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「最先端のおしゃれだと思っていました」 前髪にピンク色のカーラーをつけた先輩。私の返事に思わず声を上げた理由

  • 2026.10.10

前髪についた、ピンク色のカーラー2つ

ある朝、事務所に入ってきた先輩を見て、私は思わず手を止めました。

先輩の前髪に、大きなピンク色のカーラーが2つ、巻かれたままだったのです。

先輩は職場でいちばんのおしゃれ好き。

新しい服や小物をいち早く取り入れる人で、いつも身だしなみに気を使っていました。

そんな先輩が、カーラーをつけたまま平然と席に座り、いつものように仕事を始めたのです。

最初は、外し忘れたのかと思いました。

でも、あまりにも堂々としているので、だんだん自信がなくなってきました。

もしかして、これが最近のおしゃれなのでしょうか。

「なあ、今日の先輩の髪、見た?」

隣の席の後輩に小声で話しかけると、後輩も困惑した顔でうなずきました。

「見ました。あれって…カーラーですよね?」

「そうだよな。でも、先輩だしなあ。最近はああいうのが流行ってるのかも」

「えっ、そうなんですかね…」

2人で顔を見合わせましたが、結局、声をかけることはできませんでした。

ほかの同僚たちも、特に何も言いません。

その後の朝礼でも、午前中の会議でも、先輩はカーラーをつけたまま、いつもどおり真剣に話していました。

その姿を見ているうちに、私も「やっぱり、あれでいいんだろう」と思い始めていたのです。

女子トイレから飛び出してきた先輩

ところが、昼休みが終わりかけたころのことです。

廊下の奥から、突然「きゃあっ!」という声が聞こえてきました。

女子トイレのほうです。

何事かと思って廊下に出ると、ちょうど女子トイレの扉が勢いよく開きました。

飛び出してきたのは、あの先輩です。

右手には、外したばかりのピンク色のカーラーが2つ。顔は耳まで真っ赤になっています。

そして私を見つけると、まっすぐ近づいてきました。

「ちょっと!なんで誰も教えてくれなかったのよ!」

「えっ、何がですか?」

「何がって、このカーラーよ!ひと言教えてよ、駅からずっとこの頭だったのよ」

どうやら先輩は、朝、髪を巻いたあと、カーラーを外し忘れて出かけてしまったようです。

電車に乗り、駅から会社まで歩き、朝礼にも会議にも出席。

そして昼休み、トイレの鏡を見るまで、まったく気づかなかったというのです。

私は申し訳なく思いながらも、正直に答えました。

「いや、その……最先端のおしゃれだと思っていました」

「そんなわけないでしょ!」

先輩は目を丸くしました。

「えっ、本当に?あなた、これがおしゃれに見えたの?」

「先輩なら、そういうのもありなのかなって…」

「もう! いつもはあんなに気を使ってるのに、今日に限って!」

そう言って先輩は頭を抱えました。

「午前中ずっと、まじめな顔で会議に出てたのよ、私」

その光景を思い出したのか、先輩はとうとう吹き出しました。

私もつられて笑ってしまい、廊下の向こうで様子を見ていた同僚たちからも笑い声が上がりました。

翌朝、机に置かれていたあめ

翌朝、出勤すると、私の机の上にあめが1つ置いてありました。

不思議に思っていると、先輩が通りすがりに小声で言いました。

「それ、口止め料よ」

「あはは、わかりました。誰にも言いません」

「もう昨日のことは忘れてちょうだい!」

そう言いながらも、先輩は笑っていました。

それ以来、先輩がいつもと違う髪型で出勤してきたときには、念のため確認するようになりました。

「先輩、今日の髪型は、それで完成ですか?」

すると先輩は、決まって手鏡を取り出します。

「ちょっと、もう!今日は大丈夫よ!」

あの日のピンク色のカーラーは、今でも私たちの笑い話になっています。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた50代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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