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「店長に伝えておいてって言ったでしょ。今すぐ呼んで!」売り場で怒鳴った常連客。だが、店長が返した事実に黙り込んだ

  • 2026.10.5

上機嫌な常連客に頼まれた伝言

40代の私が、以前、百貨店の婦人服売り場で働いていたときの話です。

ほぼ毎日のようにやって来る60代くらいの女性客がいました。

いつも高級な服で全身を固めていて、機嫌が悪い日には店員へきつい言葉を投げかけることもある人でした。

ある日の昼、その常連客が珍しく上機嫌で、レジのカウンター越しに声をかけてきました。

「明日、新作を試着したいの。店長に見立ててほしいから、2時に来るって伝えておいて」

「わかりました。伝えておきますね」

私はその日のうちに、奥で在庫を整理していた店長へ伝えました。店長は手帳に予定を書き込み、「じゃあ、その時間は売り場にいるようにするね」と答えてくれました。

ところが翌日、常連客がやって来たのは3時でした。

そのとき店長は、試着室でほかのお客様を接客している最中でした。

常連客はカウンターまで来ると、売り場を見回して言いました。

「店長は?呼んでちょうだい」

「申し訳ありません。いま、ほかのお客様を接客していて…」

すると常連客の表情が変わりました。

「店長に伝えておいてって言ったでしょ。今すぐ呼んで!」

「伝言はお伝えしています。ただ、いまは接客中なので」

私が説明し終わる前に、常連客はカウンターをたたきました。

「伝言ひとつできないの?あなたじゃ話にならないわ」

売り場にいたほかの2組のお客様も、何事かとこちらを振り返りました。

私はきちんと伝えたはずなのに、強い口調で責められ、カウンターの内側で手を握りしめていました。

店長が手で示した壁の時計

しばらくして接客を終えた店長が、試着室のほうから歩いてきました。

店長は私の隣に立ち、常連客の話を聞いたあと、落ち着いた声で言いました。

「お客様、ご伝言は確かにこの者から承っております」

常連客は私をちらりと見ました。

店長は続けました。

「2時にお越しになると伺っていましたので、2時から2時半までこちらでお待ちしておりました」

そして、カウンターの後ろにある壁の時計を手で示しました。

「ただいま、3時でございます」

常連客は時計を見上げ、言葉を止めました。

「このあとは、ほかのお客様の接客予定がございます。次回は、お伝えいただいたお時間にお越しいただけますでしょうか」

近くにいたお客様の1人が、小さく息をもらしました。

常連客は顔を赤くし、何か言いかけましたが、そのまま口を閉じました。そして紙袋をつかむと、早足で売り場を出ていきました。

店長はその背中を見送ってから、私に小さな声で言いました。

「ちゃんと伝えてくれてたよ。ありがとう」

その一言を聞いて、ようやく肩の力が抜けました。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた40代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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