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「100グラム98円よ!」スーパーで夫に駆け寄ったはずの私。だが、返事がなく顔を上げると

  • 2026.10.9
「100グラム98円よ!」スーパーで夫に駆け寄ったはずの私。だが、返事がなく顔を上げると

いつもの場所にいると思い込んでいた

50代の私と夫は、週末になると2人でスーパーへ買い物に出かけます。

カートを押すのは夫の役目。私がお肉を選び始めると、夫は少し離れたところで待っていてくれます。

私が値段や量を見比べて、なかなか決められないことをよく知っているからです。

その日も、夕方のお肉売り場は買い物客でにぎわっていました。

「ゆっくり見てていいよ。俺、このへんにいるから」

「ありがとう。豚こま、安いのあるといいんだけど」

そう言って、私は冷蔵棚を端から見ていきました。

すると、値引きシールの貼られた豚こま切れが目に入りました。

100グラム98円です。

「安い!」

これなら夫の好きな野菜炒めをたっぷり作れます。うれしくなった私はパックを手に取り、そのまま後ろを振り返りました。

少し離れたところに、紺色の上着を着た男性が立っています。背格好も夫によく似ていました。

私はすっかり夫だと思い込み、値札を見ながらその男性のところへ小走りで向かいました。

顔を上げた瞬間、知らない男性がいた

パックを目の前に差し出し、うれしくてそのまま言いました。

「100グラム98円よ、ラッキー」

ところが、返事がありません。

いつもなら「お、いいね」と返してくるのに。

不思議に思って顔を上げると、そこにいたのはまったく知らない男性でした。

年のころは夫と同じくらい。男性も何が起きたのか分からないようで、お肉のパックと私の顔を交互に見ています。

一気に顔が熱くなりました。

「あっ……すみません! まちがえました」

慌てて頭を下げると、男性は少し間をおいて笑いました。

「……たしかに、安いですね」

「ですよね……じゃなくて、本当にすみません」

恥ずかしくなった私は、お肉を抱えてその場を離れました。

あたりを見回すと、少し離れたたれの棚の前から、本物の夫がカートを押しながらこちらに手を振っています。私がお肉を選んでいる間に、少し移動していたようでした。

夫のところへ行くと、すでに笑いをこらえています。

「俺、こっちだけど」

「見てたなら言ってよ」

「いや、止める間なかったって。すごい勢いで行くから」

そう言われると、私もおかしくなってしまいました。

帰りの車の中でも、思い出すたびに2人で笑いました。信号で止まるたびに夫が吹き出すので、最後には私まで涙が出るほど笑っていました。

それ以来、お肉売り場で私が夫のほうへ近づこうとすると、夫が先に声をかけてきます。

「大丈夫。今度は俺だよ」


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた50代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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