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「今日はどこから歩いてきたの?」何度も終電を間違えた私。だが、定年後にも繰り返した同じ失敗

  • 2026.10.5
「今日はどこから歩いてきたの?」何度も終電を間違えた私。だが、定年後にも繰り返した同じ失敗

終電に間に合ったと安心した夜

会社員だった30代のころ、私は仕事帰りの飲み会によく顔を出していました。誘われるとつい最後まで付き合ってしまい、帰りは終電ぎりぎりになることも珍しくありませんでした。

ある冬の夜も、同僚たちと駅へ向かったころには、もう終電の時間が迫っていました。

「間に合いますか、それ」

「大丈夫。走れば間に合う」

そう言って階段を駆け上がると、ホームにはちょうど扉の開いた電車が止まっていました。

私は行き先をろくに確認しないまま飛び乗り、端の座席へ深く腰を下ろしました。

「間に合った…。あとは座って帰るだけだ」

そうつぶやいたところまでは覚えています。電車の揺れが心地よく、すぐに眠ってしまいました。

しばらくして目を覚まし、何気なく窓の外を見ると、そこには見覚えのない駅名がありました。

「……あれ?」

眠気が一気に吹き飛びました。自宅とは反対方向の電車に乗っていたのです。

慌てて次の駅で降り、反対側のホームから戻る電車に乗りました。しかし、その電車では自宅の最寄り駅まで行けませんでした。

途中の駅で降りてタクシー乗り場へ向かいましたが、車は1台もいません。

「まあ……歩けば、そのうち着くだろう」

酔った頭では、家まで10キロ以上あることも大した問題には思えませんでした。

線路沿いの道をひたすら歩き、ようやく玄関に着いたころには、空がすっかり明るくなっていました。

起きてきた妻は、くたびれた背広姿の私を見るなり言いました。

「おはよう。今日はどこから歩いてきたの?」

「……途中の駅から」

恥ずかしいことに、会社員時代には、こんな朝帰りを何度もしていました。

定年後に思いついた「昼なら大丈夫」

定年退職してからは、昔の同僚と会うのも昼が中心になりました。

ある日、出かける前に私は妻へ得意げに言いました。

「昼に飲めば、もう歩いて帰ることもないだろ」

妻は笑いながら返しました。

「今度こそ、明るいうちに帰ってきてね」

その日は早めに店を出て、電車の座席にゆったりと腰を下ろしました。

窓から差し込む日ざしが暖かく、気分よく外を眺めていました。

ところが、しばらくすると見覚えのない畑が広がっています。

「……またか」

またしても、反対方向の電車に乗っていました。

私は次の駅で降り、向かいのホームを見ると、戻る電車がちょうど近づいてきていました。

「昼は……電車がある」

思わず声がもれました。

夕方、家に帰って事情を話すと、妻はあきれたように笑いました。

「今度は歩かずに済んだのね」

夜に飲むのをやめれば失敗もなくなると思っていたのですが、どうやら問題は時間帯ではなかったようです。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた60代以上男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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