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「2026年 京都モダン建築祭」で巡りたい、特別公開の名建築8【京都駅・七条編】

  • 2026.10.9
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「京都モダン建築祭」が、2026年10月31日(土)からスタート。5周年を迎える今年は「めぐりあうモダン建築の京都」をテーマに、過去最多となる約13エリア、約150の建築が参加する。本記事では、パスポートの提示で見学可能な「パスポート公開」の対象となる建築をエリア別に紹介。今回は「京都駅・七条編」だ。寺社と商業施設が共存する京都駅周辺と、鴨川沿いの自然と歴史的建造物の調和を楽しめる七条エリアで、名建築を巡りたい。見学の際には、お目当ての建築の公開日時を、事前に公式サイトで確認することを忘れずに。

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京都鉄道博物館

パスポート公開エリア:扇形車庫、旧二条駅舎貴賓室

2014年に閉館した大阪市の「交通科学博物館」と、2015年まで「扇形車庫」や「旧二条駅舎」を保存・展示していた「梅小路蒸気機関車館」を、統合・発展させ、2016年4月29日に開業。

蒸気機関車が格納されている「扇形車庫」は、国内に現存する最大規模かつ最古の鉄筋コンクリート造機関車庫。設計を手掛けたのは、建築家の渡辺節だ。大規模な架構や合理的な平面計画によって機関車の修理などの作業を効率化、日本全体の鉄道輸送力増強を支えたことなどが評価を受け、国の重要文化財に指定された。

「旧二条駅舎」は、本格的な和風建築。現役時代は日本最古級の木造駅舎と言われていた。こちらは、京都市指定有形文化財に指定されている。今回特別に見学できる「貴賓室」は、天皇が鉄道で移動する際、駅利用時の休憩所として機能した部屋だ。特別な設えに目を凝らしたい。

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京都鉄道博物館
京都市下京区観喜寺町

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東本願寺視聴覚ホール

パスポート公開エリア:ホール(内部)

ポストモダンの旗手として知られ、「キリンプラザ大阪」、「植田正治写真美術館」、「ワコール本社」などを設計した建築家、高松伸の秘められた、1998年竣工の名作。なんと、「東本願寺」の地下にある。日本近代の建築家、亀岡末吉が手掛けた「菊門」、それから「大寝殿」の間の地下空間に、このような現代建築が埋め込まれているとは、気づかない人も多いのではないだろうか。

伝統的な様式を継承する地上の「東本願寺」の寺院殿舎群とは対照的に、ラディカルでモダン。階段を降りると足を進めるごとに風景が変わり、ホールに近づくとコンクリートの神殿を思わせる空間が広がる。ホールの外壁は円錐台形で、その上部から自然光が降り注ぐ。ロビーにもトップライトが設けられ、地下とは思えない明るさを確保している。

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東本願寺視聴覚ホール
京都市下京区烏丸通七条上る常葉町

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顕道会館

パスポート公開エリア:1階顕道講堂、2階仏間

鉄筋コンクリート建築の先駆者でありながら、全国的に現存する作品が少ない増田清による「顕道会館」。大阪を中心に活躍した増田は、耐震性に優れた構造をベースにした、機能的な設計を得意とした建築家だった。現在「広島市平和記念公園レストハウス」として使われている「旧大正屋呉服店」は爆心地から至近距離にありながら、全壊を免れている。

「顕道会館」の竣工は1923年。建物を正面から見ると、3連アーチの外観が印象的。繊細な装飾を施した瀟洒な佇まいだ。内部に入ると、鉄筋コンクリートならではの力強い大空間が広がる。この直線的な構造体は、2階に至って曲線に変化し、ゆるやかなカーブを描いて展開する。大正時代らしい華やかで自由な空気を感じたい。

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顕道会館
京都市下京区油小路通花屋町上る西若松町249

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京つけもの西利 本店

パスポート公開エリア:応接室

プロダクトデザイナーで建築家の若林広幸が手掛けた「京つけもの西利本店」は、新規参加建築。地上5階、地下2階建て、1990年に竣工した。

1階は店舗、2階にはカフェとギャラリーが入るが、今回は、外観を特徴づける、屋根から突き出したように見える円筒の内部を特別公開。ここには「応接室」が入る。来客を迎える場にふさわしい落ち着きを備えつつ、曲面を活かした空間構成などにより、独自の雰囲気が漂う。壁一面を覆う窓からは、「興正寺」が見える。一体的にデザインされた家具や照明、壁・天井のディテールにも着目し、建築やインテリアを通して表現された企業文化やもてなしの姿勢を読み取りたい。

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京つけもの西利 本店
京都市下京区堀川通七条上る西本願寺前

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重信会館

パスポート公開エリア:1階~屋上

「東本願寺」と「渉成園」の間に立ち、ツタの絡まる外観が行き交う人々の視線を集める「重信会館(じゅうしんかいかん)」は、1930年竣工。竣工当初は学舎、その後は寄宿舎として使われた。設計は、大阪を拠点とした建築家、竹内緑。直線的なデザインや幾何学模様が目をひき、昭和初期の建築らしいアールデコの特徴が認められる。

中央に入口、両脇に丸窓のある左右対称のつくりを基本として安定感を見せながら、右にある横長の線は正面から側面に回り込むなどスピード感が強調されている。内部では、玄関に窓飾りや階段の意匠、モールディングといったディテールに注目してほしい。

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重信会館
京都市下京区中珠数屋町通東洞院東入廿人講町36

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学芸出版社ビル(タイルギャラリー京都)

パスポート公開エリア:2階学芸出版社ライブラリー、3階会議室、タイルギャラリー京都、4階屋上

建築・都市分野の専門出版社である、「学芸出版社」の社屋。内外ともにコンクリート打ち放しのモダン建築だ。設計を担当したのは、坂倉準三建築研究所を経て建築環境研究所を設立した吉村篤一。1995年に竣工し、2017年には、みささぎ一級建築士事務所が改修。断熱補強を施すとともにオフィスの動線を明確にし、造作家具を加えた。デスクや本棚などの置き家具は、北海道・旭川の職人に特注。「パスポート公開」では、ライブラリーを見学可能なので、オフィスとしての合理的な構成に重ねられた、家具や内装の素材、そして仕上げに注目してみてほしい。

館内の「タイルギャラリー京都」は、多彩なタイルに触れ、素材、色、技法から比較できる体感型ギャラリー。建築祭ではこちらも訪れることができる。

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学芸出版社ビル(タイルギャラリー京都)
京都市下京区木津屋橋通西洞院東入

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元淳風小学校

パスポート公開エリア:校舎内廊下、元音楽室、元放送室、元生活科ルーム、元理科室

縦長の窓や入り口に見られる美しいアーチに、昭和初期に流行したスパニッシュ様式の特徴を認めることができる校舎建築。地上3階建て。京都市営繕課が設計を手掛け、1931年に竣工した。2017年、児童数減少のため閉校、その歴史に幕を閉じた。

建築祭では、校舎内廊下、元音楽室、元放送室、元生活科ルーム、元理科室を特別公開。順路に従い、自由に見学可能だ。外壁の装飾や廊下の柱上部の曲線的なあしらい、板張りの床などにも目を向けつつ、在りし日の小学校の空気を感じよう。

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元淳風小学校
京都市下京区大宮通花屋町上る柿本町609-1

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本山興正寺 表対面所

パスポート公開エリア:表対面所内

「本山興正寺」は、近世から続く真宗寺院の格式を保ちながら、明治末から大正期にかけて主要な伽藍(僧侶が集まって仏道修行をする清浄な場所、寺院等)を再建した建築群。「阿弥陀堂」「御影堂」をはじめ、外観では本瓦葺きの入母屋造など伝統的な意匠を継承しつつ、内部は広い参詣席や明快な動線を採用、近代的に使いやすい設計となっている。

特別公開される「表対面所」は、1912年に竣工。参拝者を迎え、対面や交流を行う場だ。建築祭では、意匠の継承と機能の更新が重なる、近代の寺院建築の特徴を確認してみてほしい。

本山興正寺 表対面所
京都市下京区堀川通七条上ル花園町70

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