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タコスの香りがメキシコを連れてくる。鹿児島〈la fonda ELPURP〉

  • 2026.10.7

鹿児島の酒場が元気だ。焼酎一辺倒かと思いきや、ワインや自家製ドリンクを打ち出す若い店が賑わいを見せる。Uターン組はじめ、進取の気性が生み出す料理のクオリティの高さが酒の旨さと呼応する〈la fonda ELPURP〉をご紹介する。郷土の愛に満ちたバラエティに富む肴と酒で、今宵も一献。

photo: Hiroki Isohata / text: Michiko Watanabe

鹿児島〈la fonda ELPURP〉外観
BRUTUS

シーザーサラダがメキシコ生まれだとご存じだったろうか。メインの材料はロメインレタス。今、旬だからと、店主・野口尚明さんがシーザーサラダを作る、トルティーヤを鉄板で焼く。妻・淳子さんがグラスを氷で丹念に冷やしてから、オンザロックを作る。なぜかのどかだ。

店主はアメリカでメキシコ料理と出会った。「旨い。メキシカンいいじゃないか」。それからちょくちょく全国を食べ歩いた。沖縄の〈ボラーチョス〉がとてもよかった。この店を作った一人が幼馴染みだったから、その縁で東京店の立ち上げに関わった。

鹿児島〈la fonda ELPURP〉外観
21時〜喫煙可。ドアを出たスペースに置かれた椅子に座って、メキシコ伝統の色とりどりの切り絵パペルピカドを眺めつつ一服しても。

4年後、母の故郷・鹿児島で、まだ珍しかったメキシコ料理店〈ラ・フォンダ・エルパープ〉を開いた。沖縄での経験をベースにオリジナリティを加えて打ち出した。もう7年になる。

実は店主夫妻、メキシコには行ったことがない。料理は現地の人たちによる土着の作り方を、動画を観たりして試行錯誤を重ねて身につけた。結果、現地の人が懐かしむような味になった。

ドリンク担当の淳子さんは、東京のバーで働いた経験がある。メニューには、メキシコのビールをはじめ、メスカルやテキーラのカクテルが並び、南の風が吹いている。

鹿児島〈la fonda ELPURP〉店主・尚明
店主の尚明さん。仕事は几帳面、そして楽しそう。淳子さんとの連携もパーフェクト。

ここ数年のタコス人気は鹿児島にも及び、遠方から来る客も。それでも2人は、変わらず淡々と仕事を続ける。丸めたメニューを開いて、タコスにするか、はたまたタコライスか。丁寧な仕事ぶりを味わいつつ、爽やかなカクテルを一杯頼もう。

鹿児島〈la fonda ELPURP〉タコスはカルニータス(豚肉のラード煮)
タコスはカルニータス(豚肉のラード煮)880円。フローズンマルガリータ1,100円。

Information

la fonda ELPURP

住所:鹿児島県鹿児島市東千石町19-11
TEL:099-210-7499
営:15時〜22時LO
休:日曜・月曜

テーブル席もあるがほぼスタンディング。タコスは4種類、サルサ付き。2ピース800円〜。テキーラ×トニック750円などドリンク多々。

※20歳未満の者の飲酒は法律で禁止されています。

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