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「足りなくならない?」夫の忠告を聞かずチケットを半分にした私。だが、残りのチケットを見て黙った理由

  • 2026.10.5

30分並んで、やっと買えたチケット

10年ほど前、夫と2人で旅行に出かけたときのことです。朝早く市場へ向かい、名物ののっけ丼を食べることにしていました。

そこでは、最初に案内所でチケットを買い、市場の中の店を回りながら、ご飯や好きな刺身と交換していく仕組みでした。

案内所には長い列ができていて、私たちは30分ほど並び、ようやく順番を迎えました。

チケットを何枚買うか迷っていると、隣にいた夫が言いました。

「1人10枚くらいにしない?」

2人なら20枚です。私は、朝ごはんですし、そこまでたくさんはいらないだろうと思いました。

「え、2人で10枚で全然大丈夫でしょ」

「本当に? 足りなくならない?」

「平気平気。そんなに食べられないって」

夫は少し迷っていましたが、私はそのまま10枚だけ購入しました。このときは、それでも十分楽しめると思っていたのです。

ご飯を受け取って気づいた、残りの枚数

市場に入り、まずご飯をよそってくれる店へ向かいました。

店の人から「ご飯は1枚です」と言われ、2人分でチケットを2枚渡します。

残りは8枚。1人あたり4枚です。

「あれ……思ったより少ないかも」

私が手元のチケットを数えていると、夫が横からのぞき込みました。

「だから1人10枚って言ったのに」

市場を回ってみると、具は1枚で交換できるものもありましたが、私たちが食べたいと思ったものの中には2枚以上必要なものもありました。

「これも食べたいけど……こっちにしたら、あと2枚しかないね」

さっきまで勢いよく選ぶつもりだったのに、今度は一枚使うたびに残りが気になります。

「もう一回、チケット買う?」

私がおそるおそる聞くと、夫はさっきまで並んでいた列のほうを見ました。

「また30分並ぶのはちょっとなあ」

結局、私たちは残った枚数の中で、えびやほたてなど食べたい具をいくつか選びました。

丼としては十分食べられましたが、最初に想像していた「好きな刺身をたくさんのせた丼」とはだいぶ違います。

席に着くと、近くのお客さんの丼が目に入りました。まぐろやいくら、うになどが何種類ものっていて、ご飯が見えないほど豪華です。

その横で自分たちの丼を見ると、白い部分がずいぶん目立っていました。

夫がちらりと私を見ます。

「……足りた?」

「量は足りてる。でも、チケットは足りなかったね」

そう答えると、夫は小さく笑いました。

あれから10年。旅行の計画を立てるたび、夫は今でも時々にやりとして言います。

「チケットは、1人10枚な」


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた30代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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