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ベランダの植物がSOS! 夏の水やりしすぎで白絹病&カイガラムシ発生? 我が家の失敗と対策体験記

  • 2026.10.10

実家の「庭じまい」をきっかけに始まった、フラワー&フォトスタイリスト・海野美規さんのベランダガーデニング。「猛暑だからたっぷり水やりをしなきゃ!」と意気込んで過ごした今年の夏ですが、よかれと思ってあげていた毎日の水が、思わぬトラブルを引き起こしてしまいました。 葉の根元に広がる白い菌(白絹病)や、しつこいカイガラムシ、そして「水のやりすぎ」による過湿……。今回は、夏のベランダガーデニングで直面したリアルなトラブルと、愛犬と一緒に安全に乗り切るための試行錯誤、そして癒やしの挿し芽の様子をお届けします。

夏のベランダで次々と起こるトラブル

ベランダガーデン

9月に入ってから、ずっとぐずついた雨の日が続いていましたね。ベランダの植物たちも、少しずつ勢いを潜め始める季節。そんな中で、キバナコスモスがぽつりぽつりと咲いています。

以前、庭じまいをしたときに連れてきたムスカリの鉢に、こぼれ種が混ざっていたのでしょうか。たった一本だけ顔を出したその茎の先に、鮮やかなオレンジ色の花が灯っています。仲間がいなくてどこか寂しげでありながらも、雨の日のベランダを明るく照らしてくれる嬉しい存在でした。

それにしても、今年の夏も暑かったですね。猛暑だ! これはたいへんだ! と、ベランダの植物たちが水切れしないようにと、せっせと水やりをしました。

ところが、ある日ふと気づくと……あれ? なんだか元気がない?

夏の水やりって、思っていた以上に難しいです。今回は、そんなベランダで起きた植物たちからのSOSな出来事をレポートします。

白絹病――ジャーマンアイリスの根元に

白絹病

「なんだろう、この白いもの?」

ある日、ジャーマンアイリスの根元に、見慣れない白いものを発見しました。この鉢にはジャーマンアイリスのほかに、クリスマスローズ、ムスカリ、スノードロップも同居していたはず。少し前までは、クリスマスローズの葉も茂り、ジャーマンアイリスの葉もすーっと伸びていて、みんな元気に育っていると思っていました。

毎日見ていたはずなのに、気づかなかったことにショックでした。調べてみると、どうやら「白絹病」の可能性がありそうです。

白絹病の主な症状と特徴

● 根元が白くなる

株の地際やその周辺の土に、白い絹糸のような菌糸が広がります。さらに、マスタードの種のような小さな茶色い粒、菌核が見られることもあるそうです。

● 葉が茶色く枯れる

地下部や根元から腐敗が進むことで、地上部の葉が変色し、枯れてしまうことがあります。

● 高温多湿の環境で発生しやすい

気温が高く、湿気の多い環境で発生しやすく、特に夏は注意が必要です。

まさに、今回のアイリスはこの状態。植物の変化に気づけなかったことが、なんとも悔しく感じました。

まずは、できることから

植え替え

白絹病は進行が早く、そのままにしておくと株全体が枯れてしまうこともあるということ。これは早めに対処しなくては、とさっそく作業に取りかかりました。

まずは、感染した株を取り除き、周辺の白い菌糸や菌核が見られる土も一緒に取り除きます。鉢植えの場合は、土をすべて入れ替えたほうがよいでしょう。取り除いたものは、ほかの植物に広がらないように袋に入れて処分しました。さらに、根元に枯れ葉などがたまっていないかを確認し、風通しや水はけにも気をつけることにしました。

白絹病の対処法には、薬剤を使う方法や、地植えであれば天地返しする方法など、いろいろな方法があるようです。鉢も消毒や処分をしたほうが安心ということですが、今回は発見してからまだそれほど時間が経っていなかったので、まずは薬剤に頼らずできる範囲で処置をして、このまま様子を見ることにしました。

できるだけ自然な方法で

植え替え
植え替え後。

我が家には犬がいて、ベランダに出ては、植物の間をうろうろしたり、葉っぱの匂いをクンクン嗅いだりしています。そんな姿を見ていると、植物を守るためとはいえ、薬剤を使うことには少し心配。家族の一員である犬にも、ベランダの植物たちにも、できるだけ安心して過ごしてほしいと思います。

そのため我が家のベランダでは、薬剤に頼る前に、植物の様子をこまめに観察し、手で取り除いたり、環境を整えたりしながら、できるだけ自然な方法で対処していきたいと考えています。

家族と植物、どちらも大切にしながら育てることができれば嬉しいですね。それが私のベランダガーデンで大切にしていることのひとつでもあります。

とりあえずこれで落ち着いてくれるといいのですが……。

白綿とすす病――スキミアの上で起こるエンドレスな戦い

すす病

「うわっ、また出た!」

スキミアのつぼみや葉っぱの裏、新芽が出ている茎に、白い綿のようなものが付いています。そして、ほかの葉っぱには黒いすすのような汚れが……。

「これは、いったい何?」

調べてみると、今度はどうやらカイガラムシが原因のようです。白い付着物は、殻をかぶったタイプのカイガラムシや、その分泌物、幼虫などによるもの。そういえば以前、テラコッタ鉢に、貝殻のような硬いものがいくつもくっついているのを見つけたことがありました。

そして、葉っぱが黒く汚れているのは、カイガラムシなどの害虫が出す排泄物を栄養にして、黒いカビが繁殖する「すす病」。葉や茎が黒く汚れてしまうのが特徴なのだとか。なるほど……。

白い綿のようなものと、黒いすすのような汚れ。どうやら、別々のトラブルではなかったようです。

毎日チェック、毎日退治

すす病対策

対処法を調べてみると、見つけた白い綿は歯ブラシなどでこすり落としたり、傷んだ部分はカットしたりするとよいそう。

そこで、まず傷んだ葉っぱと枝は切って、半分ほどのボリュームにしました。そして、少しついているところは、歯ブラシで取り除きました。そして、毎日葉っぱの表や裏、茎やつぼみまで、せっせとチェックすることにしました。

「今日は大丈夫かな?」と思った翌日、「うわっ、また付いてる!」……退治したと思っても、また発見。まさに、いたちごっこです。「お願い、もう出てこないで〜!」と、叫びたくなります。

見つけたらその都度取り除く。地道な戦いは、まだまだ続きそうです。

スキミアにとっても、夏は過酷

スキミア
回復中のスキミア。

スキミアは、もともと直射日光や夏の強い日差しが苦手で、暑さや多湿の環境では株が蒸れやすい植物。確かに、以前庭に置いていたところは、半日陰の涼しいところでした。

そこで、できるだけ風通しをよくして、株元が蒸れないように気をつけることに。害虫を退治するだけではなく、スキミアが少しでも過ごしやすい環境をつくってあげることも大切ですね。

毎日の小さな変化を見逃さないように、今日も葉っぱの裏までチェックです。さて、明日は……どうか出ませんように。

真夏の水やりの難しさ――西陽と猛暑、そして「やりすぎ」?

ベランダガーデン

今年の夏は、本当に暑かったですね。あまりの猛暑に、朝晩2回、水やりをする日もありました。

「暑いから、水をたっぷりあげなくちゃ」「こんなに暑いんだもの。水切れしたらかわいそう」……そう思って、どの植物にもついついたっぷりと水をあげていました。

けれども、植物によって、必要な水分量は違うんです。今回トラブルが発生したアイリスの鉢の組み合わせを改めて見てみると、それぞれ好む環境が少しずつ違っていました。

ベランダガーデン
  • ジャーマンアイリスは乾燥を好み、過湿が苦手
  • クリスマスローズは水はけのよい環境を好みますが、極端な水切れも苦手
  • ムスカリは、どちらかというと乾燥気味を好み、夏は休眠期

なるほど。同じ鉢に植えていても、みんな同じように水を欲しがっているわけではありません。そもそも、この鉢がちょっと窮屈だったのかもしれません。

この鉢は、庭じまいをしたときに、地植えになっていた植物を掘り上げて、ひとつの小さな鉢にまとめたもの。地植えの頃は、自然の雨を受け、日差しを浴び、風に吹かれながら、それぞれがのびのびと育っていました。

それが今では、少し狭い鉢の中。しかも、ベランダの西陽が当たる場所で、暑い暑い夏に、私からせっせと水をもらう毎日。もしかしたら植物たちは、「あぁ〜、なんだか息苦しいわ……」なんて思っていたのかもしれません。

そう考えると、なんだか申し訳ない気持ちになってきました。

今回のことで、改めて植物それぞれの性質を知ることの大切さを実感しました。暑いからといって、ただ水をたくさんあげればいいわけではないですね。

「その植物は、今どんな状態なのか?」

土の乾き具合や季節、置き場所、風通しなどを見ながら、水やりをすることが大切なのです。

水やりの基本は、「土が乾いてから、たっぷりと」。そして、余分な水が抜けるように、水はけと風通しにも気をつける。

植物からのSOSを見逃さないように、これからは「暑いから、とりあえず水!」ではなく、もう少し植物の様子を見ながら水やりをしていこうと思います。

ベランダの植物たちとの暮らしは、まだまだ試行錯誤。次は、どんなSOSが届くでしょうか。

挿し芽第2弾――アジサイとクチナシ、可愛い新芽に癒やされて

挿し芽

7月に始めた挿し芽は、うまくいったものもあれば、残念ながら失敗したものもありました。それでも、やってみるとやっぱり楽しいものですね。

今度は鹿沼土で挑戦してみたくなって、挿し芽の「第2弾」を始めることにしました。

鹿沼土
保水性・通気性に優れ、酸性という特徴を持つ鹿沼土。雑菌や肥料分が少ないため挿し木にも向きます。
挿し床
プラカップに鹿沼土を準備。

追加したのは、赤い花の山アジサイ、カシワバアジサイ、ガクアジサイ、ブルーアジサイ、そしてクチナシ。

さて、今回はうまくいくでしょうか。

挿し芽

枯れ枝から、小さな葉っぱが!

挿し芽

いろいろ挑戦した挿し穂の中でも、特に嬉しい動きがあったのが、赤い花の山アジサイ。「これは、もう枯れ枝かな?」と思うような枝をダメ元で挿してみたところ、しばらくすると、なんと、かわいい小さな葉っぱが!

あまりにも小さな葉っぱなので、思わず虫眼鏡を持ってきて、じーっと見入ってしまいました。

挿し芽

「出た、出た!」

小さな小さな新芽なのに、その姿を見つけたときの嬉しさは格別です。

枯れ枝に見えた枝から、ちゃんと新しい命が動き始めている。植物って、本当にすごいなぁと思います。

お世話にも、つい力が入る

挿し芽

こうなると、無事に育ってほしくて、お世話にも力が入ります。「水切れさせたら大変!」と思う一方で、「いやいや、あげすぎたら息苦しいかも?」と、ここでも悩みます。

前章で水やりの難しさを痛感したばかりなのに、挿し芽でもまた水やりに悩む私。

「あげる? まだ待つ?」

鉢をのぞき込みながら、今日も奮闘中です。

そして、もうひとつ悩ましいのが、鉢上げのタイミング。

「根っこはどのくらい育っているんだろう?」「もう少しこのままで大丈夫?」「それとも、そろそろ鉢上げしたほうがいい?」……小さな新芽を眺めながら、あれこれ考える時間も、挿し芽の楽しみのひとつなのかもしれません。

病気を見つけたり、水やりに悩んだり。

ベランダでしゃがみ込み、何やらブツブツ言っている私を心配してか、愛犬あんも出てきて、小さな新しい芽を眺めます。「もう少し大きくなったほうがいいんじゃない?」。

挿し芽

夏のベランダガーデンは、なかなか思い通りにはいきません。

それでも、ふと気づけば小さな新芽が顔を出している。その姿に励まされながら、今日もまた植物たちと愛犬と一緒に過ごす毎日です。

Credit
写真&文 / 海野美規 - フラワー&フォトスタイリスト -

うんの・みき/フラワー&フォトスタイリスト。ハーバルセラピスト。愛犬あんとの暮らしを通じて、動物のための自然療法を学ぶ。パリで『エコール・フランセーズ・ドゥ・デコラシオン・フローラル』に入門、ディプロムを取得。『アトリエ・サンク』の山本由美氏、『From Nature』の神田隆氏に師事。『草月流』師範。フランス、ハンガリー、シンガポールでの暮らしを経て、現在日本でパリスタイル・フラワーアレンジメントの教室『Petit Salon MILOU(プチ・サロン・ミロウ)』を主宰。

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