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「学校のこと、誰かに話した?」夫しか知らないはずの娘の入学先。だが、4月の体育館で感じた違和感とは

  • 2026.10.6

10年間、返ってこなかった挨拶

夫と娘と3人で、分譲地の一戸建てに越してきて10年になります。

隣は奥まった土地に建つ家で、道路へ出るには、わが家の横にある細い通路を通ります。

同じころに越してきたその家には、私と同じ年ごろの女性と、娘と同い年の子がいました。

子ども同士が同い年なら、これから長い付き合いになるかもしれない。そう思い、通路に女性の姿が見えると、私は庭から挨拶をしていました。

「おはようございます」

けれど、返事が返ってきたことは一度もありません。洗濯物を干しているときも、庭の手入れをしているときも、女性は目を合わせず、そのまま通り過ぎていきました。

人づきあいが得意ではないのかもしれない。

そう考えるようにしていましたが、娘の小学校入学が近づくにつれ、私は気になり始めました。

同じ学校になれば、行事などで親同士が顔を合わせる機会も増えるでしょう。10年間ほとんど言葉を交わしていない相手との関係が、学校にまで続くことを考えると、落ち着きませんでした。

ある夜、娘が寝たあと、夫に話しました。

「小学校、隣町のほうに通わせたいと思ってるの」

夫は少し驚いた顔をしました。

「遠くなるけど、送り迎えは大丈夫?」

「うん。私がする」

「分かった。君がそうしたいなら、そうしよう」

その後、私は一人で必要な手続きを済ませました。両親にも幼稚園の保護者にも入学先は話していません。知っているのは、夫だけのはずでした。

初めて聞いた声は、娘の学校の話だった

3月の朝、私は庭で苗に水をやっていました。

通路から足音が聞こえ、いつものように「おはようございます」と声をかけます。

すると、その日は足音が止まりました。

隣の女性がこちらを見て、初めて口を開いたのです。

「お子さん、4月から隣町の小学校なんですってね」

思わず、持っていたホースを握ったまま固まりました。

「え…どなたから聞かれたんですか?」

しかし、女性は答えませんでした。

そのまま前を向き、道路のほうへ歩いていきました。

その夜、帰宅した夫に聞きました。

「学校のこと、誰かに話した?」

「いや。誰にも言ってないよ」

それ以上は分かりませんでした。

そして4月。入学式の体育館で保護者席に座った私は、もう一度驚きました。

3列ほど前に、隣の女性が座っていたのです。

新入生が入場してくると、あの家の子も、娘の少し後ろを歩いていました。

結局、6年間で子ども同士が同じクラスになることはありませんでした。娘は友だちにも恵まれ、無事に卒業しました。

隣の女性は学校で会っても、通路ですれ違っても、以前と変わらず無言のままです。何か嫌がらせをされたこともありません。

あのとき、なぜ娘の入学先を知っていたのか。それだけは、今も分からないままです。

今朝も娘を送り出したあと、通路から足音が聞こえました。隣の女性は何も言わず、いつものようにわが家の横を通り過ぎていきました。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた40代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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