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「身ぶりで何とかなる」英語が話せないのに家族の先頭に立った父親。海外の入国審査で両手を広げ続けた理由

  • 2026.10.11
「身ぶりで何とかなる」英語が話せないのに家族の先頭に立った父親。海外の入国審査で両手を広げ続けた理由

「身ぶりで何とかなる」と先頭に立った私

妻と娘、息子の家族4人で、海外旅行に出かけたときのことです。

妻も子どもたちも旅行好きで、海外の空港には慣れていました。

一方、私は英語がまったく話せません。

それでも、言葉が通じなければ身ぶりで伝えればいい。昔からそう思っていた私は、特に心配していませんでした。

昼すぎに空港へ到着し、入国審査へ向かっていたときのことです。隣を歩いていた娘が、私に声をかけてきました。

「お父さん、英語できないんだから、うしろに並んで」

「大丈夫だよ。英語が話せなくたって、身ぶりで何とかなるって」

そう答えると、妻まで心配そうな顔をしました。

「本当に大丈夫?無理しなくてもいいんだよ」

「平気だって。こういうのは堂々としてればいいんだよ」

私は自信満々に答え、家族の先頭に立ちました。

娘と息子は顔を見合わせていましたが、私は気にせず、入国審査の列へ向かって歩いていきました。

係員の動きをまねしたら、家族が笑い始めた

すると、制服姿の背の高い女性係員が、私の前にやって来ました。

係員は両手を真横に広げ、私がそれ以上進まないように立ちはだかったのです。

私はその動きを見て、身体検査でも始まるのかと思いました。

「ああ、そういうことね。はいはい!」

私は係員の動きをまねして、両手を大きく広げました。

「何も持ってませんよ。ほら!」

ところが、係員は私を先へ進ませようとしません。

あれ、伝わってないのかな。

そう思った私は、腕をいったん下ろして、もう一度大きく広げました。

それでも反応が変わらないので、さらに腕を伸ばしてみせます。

すると、後ろから何やら笑い声が聞こえてきました。

振り返ると、妻と娘が口元を押さえ、息子まで肩を震わせています。

「お父さん…もういいから!手を下ろして!」

息子が笑いをこらえながら言いました。

「え?だって、まだ通してくれないんだけど」

すると娘が、私の足もとを指さしました。

「お父さん、その線!そこで止まって待ってってことだよ!」

足もとを見ると、床には一本の線が引かれていました。

係員は身体検査をしようとしていたのではありません。順番が来るまで、その線の手前で待つように合図していたのです。

「……えっ、そういうこと?」

ようやく意味が分かった私は、恥ずかしさのあまり固まってしまいました。

しかも、まだ両手を広げたままです。

その姿がおかしかったのか、係員まで笑い出してしまいました。そして、笑顔で私に親指を立ててみせたのです。

「ほら、通じたじゃない。身ぶりで!」

妻にそう言われ、家族はまた笑い始めました。

私も恥ずかしくて仕方ありませんでしたが、つられて笑ってしまいました。

帰国後、旅行のアルバムを作ったときのことです。

家族がいちばん気に入ったのは、観光地で撮った写真ではありませんでした。

空港の到着ロビーで息子に頼まれ、あのときの姿を再現した写真です。両手を真横に広げ、困った顔をしている私が写っています。

「やっぱり、これがいちばんいい顔してる」

そんなことを言われながら、今でも家族でその写真を見て笑っています。

身ぶりで何とかなると自信満々だった私が、肝心の身ぶりの意味を勘違いしていたのですから、笑われても仕方ありませんね。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた60代以上男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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