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「誰も頼んでない、店長を呼べ」10人の団体客から何度も責められた私。だが、注文ミスの原因を突きつけた結果

  • 2026.10.9
「誰も頼んでない、店長を呼べ」10人の団体客から何度も責められた私。だが、注文ミスの原因を突きつけた結果

ありがたい団体と、多すぎるビール

居酒屋のホールでアルバイトをしていたころの話です。

店の奥の長いテーブルには、月に何度も会社の仲間らしい団体が来てくれていました。

多い日は10人になる、店にとってありがたいお客様でした。

上座には50代くらいの上司が座り、そのまわりを部下たちが囲んでいました。

困っていたのは、上司のジョッキが空きそうになるたび、部下たちがそれぞれ気をきかせて、別々にビールを注文することです。

席で手を上げる人もいれば、手洗いに立ったついでに廊下で私を呼び止める人もいました。

そのため、同じテーブルから短い間に同じ注文が重なることがありました。

はじめのうち、上司は届いたビールを見ると、不機嫌そうに言う程度でした。

「それ、さっきも来たよ」

ところが10人がそろったある日、ビールの注文が続けて3つ入りました。

私がジョッキを3つ運ぶと、上司は箸を置きました。

「ビールがまた2杯多いぞ。どうなってるんだ」

「それぞれご注文をいただいています」

すると上司は、さらに声を強めました。

「誰も頼んでないだろ。毎回これじゃ困るよ。店長を呼んで」

部下たちは黙ったまま、誰も顔を上げません。

呼ばれて来た店長に、上司は私のほうを見ながら言いました。

「この人、注文を間違えてばかりなんだ。ちゃんと確認してくれないと困るよ」

店長が頭を下げ、私も隣で頭を下げました。

注文を受けた覚えはあるのに、何度も私の聞き間違いだと言われることが悔しくて、その日はお盆を持つ手に力が入りました。

時刻と場所を、伝票に残すことにした

それから私は、その団体からビールの注文を受けたときだけ、伝票に時刻と、どこで声をかけられたのかを書き添えるようにしました。

次に団体が来た日も、短い間に3人からビールを頼まれました。

私はその都度、時刻と場所を書き残しました。

そして3杯をテーブルへ運ぶと、上司はジョッキを見て、また声を上げました。

「また3杯?いったいどうなってるんだ」

私は手元の伝票を確認してから、上司の前に並べました。

「こちらです。7時10分にお席で、7時12分に廊下で、7時13分にお手洗いの前で、それぞれ別の方からうかがっています」

上司は黙って、伝票を1枚ずつ見ました。

そして部下たちのほうを振り返ると、3人が小さく手を上げました。

「すみません。ジョッキが空きそうだったので…」

上司は何も言わず、もう一度伝票へ目を落としました。

前回、店長まで呼んで私を責めたときも、同じように部下たちから注文が重なっていたのです。

私は伝票を手元に戻し、静かに言いました。

「3杯とも、ご注文どおりです。ごゆっくりどうぞ」

一礼して厨房へ戻ると、店長が伝票を受け取りました。

そして、「次から、あの席の注文はテーブルでだけ受けよう」と言いました。

誰かを責めるためではなく、いつ、どこで注文を受けたのかを残しただけでした。それでも記録があったことで、ようやく私の聞き間違いではないと伝えることができたのです。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた50代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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