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「代金は届いてから渡せばいいよね」2万円の上着から始まった立て替え。1年後、妻の前に置いた「18万円超」の記録

  • 2026.10.7

届いた上着と、出てこない代金

妻は通信販売の会員になっていないため、ほしい物があると、会員になっている私に注文を頼んできます。

支払いは、いったん私名義のカードでする形でした。

ある日、妻がカタログをこちらに向けました。

「ねえ、この上着、頼んでもらっていい?」

「いいよ。これで合ってる?」

「うん。代金は届いてから渡せばいいよね」

「わかった」

金額は2万円ほどでした。

数日後に箱が届くと、妻は鏡の前で上着をはおり、うれしそうにしていました。

ところが、その後も代金の話は出ません。

引き落としの日が近づいた晩、私は妻に声をかけました。

「このあいだの上着の分、そろそろもらえる?」

妻はカタログを見たまま、「あとでね」と答えました。

翌週、もう一度聞くと、妻は少し困ったような顔をしました。

「2万円の話なんて、今じゃなくてもいいでしょう」

それ以上言うと空気が悪くなりそうで、その日は引き下がりました。

その後も、千円ほどの化粧品など、妻に頼まれて注文することが何度もありました。

妻には「私が立て替えている」という感覚があまりなかったようです。

不足した分は私の小遣いから補い、昼食も外食から弁当に変えました。そんな状態が、気づけば1年ほど続いていました。

1年分の注文を、一枚の表にした

ある休みの日、私はこれまでの注文記録をさかのぼりました。

日付、品物、金額を一つずつ表にしていくと、30件ほどになります。合計は18万円を超えていました。

その晩、印刷した一枚を妻の前に置きました。

「責めたいわけじゃないんだ。ただ、一度見てほしくて。1年分をまとめたら、これだけになってた」

妻は紙を受け取り、上から順に目を通しました。最後の合計金額を見ると、しばらく黙ったままでした。

「……こんなに、なってたの?」

「僕もまとめるまで分からなかった。これからは、頼まれたらその都度ここに書いていこうと思う」

妻は紙を見たまま、静かにうなずきました。

翌日の晩、仕事から帰ると、妻が私の前に封筒を置きました。中には、立て替えていた分が全額入っていました。

「ごめんなさい。お弁当にしてたの、それでだったのね」

「まあ、弁当は弁当で気に入ってたけどね」

そう返すと、妻も少しだけ笑いました。

それから妻は、注文を頼むときに代金を入れた封筒も一緒に持ってくるようになりました。冷蔵庫の横に貼った表へ書き足すのも、今では妻がしています。

私は昼ごはんを、週に1回だけ外で食べるようになりました。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた50代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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