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9月の洋なし 東京の市場は9割超がラ・フランス以外

  • 2026.10.10

東京都中央卸売市場に入った洋なしを品目別に数えると、2019〜25年の7シーズンとも、9月の入荷の9割超はラ・フランス以外の品目でした。ラ・フランスが半分を超えるのは10月から翌年1月で、入荷は11月が最も多く、シーズン全体では山形県産が7割を超えます。

東京都中央卸売市場に入った洋なしは、8・9月は9割超が「その他の西洋なし」で、11月は7シーズンとも85%以上が「ラ・フランス」でした。市場の統計は洋なし(西洋なし類)をこの2つの品目に分けて数えており、2019年8月から2026年3月までの明細データを月ごとに足し上げています。
ここでは8月から翌年3月までを1つのシーズンとし、7シーズン分の入荷を、品目・時期・産地・1kgあたりの取引額の順に見ていきます。どの数字も東京の市場に入った量や額で、全国で出回る洋なしや、店頭に並ぶ洋なしの割合とは別のものです。

8・9月の洋なしは9割超がラ・フランス以外の品目

明細データの品目は「ラ・フランス」と「その他の西洋なし」の2つだけです。その他の西洋なしに、どの品種がどれだけ入っているかは書かれていないため、この記事では品目名のまま扱います。
7シーズンの範囲で見ると、入荷のうち「その他の西洋なし」が占める割合は次のとおりでした。
・8月 99.8〜100.0%
・9月 94.4〜100.0%
9月に入ったラ・フランスが最も多かったのは2025年9月で、10,720kg(入荷の5.6%)でした。9月のラ・フランスの割合は、2019年の0.0%から2025年の5.6%まで、前年を下回った年はありません(いずれも1割未満)。
10月になると割合が入れ替わり、入荷に占めるラ・フランスは次のように動きます(7シーズンの範囲)。
・10月 69.6〜80.5%
・11月 85.1〜92.5%
・12月 52.1〜78.1%
・1月 62.3〜96.9%
10月から翌年1月までの4か月は、7シーズンとも入荷の半分以上がラ・フランスでした。7シーズンの量を合わせると、9月は98.7%がその他の西洋なし、11月は89.9%がラ・フランスです。シーズン全体(8〜3月の合計)で見ると、ラ・フランスは66.7〜75.6%です。

入荷の8割前後は10〜12月 最も多い月は11月

シーズン全体の入荷に対して各月が占める割合を出すと、10〜12月の3か月で78.9〜85.3%になります。最も多いのは7シーズンとも11月で、シーズンの32.3〜44.1%、量にすると726〜1,152tでした。
1月以降は少なく、1月は2023年1月の8.7%を除けば2.7%以下、2月は0.9%以下、3月は0.1%以下です(2024年3月は入荷なし)。西洋なし類を扱った市場の数も、9〜12月は7シーズンとも青果を扱う都内の9市場すべてでしたが、3月は多くても4市場でした。
なお、8月の入荷は34t〜69tで、明細が公表されている最新の月の2026年8月は70tでした。2026年9月分の明細は、10月10日の時点ではまだ掲載されていません。

産地は山形県が7割超 9月は秋田県、12月は新潟県の割合も大きい

8〜3月の合計では、7シーズンとも山形県産が最も多く、73.3〜79.7%を占めました。直近の2025〜26年は、山形県78.9%、秋田県5.8%、長野県4.3%の順でした。11月のラ・フランスに限ると、山形県産が98.7〜99.6%です。
ただし、月ごとに見ると、山形県以外の県が目立つ月があります(割合は各月の西洋なし類の入荷に占めるもの)。
・9月 山形県と秋田県の2県で77.8〜89.6%。2020年・2021年・2025年の9月は秋田県が山形県を上回った
・10月 ラ・フランスでは長野県が7シーズンとも2位(ラ・フランスの11.2〜18.1%)
・12月 新潟県が7シーズンとも2位で12.7〜34.3%
・1月 青森県が7シーズンとも2位以内
12月の新潟県産は、7シーズンともすべて「その他の西洋なし」の品目でした。その他の西洋なしだけで見ると、11月は33.2〜55.3%、12月は57.9〜71.6%が新潟県産で、7シーズンとも1位でした。
全国の収穫量では、農林水産省の作物統計調査に「都道府県別の収穫量割合は、山形県が71%、青森県及び新潟県がそれぞれ6%となっており、この3県で全国の約8割を占めている。」とあります(令和7年産・2026年4月公表)。

1kgあたりの取引額 11・12月はラ・フランス以外の品目が高い

明細データには、市場で取引された数量と金額が品目ごとに載っています。金額を数量で割ると、市場での1kgあたりの取引額(平均)が出せます。これは卸売の段階の値で、店頭で売られる値段ではありません。
11月の1kgあたりの取引額を、2つの品目で比べました。
・2019〜20年 ラ・フランス 329円/その他の西洋なし 581円(1.77倍)
・2020〜21年 ラ・フランス 370円/その他の西洋なし 600円(1.62倍)
・2021〜22年 ラ・フランス 466円/その他の西洋なし 661円(1.42倍)
・2022〜23年 ラ・フランス 370円/その他の西洋なし 531円(1.44倍)
・2023〜24年 ラ・フランス 500円/その他の西洋なし 684円(1.37倍)
・2024〜25年 ラ・フランス 375円/その他の西洋なし 755円(2.01倍)
・2025〜26年 ラ・フランス 431円/その他の西洋なし 649円(1.51倍)
7シーズンとも、その他の西洋なしのほうが高い額でした。12月も同じ向きで、1.24〜1.92倍です。その他の西洋なしの中身は品目名からはわからないため、どの品種の額なのかは、この統計からはわかりません。

よくある質問

店頭の洋なしの値段がわかる国の統計はありますか

総務省の小売物価統計調査で、なしとして調べている品目は「梨」で、銘柄は「「幸水」又は「豊水」,1個270~450g」、調査するのは8月〜10月です。洋なしは調査の対象に入っていません。
家計調査の品目「梨」は、内容の例示に日本なしの「二十世紀」「幸水」と並んで「洋梨(ラ・フランス ル レクチエ)」が入っており、日本なしと洋なしを分けていません。このため、この記事では店頭価格や家庭が買った量の数字は使わず、東京の市場の明細データだけで集計しています。

1月を過ぎても、洋なしは東京の市場に入ってきますか

入ってきますが、量は少なくなります。1月は62.3〜96.9%がラ・フランスで、産地は山形県と青森県が中心です。2月はシーズンの0.9%以下、3月は0.1%以下でした。2019年8月から2026年8月までの明細で、8月〜3月以外の月に西洋なし類の入荷があったのは、2024年7月(645kg)だけです。

まとめ 洋なしは品目で時期が分かれる

東京都中央卸売市場の7シーズン(2019〜25年)を数えた結果を、項目ごとに短くまとめます。
・品目:8・9月はラ・フランス以外の品目が9割超(9月94.4〜100.0%)。10月〜翌1月はラ・フランスが半分以上
・時期:10〜12月で入荷の78.9〜85.3%。最も多いのは11月
・産地:シーズン全体は山形県が73.3〜79.7%。9月は秋田県、12月は新潟県、1月は青森県の割合も大きい
・取引額:11月の1kgあたりは、その他の西洋なしがラ・フランスの1.37〜2.01倍

※割合・倍率・1kgあたりの取引額は、東京都中央卸売市場「市場統計情報」の青果明細データ(2019年8月〜2026年8月)から編集部が計算しました。全国の県別の収穫量割合は、農林水産省の公表値です。

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