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「そんなはずない、広告では安かった」レジで怒る男性。だが、持参した広告を見て言葉を失った理由

  • 2026.10.10

夕方のレジで止まった会計

夕方のスーパーは混んでいて、どのレジにも列ができていました。

私は2番目に並び、かごを持ったまま前の人の会計が終わるのを待っていました。

後ろにも3、4人が続いています。

先頭にいたのは60代くらいの男性です。

20代くらいの女性店員が、しょうゆの大きなボトルをレジに通しました。

画面に値段が表示された瞬間、男性が眉を寄せました。

「あれ?これ、広告ではもっと安かっただろ」

店員は画面を確認してから答えました。

「申し訳ありません。こちらは本日は通常価格になっています」

「そんなはずないよ。きのう、家で広告を見て来たんだから」

安い日に買おうと思って来たようでした。店員はもう一度、今日は特売価格ではないことを説明しましたが、男性は納得しません。

「広告を見たんだ。直してくれよ」

「申し訳ありませんが…」

「何年この店に通ってると思ってるんだ」

男性はそう言って、レジ台を手でたたきました。

会計は止まったままです。後ろに並んでいた女性が腕時計に目を落とし、小さく息をつきました。

店員は困った表情で頭を下げています。間違ったことを言っているようには見えません。

それでも私は、横から口を出すこともできず、そのやり取りを見ていました。

ポケットから出てきた広告

やがて店員が呼び出しのボタンを押すと、売り場の奥から40代くらいの男性社員が早足でやって来ました。

社員が店員の隣に立つと、男性は上着のポケットから折りたたんだ紙を取り出しました。

「ほら。ちゃんと持ってきてるんだ。ここに書いてあるだろ」

差し出されたのは、その店の広告でした。

「確認いたします」

社員は広告を受け取り、レジ台の上に広げました。

そして、しょうゆの写真のそばに書かれた文字を確認すると、男性にも見えるように指を添えました。

「お客様、こちらです。特売期間は、きのうまでとなっています」

「え…」

男性は広告に顔を近づけました。

社員が指した部分をしばらく見つめたあと、それまで開きかけていた口が閉じました。

レジ台に置いていた手も、すっと体の横へ下がります。

「本日は、こちらの通常価格になります」

さっきまでの勢いが消えた男性

男性はもう言い返しませんでした。

黙って財布を取り出し、そのまま通常の値段で会計を済ませます。

社員は広告を元どおりに折りたたみました。

「こちら、お返ししますね」

男性は広告を受け取るとポケットにしまい、誰とも目を合わせないまま出口へ向かっていきました。

ようやく列が動き、私の番になりました。

店員はまだ少し緊張した表情をしていましたが、「お待たせいたしました」と言って、私のかごに手を伸ばしました。

広告を見て買いに来た男性の気持ちも、分からなくはありません。

ただ、ほんの小さな文字を確認するだけで、長いやり取りは避けられたのかもしれない。そう思った出来事でした。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた40代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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