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「全部捨てるよ」大学進学で上京する前に漫画雑誌100冊を処分した私→50代になりテレビに映った1冊に言葉を失ったワケ

  • 2026.10.7
「全部捨てるよ」大学進学で上京する前に漫画雑誌100冊を処分した私→50代になりテレビに映った1冊に言葉を失ったワケ

大学進学で上京する春、100冊を手放した

私は現在50代です。これは、若いころに大学進学を機に上京したときの話です。

子どものころから物を集めるのが好きで、毎週買っていた少年漫画雑誌も、読み終えては実家の押し入れにしまっていました。

捨てずに取っておいたため、いつの間にかかなりの量になっていたのです。

上京を前に荷造りをしていた春の日、押し入れを開けると、下の段は漫画雑誌でいっぱいになっていました。

数えてみると、ちょうど100冊。

これから新しい生活が始まるのだから、もう必要ないだろう。そう思った私は、雑誌をビニールひもで束ね始めました。

「上京するし、この100冊は全部捨てるよ」

近くで洗濯物をたたんでいた母が、驚いたように手を止めました。

「え、全部?せっかく集めたんだから、置いておけばいいじゃない。ここに置いておいてもいいのよ」

「いや、もういいよ。向こうに行ったら読まないし」

母は「そう…」とだけ言い、束ねた雑誌を見ていました。

最後の束のいちばん上には、その号から始まった新しい漫画の連載が載っていました。

表紙にも、その漫画の絵が大きく描かれていたのを覚えています。

翌朝、私は雑誌の束を両手に持ち、資源ゴミの集積所まで何度も往復しました。

全部捨て終えたときは、昔から集めていたものを整理できたことに、むしろすっきりしていました。

50代になったある夜、テレビに映った表紙

それから長い年月がたち、私は50代になりました。

ある夜、自宅でテレビを見ていると、昔の漫画雑誌が高い値段で取り引きされているという特集が始まりました。

隣では、妻がお茶を飲みながら一緒にテレビを見ています。

「昔の雑誌って、そんなに値段がつくものなのかな」

私が何気なく言うと、妻がこちらを見ました。

「あなた、昔まとめて捨てたって言ってたよね。私はもったいないなって思ってたけど」

「普通の漫画雑誌だよ。そんな大したものじゃないって」

そう答えた直後でした。

画面に、ある有名な漫画の第1回が掲載された号が映ったのです。

私は思わず身を乗り出しました。

その表紙には、はっきり見覚えがありました。

上京する前、最後に束ねた雑誌のいちばん上にあった、あの1冊です。

さらに番組では、その号が高い値段で取り引きされていることが紹介されました。

「……これ、持ってた」

思わず声が出ました。

妻が振り向きます。

「え?」

「これだよ。あのとき捨てた100冊の中にあった」

妻はテレビと私の顔を見比べました。

「お母さん、取っておけばって言ってたんでしょ?」

「……言ってた」

今さらどうすることもできません。私はただ、テレビに映る見覚えのある表紙を見つめていました。

母に話すと返ってきた一言

次の週末、実家へ帰ったとき、私は母にもテレビの話をしました。

70代になった母は、私の話を最後まで黙って聞いていました。

そして、ひと言だけ。

「だから、言ったのに」

私は苦笑いするしかありませんでした。

もちろん、上京前の私に、その雑誌が何十年もたって価値を持つことなど分かるはずもありません。

それでも、あの日100冊を迷いなく手放した自分を思い出すと、母の「置いておけばいいじゃない」という言葉が、今でも頭に浮かびます。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた50代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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