「新しいリベラル」ということで、最初聞いたときに「ちょっと重たいんじゃないかな」って思ってしまったんですけれども、「新しいリベラル」という政治思想があると…?

橋本教授)そうですね。もちろん経済にも関わってきますし、私たちが普段使う「保守」や「リベラル」という言葉は一体何なのか、中心は政治ですが深く関係してきます。

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本間アナ)橋本先生は『新しいリベラル~大規模調査から見えてきた「隠れた多数派」』(ちくま新書)という本を、立命館大学産業社会学部の金澤悠介教授と共同執筆されました。日本の人口のおよそ2割を占めるという最大勢力「新しいリベラル」の存在を浮き彫りにした本です。

橋本教授)政治家たちもこれまで「何かあるんじゃないか」とぼんやりとは考えていたと思うんですが、私たちがこの言葉を初めて使ったんですね。「新しいリベラル」という言葉はこれまで流通していなかったんです。

そもそも「リベラル」「保守」ってなに?

本間アナ)「新しいリベラル」の前に、そもそも「リベラル」って何ぞや?というところなんですけれども。

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橋本教授)リベラルという言葉はかなりいろんな意味があって、実際には誤解している人も多いです。
「私はリベラルだ」という人に「どういう意味ですか?」と聞いても意見が一致しないのが現状なんです。
保守の場合もそうで、「あなたはリベラルですか、保守ですか?」と聞いて「保守だ」と答える人に「何を支援するんですか?」と聞いてもバラバラになってしまう。

ですので、今「リベラル」や「保守」という言葉はかなり曖昧で、良い定義がなくなってきたのが現状です。あまりこういう言葉を使わない方がいいんじゃないかと思っている人の方が、実は多いんですね。

ただ、もともと「リベラル」という言葉は「権威主義に反対する」という意味です。例えば、戦争のときに政府が人々を戦争に駆り出すような権威主義の体制に反対した人たちが、戦後に「平和が大切だ」という考え方でリベラルの立場を取ってきた、そういう人が多いんだと思います。

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本間アナ)権威主義に反対する立場を取るのがリベラルということですが、ざっくり言うと「権威主義」とはどういうことですか?

橋本教授)例えば「政府が一番大切で、政府の言うことは絶対だ」とか、男女で言えば「家庭の中では父親が一番偉いんだ」といった考え方を権威主義と言います。

本間アナ)そういったものに対して、反対する立場を取るのがリベラルなんですね。

橋本教授)そうですね。ですから「男女平等であるべきだ」とか「政府をそこまで信用してはならない、戦争しそうになったら反対する」というのがリベラルの立場になります。

本間アナ)どちらかというと、現代風な考え方がリベラルという感じでしょうか?

橋本教授)そうですね。どちらかというと伝統に反対して、日本の男尊女卑的な伝統や権威主義に反対する現代的な考え方がリベラルです。ただ、現代だから全員がリベラルかというとそうではなく、やはり「保守」と「リベラル」に分かれます。

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髙橋記者)現在の国内のリベラルと保守のざっくりとしたイメージをまとめたフリップがあるんですが、こう分けられるのかなと考えています。

まず「憲法9条の改正」についてどういう立場を取るかという点で、リベラルは反対、保守は賛成という立場を取ることが多いです。

そしてもう一点、これが新しいリベラルにもつながっていくんですが、「支援する対象」として、リベラルは高齢者層を支援した方がいい、一方の保守は現役世代をもっと支援した方がいい、という立場を提示することが多いかと思います。先生、このあたりはいかがでしょうか?

橋本教授)最初の憲法9条の話は、まさに平和と戦争の問題ですね。平和憲法と言われる憲法9条をできるだけ維持したいのがリベラルの立場ですので、改正反対となります。

もう一つの支援対象は、政府の政策をどうすべきかという問題です。貧困層に対して手厚く再分配していくべきだというのがリベラルの考え方です。
もともと市場経済は金持ちと貧しい人に分かれてしまうので、格差を縮めた方が平等な社会になるという発想ですね。

そして高齢者についてですが、日本は高齢化が進んでいて高齢者が多いですよね。民主的に考えたときに、高齢者の方に投票に行きますし、人口が多い高齢者を支援していく政策になっていきます。

リベラルが特に高齢者を優遇して支持しているというわけではなく、もともと医療制度や年金制度を充実させることに関心を寄せてきた結果として、高齢者世代を支援する傾向になっているということです。

本間アナ)こう見ると、リベラルと保守は全く真逆の価値観という理解でいいですか?

橋本教授)もともとこういう価値観の対立が強かったんですね。戦後日本でアンケート調査をすると、「政治で一番重要な問題は何か」という問いに「憲法や安全保障の問題」と答える人が多かったので、ここで意見が分かれてきたということです。

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本間アナ)よく聞く「右派」「左派」という言葉も同じような意味ですか?

橋本教授)同じ意味で使われるので、同じといえば同じですし、違うという人もいます。
ざっくり言えば「左派=リベラル」と理解されますが、具体的に議論し始めると両方の言葉が曖昧なので大変になってきます。

例えば今アンケート調査で「あなたはリベラルですか、保守ですか?」と聞くと、多くの人は「どちらでもない」「分からない」と答えます。

「どちらかといえばリベラル」という人が2~3割、「保守」と答える人もそれくらいで、高齢者が多いので保守がやや多いです。年を取ると「今の日本社会のままでいい」という現状維持の保守になりがちで、若い人の方が「もっと日本は変わるべきだ」とリベラルになりがちです。

ですが、一番多いのは「分からない」「中間」 なんです。

ただ、ここがポイントなんですが、「自分はリベラルだ」という2~3割の人に「どの政党に投票しますか?」と聞くと、イメージとしては共産党や立憲民主党に投票する人が多いと思われますよね。ところが、そこに投票している人は1%もいないんです!

本間アナ)えっ!?

Sitakke

橋本教授)強い意味で自分はリベラルだと思っている人は人口の2%しかいません。その中で共産党に投票する人が20%、立憲民主党に投票する人が20%です。
全体として見ると、強い意味で自分がリベラルで共産党や立憲民主党に投票する人は、人口の1%以下しかいないんです。

これには私もびっくりしました。リベラルと言いながら一番どこに投票したかというと、実は自民党が一番多くなってしまうんです。

本間アナ)みなさん自認している思想と、実際の投票先が違っているんですね!不思議です……。

***

次回の記事では、リベラルと保守では分けきれなくなったのでは?と思われる日本人の政治思想についての調査によって、新たに浮かび上がった「新しいリベラル」とは何なのかについて深掘りします。
実はあなたも、新しいリベラルかも?

むちぞん~無知は損する~

Sitakke

HBCニュースのYoutubeで動画を公開しています。

HBCアナウンサー・本間吏成

稚内市出身。HBCラジオ「気分上昇ワイド ナルミッツ!!!」パーソナリティ、野球実況、HBCテレビ「キタコイ」を担当。Sitakkeでは「むちぞん~無知は損する~」や「アライマ(アラサーの今、話してみた)」に出演。好き勝手に喋るので、リスナーからは「ナルミッツの毒」と言われる。

HBC報道部・髙橋智也

北海道の政治・社会ニュースを中心に取材を担当。

ゲスト:橋本努(はしもと・つとむ)

北海道大学大学院経済学研究科教授。経済思想・政治思想を専門とし、大規模調査に基づく著書『新しいリベラル~大規模調査から見えてきた「隠れた多数派」』(金澤悠介教授との共著)が話題を集めている。

編集:Sitakke編集部IKU

※掲載の内容は収録時(2026年5月)の解説・議論に基づきます。

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