1. トップ
  2. おでかけ
  3. 東京の市場のりんご 10月は3年とも早生ふじが最多

東京の市場のりんご 10月は3年とも早生ふじが最多

  • 2026.10.3

東京都中央卸売市場へのりんごの入荷を品目ごとに月別に数えると、2023〜2025年の3年とも9月は「つがる」、10月は「早生ふじ」、1〜7月と11〜12月は「ふじ」が最も多い品目でした。全国の収穫量に占めるふじの割合は、1973年産の9.5%から2023年産は50.8%に。東京都と農林水産省の統計から計算しました。

10月は、市場に入るりんごの品種が入れ替わっていく時期です。9月に多かったつがるが減り、11月にかけてふじが増えていきます。どの月にどの品種が多いのかを、東京都中央卸売市場の入荷の統計で品目ごとに数えてみました。
あわせて、全国の収穫量と、品種の割合がこの50年でどう変わったかも農林水産省の統計で見ていきます。
この記事で見ていくのは次の5つです。
・東京の市場で、月ごとに最も多く入荷するりんごの品目
・2025年10月の入荷の内訳
・全国の収穫量(2025年産)と主な産地
・品種ごとの収穫量の割合の移り変わり(1973年産〜2023年産)と栽培面積
・保存のしかた
割合や順位は、公表されている統計の数値から編集部で計算しています。

東京の市場では9月はつがる、10月は早生ふじ、11月からふじが最多

東京都中央卸売市場は、都内にある中央卸売市場(りんごを扱ったのは9市場)に入荷した青果の数量を、品目ごと・月ごとに公表しています。りんごは「ふじ」「早生ふじ」「つがる」「シナノスイート」「王林」「ジョナゴールド」「シナノゴールド」「紅玉」「むつ」「世界一」と、これら以外をまとめた「その他りんご」の11品目に分かれています。
2025年の各月で、入荷が最も多かった品目は次のとおりです。
・1月 ふじ 3,315t(その月の76.1%)
・2月 ふじ 3,344t(その月の78.2%)
・3月 ふじ 3,745t(その月の79.2%)
・4月 ふじ 3,160t(その月の79.4%)
・5月 ふじ 2,119t(その月の72.8%)
・6月 ふじ 1,468t(その月の64.2%)
・7月 ふじ 1,079t(その月の62.1%)
・8月 その他りんご 621t(その月の36.8%)
・9月 つがる 2,521t(その月の68.6%)
・10月 早生ふじ 2,065t(その月の39.5%)
・11月 ふじ 2,543t(その月の50.2%)
・12月 ふじ 3,454t(その月の75.2%)
2023年と2024年も、9月はつがる、10月は早生ふじ、1〜7月と11〜12月はふじが最も多い品目でした。8月だけは年によって違い、2023年はつがる、2024年と2025年は「その他りんご」が最多です。
1年を通すと、2025年の入荷44,531tのうち「ふじ」(早生ふじを含まない)が55.4%を占めました(2023年60.0%・2024年56.6%)。
農林水産省の広報誌でも、「国内生産量1位を誇る人気の品種「ふじ」は年間を通して流通していますが、比較的多く出回るのは11月から1月。」「また「つがる」は、8月下旬から9月にかけて出荷されます。」と紹介されています。
※入荷数量は、市場の卸売業者が取り扱った量です。市場を通らずに売られるりんごは含みません。輸入品も含みますが、2025年は全体の0.6%でした。月ごとと1年の合計は、品目ごとにtに四捨五入した値を足したものです。

2025年10月の入荷 早生ふじが39.5% ふじはまだ0.4%

2025年10月の入荷5,231tを、品目の多い順に並べました。
・早生ふじ 2,065t(39.5%)
・その他りんご 1,698t(32.5%)
・シナノスイート 680t(13.0%)
・つがる 366t(7.0%)
・ジョナゴールド 168t(3.2%)
・紅玉 120t(2.3%)
・シナノゴールド 95t(1.8%)
・ふじ 23t(0.4%)
・王林 13t(0.2%)
・世界一 2t(0.1%未満)
・むつ 1t(0.1%未満)
10月は早生ふじが最も多く、「ふじ」は23tだけでした。ふじが再び最多になるのは11月で、2025年11月は入荷の50.2%がふじです。
10月の早生ふじの割合は、2023年40.6%・2024年37.2%・2025年39.5%。9月はつがるが入荷の68.6%(2025年)を占めていて、10月に入るとつがるは366tに減ります。
「その他りんご」は、ほかの10品目以外のりんごをまとめた区分です。2025年10月は32.5%と量が多く、どの品種が入っているかまでは統計からはわかりません。
産地別では、2025年10月の入荷のうち青森県産が57.6%、長野県産が25.5%でした。
10月に3番目に多いシナノスイートは、長野県果樹試験場が「ふじ」に「つがる」を交配して育成し、平成8年に品種登録した品種です。農林水産省の広報誌でも、「長野県で「ふじ」と「つがる」をかけあわせて作られた品種。」と紹介されています。

全国の収穫量 2025年産は57万7,400tで1973年産以降最少

農林水産省の作物統計では、2025年産のりんごの収穫量は57万7,400t(概数値)で、前年産より31,800t(5%)減りました。都道府県別の割合は、青森県が61%、長野県が18%、岩手県が5%。3県の収穫量を合わせると488,600tで、全国の84.6%になります。
長期の統計が始まる1973年産と、1990年産からの10年ごと、直近の年の収穫量を拾いました。
・1973年産 962,700t
・1990年産 1,053,000t(1973年産以降で最多)
・2000年産 799,600t
・2010年産 786,500t
・2020年産 763,300t
・2023年産 604,000t
・2024年産 609,200t
・2025年産(概数値) 577,400t
2025年産の57万7,400tは、それまで最も少なかった2023年産(604,000t)を下回り、1973年産以降で最も少ない量です。最多の1990年産と比べると54.8%でした。
※2025年産は概数値で、確定値は2026年12月に農林水産省のホームページに掲載される予定です。

ふじの割合は1973年産の9.5%から2023年産は50.8%に

作物統計の長期の表には、りんごの収穫量が品種ごとにも載っています(品種別の値があるのは2023年産まで)。全国の収穫量に占める割合を計算すると、品種の顔ぶれは大きく変わっていました。
・1973年産 デリシャス系31.3%・国光21.7%・紅玉16.3%・ふじ9.5%
・1980年産 デリシャス系34.8%・ふじ33.2%
・1990年産 ふじ50.9%・つがる13.7%・デリシャス系7.6%
・2010年産 ふじ56.0%・つがる10.7%・王林8.8%・ジョナゴールド7.7%
・2023年産 ふじ50.8%・つがる10.9%・王林7.4%・ジョナゴールド6.1%
1980年産まではデリシャス系が品種別で1位で、1981年産からふじが1位になりました。ふじの割合が最も高いのは2009年産の56.3%で、2023年産も全体の約半分です。2023年産は、ふじ・つがる・王林・ジョナゴールドの4品種で75.2%を占めました。
※図では、色分けした7品種以外の品種(陸奥・千秋・北斗など)と、年によって表に値のない品種を「それ以外」にまとめています。

品種別の栽培面積 ふじが47.3% シナノスイートは3.4%

品種ごとの栽培面積は、農林水産省の「特産果樹生産動態等調査」にまとまっています。最新の2023年産(令和5年産)の表には107の品種が載っていて、その合計33,051.4haに占める割合は次のとおりです(上位10品種)。
・ふじ(晩生) 15,626.9ha(47.3%)
・つがる(早生) 3,439.9ha(10.4%)
・王林(晩生) 2,428.2ha(7.3%)
・ジョナゴールド(中生) 2,206.6ha(6.7%)
・シナノスイート(中生) 1,116.7ha(3.4%)
・シナノゴールド(中生) 903.1ha(2.7%)
・秋映(中生) 576.2ha(1.7%)
・弘前ふじ(中生) 519ha(1.6%)
・北斗(中生) 518.9ha(1.6%)
・陸奥(晩生) 424.5ha(1.3%)
表の区分(極早生・早生・中生・晩生)で見ると、晩生の品種が62.1%、中生が24.6%、早生が13.1%、極早生が0.2%です。
※この調査の対象は、栽培面積が上位で全国のおおむね8割に達するまでの都道府県と、果樹共済事業を実施する都道府県です。品種は、各都道府県で1ha以上栽培されているものに限られます。農林水産省は、統計部の調査とは「手法・精度が異なり、当該調査の数値と整合しない」としていて、上の作物統計の収穫量とは物差しが違います。

よくある質問

「早生ふじ」と「ふじ」は別のものとして数えられていますか

東京都中央卸売市場の統計では、「ふじ」と「早生ふじ」は別の品目として集計されています。農林水産省の特産果樹生産動態等調査でも、「ふじ」は晩生の区分にあります。名前に「ふじ」が付く品種は、「弘前ふじ」「相伝ふじ」など中生の区分のものと、「三島ふじ」「宮美ふじ」など晩生の区分のものがあり、いずれも「ふじ」とは別の品種として載っています。ただし、市場の「早生ふじ」がどの品種を指すかは、統計の表からはわかりません。

買ったりんごはどう保存すればよいですか

農林水産省の広報誌では、切る前のりんごについて「ポリ袋に入れて密封したり、ラップで包んで冷蔵庫の野菜室で保存すれば、鮮度を保てます。」と紹介されています。同じ広報誌の別の記事にも、「生のりんごからは、野菜や果物の追熟を促すエチレンガスが発生するため、ポリ袋に入れ冷蔵庫の野菜室で保存してください。」とあります。

まとめ 東京の市場では10月は早生ふじ、11月からはふじが最多

りんごの品種と時期を、市場と収穫の統計でおさらいします。
・東京の市場への入荷は、2023〜2025年の3年とも9月はつがる、10月は早生ふじ、1〜7月と11〜12月はふじが最多
・2025年10月は早生ふじが39.5%。「ふじ」は0.4%で、11月には50.2%に
・全国の収穫量は2025年産57万7,400t(概数値)。1973年産以降で最も少ない
・ふじの割合は1973年産9.5%→2023年産50.8%。1981年産から品種別の1位
・品種別の栽培面積(2023年産)は、ふじが47.3%。つがる・王林・ジョナゴールド・シナノスイートが続く
東京の市場では、10月は早生ふじやシナノスイートなど、11月からはふじが多く入荷しています。売り場で品種名の表示を見比べるときの手がかりにしてください。

※この記事の数値は、東京都中央卸売市場の市場統計情報(2023〜2025年の年報の明細データ)、農林水産省の果樹生産出荷統計(2025年産は概数値)とその長期累年、同省の特産果樹生産動態等調査(令和5年産)から取りました。割合と順位は編集部で計算しています(2026年10月3日時点)。

元記事で読む
次の記事
の記事をもっとみる

注目コンテンツ