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【ルームツアー】庭の色を取り入れ、陶器を飾る——好きなものと暮らすノースカロライナの家

  • 2026.10.7
Anna Routh Barzin

ここはアメリカ、ノースカロライナ州シャーロット。子どもたちが巣立ち、2人残された夫婦が長年住み続けてきた自宅を見直すと、この家がもはや自分たちのニーズに合わなくなっていることに気づいた。彼らには2つの選択肢があった。新しい物件でいちからやり直す。あるいは、ランドスケープアーキテクトである妻が何年もかけて手入れしてきた見事な庭を備えた家を全面的にリノベーションする。

迷った2人は、地元のデザイナーで、友人でもあるバリー・ベンソンに助言を求めた。市場に出せば、庭の存在だけで人気物件となるのは目に見えていたが、ベンソンの心は決まっていた。リノベーション以外ありえない。しかし、この家を夫婦2人の暮らしにふさわしい空間に再生させるには、まずは家全体のレイアウトを刷新する必要があった。ファブリックや塗料、建築的なディテールを決めるのは、それからだ。

「家主夫婦は、ともに熱心なコレクターなんです。だから、デザインの方向性はこれで決まりました」とベンソン。ガーデニングに関するあらゆるものを収集しているのに加え、妻はオークションサイトが好きで、色々なサイトをチェックしている。磁器コレクションも相当なものだ。インテリアデザイナーのシャーロット・モスや建築家のロバート・スターンのもとで働いていた時代のデザインブックもかなりの数にのぼる。リノベーションする前、家の中心には小さな書斎があったが、デスクの周囲には本や陶磁器が山積みになっていた。このコレクションを以下に飾るかがベンソンの腕の見せ所だった。

ベンソンは、まずこの伝統的な「四角い家」のレイアウトを全面的に見直した。ダイニングとリビングの位置を入れ替え、かつての書斎に食器洗い場と調理室を配置。さらに、ホームバーのためのスペースも設けた。ベンソン、家主夫婦、そしてプロジェクトマネージャーのエイブリー・パーセルは、この家を、夫婦にとってより機能的で美しく、まとまりのある空間へと変貌させるとともに、巣立った子どもたちにとっても「我が家」としての温かみを感じられる場所にするべく、意見を出し合った。

Anna Routh Barzin

「2人はここに長年住んでいたため、改めて家の可能性を見極めることができました。また、家族にふさわしい仕上がりを叶えるべく、私たちのデザイン案を磨き上げてくれました。非常に協力的な関係性の下にプロジェクトは進んだと思います」とベンソンは振り返る。

新しいダイニングルームには、ささやかな書斎とカスタムメイドの本棚、それから磁器コレクションを収めるための大きなキャビネットが置かれた。そこには妻が収集してきた、誰もがうらやましがるような品々が並べられている。サイドボードも、より多くの食器を収納できるよう設計。書斎には、歴史と音楽をこよなく愛する夫の書籍やレコードが飾られている。

キッチンは夫婦のゆったりとした新たな生活に向け、調理場というよりも、むしろ宝石箱のような空間を意識して整えられた。2人が迎える「次の章」のための準備は万端だ。

新しいレイアウトが定まると、いよいよベンソンが一番楽しみにしていたステージへ。ファブリック選びとインテリアのコーディネートだ。

<写真>ファミリールームのオットマンは、「O. ヘンリー・ハウス 」と共同でデザイン。花柄のクッションには「クレアモント」の“ツリー・オブ・ライフ”を使用。ソファには「ジョージ・スペンサー・デザインズ」のベルベットを張った。

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ベンソンは言う。「デザインをする上で、庭の色を参考にしました。私は常々言っているのですが、好みの色は、そう簡単に変わるものではありません。夫人の好みはスカイブルーやスプリング・グリーン、エッグプラント・パープル。庭にも、同じ色がちりばめられています。この家では、屋内外を結びつけることを前提にプランを考えたのですが、先ほどの4色をどの部屋にも取り入れています。このカラーパレットによって、家全体にとても滑らかな流れが生まれました」

こう聞くと、花柄のファブリックや壁紙が至る所で使われているのもうなずける。ベンソンはまた、これに加え、「庭」というテーマを巧みに、そして機能的に取り入れた。例えば、妻のデザインブックはジャルディニエール(18世紀末フランスで誕生した、テーブルの上などを飾る装飾的な花器)を模したキャビネットに収まっている。

一点、忘れてはならないのは、花と花柄の要素がふんだんに取り入れられているとはいえ、この家は過度にフェミニンな雰囲気とは程遠い点だ。ベンソンが用いた大胆な配色や巧みなパターンづかい、そして現代的な直線使いとアンティークの組み合わせにより、この家は夫婦双方にとってふさわしい、まさに唯一無二の住まいとして完成したのだ。

<写真>食器洗い場のカーテンは「イアン・マンキン」。

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ベンソンは庭でよく目にする色をインテリアに積極的に取り入れた。妻のお気に入りはキッチンの横にある朝食エリアだ。ベンソンも「今まで見たなかで最も美しい場所のひとつ」だと話す。

「夫人の個性を最もよく表している空間です。彼女が庭を眺めながらそこで仕事をこなす姿が目に浮かびますし、ゲストをもてなす際にも活用できます。ここは室内で最も自然光がよく入る場所。少し前まで、座り心地の悪い椅子と共に資料や本が山積みで十分に活用されていなかった、というのが嘘のようです」とベンソン。

家主とベンソンは友人同士であるだけでなく、これまでにいくつかの住宅プロジェクトでも協力してきた仲だった。そのため、ベンソンは、一家が倉庫にしまい込んでいたアンティークやコレクション、その他の興味深いコレクションについて、把握することができていた。そして、幸運なことに、そのどれもがベンソンがカスタマイズした家具と調和したのだ。「夫妻が愛するものを厳選し、うまく組み合わせ、最終的に彼らの好みや情熱、ニーズにフィットした空間をつくり上げるのは楽しい作業だった」とベンソンは振り返る。

<写真>朝食エリア。美しい「アデルフィ」の壁紙が、「屋内外の融合」というインテリアのテーマを際立たせている。イザベル・ビゲローの作品を両脇から彩るのは、「マチルダ・ゴード」のシェードをあしらったブラケット。ベンチはカスタムメイド。

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「今回のプロジェクトにおけるデザインの捉え方には、夫妻の個性が強く反映されています。それこそが私たちの理念。つまり、クライアントの個性やスタイルを最大限に引き出すこと。この家は、その点において間違いなく成功しています」とベンソン。

生まれ変わったこの家のインテリアは、デコレーション、それから全体的な雰囲気やスタイルも、彼らの娘たちが育った環境とは異なるものになったかもしれない。だが庭の存在は依然として家族の歴史を詩的かつストーリー性豊かに象徴している。この家は一家がこれから何年にもわたって愛で続けるであろう、大切な財産に違いない。

<写真>ポーチのアームチェアに置かれたクッションの張り地は「ジャスパー」。

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エントランス

「マルト・アーミテージ」の壁紙で覆われた落ち着いた雰囲気のエントランスが、ゲストを迎える。ミラーは「R.T.ファクツ 」。

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ファミリールーム

ジャルディニエールをモチーフにした特注の本棚が空間の主役となり、ホリー・クーリスのアート作品を引き立てる。ソファには「ピエール・フレイ」のファブリックを張った。英国製エルボーチェアは「ウィリアム・ヘインズ・デザイン」、花柄のクッションは「デコール・バルバレス」。

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キッチン

キッチンには、「バリー・ベンソン・フォー・ベンソン・フォー・ハイランド・ハウス」のバースツールを設置。その座面には「カッサンドラ・ハーパー」のファブリックを張った。照明は「ジャンブ」、水栓は「Hハウス・オブ・ロール」。

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ダイニング

ダイニングの主役は、1stDibsで入手したヴィンテージのシャンデリアと、ヤギ革を用いたカスタムメイドのテーブル。ラグは「パターソン・フリン」、ブラケットは「イアテスタ・スタジオ」。

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ラウンジ

ラウンジは、「ファロー&ボール」の“ブリンジャル”で統一され、情緒豊かでエレガントな雰囲気を醸し出している。チェアは「ジョン・デリアン」で、オットマンはカスタムメイド。カーテンは「ソーン」。

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マスターベッドルーム

この部屋の魅力はなんといっても精緻なディテールに集約されている。うっとりするようなナイトスタンドはカスタムメイドで、ワードローブはライブ・オークショニアで入手。ヘッドボードとカーテンは、「ガイ・グッドフェロー」の“ペルシャン・ヴァイン”を採用。

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マスターバスルーム

壁紙は「ツイッグス」、窓枠は「ファロー&ボール」の“カルケ・グリーン”でペイント。また、バスタブの色には「ファロー&ボール」の“イエブリッジ・グリーン”を採用。カーテンは“ニコール・ファブレ・デザインズ”。

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娘の部屋のバスルーム

「アデルフィ」の壁紙が、色とパターンでアクセントをプラス。照明は「セダー&モス」。ハンドタオルは「D. ポートホールト」。

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ポーチ

「ロイド・フランダース」のヴィンテージ籐家具は、「ベンジャミンムーア」の“カッシング・グリーン”でペイント。クッションには、さまざまな種類の「ジャスパー」のファブリックを使用している。

Original Text: LAUREN WICKS Translation: CHISATO YAMASHITA

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