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「孫の服の2着、どっちが似合うか答えなさい」電話先で同じ質問をする女性。だが、5回目の電話で諦めたワケ

  • 2026.10.5
「孫の服の2着、どっちが似合うか答えなさい」電話先で同じ質問をする女性。だが、5回目の電話で諦めたワケ

似合うほうを決めてほしいという電話

40代の私が以前、洋服の通信販売会社の電話窓口で働いていたころの話です。

昼の窓口には10人ほどのスタッフが並び、それぞれヘッドセットをつけて電話を受けていました。

その日、私が対応したのは70代くらいの女性でした。最初は穏やかな声で、こんな相談をされました。

「孫に服を買ってあげたいの。2着で迷ってるんだけど、どっちが似合うと思う?」

しかし、こちらにはお孫さんの顔も背格好も分かりません。

「申し訳ございません。お孫さんを拝見していないので、どちらが似合うかまでは判断できないんです」

代わりに、サイズや色、デザインの違いなら説明できると伝えました。すると女性の声が急に大きくなりました。

「サイズの話じゃないの。孫の服の2着、どっちが似合うか答えなさい」

「それでしたら、ご本人のお好みもありますので…」

「もういいわ。あなたじゃだめ。上の人に代わって」

上長に代わっても、似合うかどうかは答えられないという対応は同じでした。

ところが女性は、その後も電話をかけてきました。対応するスタッフはそのたびに変わりましたが、尋ねられる内容はほとんど同じだったそうです。

5回目の電話で聞こえた声

その週、女性からの電話は5回になりました。

5回目に応対したのは、再び私でした。

名乗った途端、電話の向こうから大きなため息が聞こえます。

「またあなたなの?今度こそちゃんと答えてもらうからね」

私は近くにいた50代くらいの女性の上長に合図しました。上長は対応記録を確認すると、私の隣で通話に加わりました。

「お客様。今週のお問い合わせは、今回で5回目でございます。どちらがお孫さんに似合うかは、私どもでは判断できません。お孫さんご本人に聞いていただくのが、一番確かだと思います」

「何を言ってるの。それを答えるのがあなたたちの…」

女性が言いかけた、そのときでした。

電話の向こうから、若い女の子の声が聞こえたのです。

「おばあちゃん、だから私に聞いてって言ってるじゃん。私、ここにいるのに」

一瞬、電話の向こうが静かになりました。

少なくともそのとき、お孫さんは女性のすぐそばにいたようです。

上長は少し間を置いてから、穏やかに続けました。

「お孫さんが選ばれたお洋服のご注文を、お待ちしております」

それまでの勢いが消え、女性は小さな声で答えました。

「……もういいわ」

そこで通話は終わりました。

上長は対応記録を確認してから、周囲のスタッフに声をかけました。

「みんなよく対応してくれたね」

近くの席から、小さな拍手が起こりました。

その日を境に、その女性から同じ問い合わせの電話がかかってくることはありませんでした。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた40代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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