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「もしかして、もう苦情かな」引っ越し初日に訪ねてきた3人。だが、思わぬ要件に安堵した瞬間

  • 2026.10.5

朝から続いた引っ越しの音

3年前の春、40代の私は家族と一緒に新しい家へ引っ越しました。

朝からトラックが出入りし、作業の人たちが家具や段ボールを次々と家の中へ運び込みます。

荷物は段ボールだけでも20箱。台車が段差を越える音や、大きな家具を運ぶときの掛け声が聞こえるたび、私は窓の外が気になっていました。

「ねえ、朝からずっと、結構うるさかったよね」

私が夫に言うと、奥の部屋で棚を組み立てていた夫は手を止めずに答えました。

「引っ越しの日なんだし、ある程度はしかたないよ」

「そうだけど……ご近所の人、迷惑だっただろうな」

台車が段差に引っかかり、がたんと大きな音を立てたときには、思わず肩をすくめました。

インターホンに映った3人

夕方になり、作業の人たちが帰ったあと、廊下に残った段ボールを片づけているとインターホンが鳴りました。

画面を見ると、玄関の前には近所の人が3人。

両隣と向かいの家の人で、女性が2人と男性が1人でした。

一度に3人が立っているのを見た瞬間、胸がどきっとしました。

「えっ…3軒そろって来た。もしかして、もう苦情かな」

「考えすぎじゃない?」

夫はそう言いましたが、私は落ち着きません。

「でも、朝からずっと音してたし…」

玄関へ向かいながら、朝からの物音のことをまず謝ろう、トラックで道を狭くしてしまったことも伝えようと、頭の中で言葉を考えていました。

そしてドアを開けると、私はすぐに頭を下げました。

「今日は朝から騒がしくしてしまって、すみませんでした」

すると、少し間があきました。

おそるおそる顔を上げると、3人は少し驚いたような表情をしています。

そのとき、真ん中にいた向かいの家の女性が、小さな紙袋を差し出しました。

「いえいえ。ごあいさつに来ただけですよ。これからよろしくお願いします」

紙袋の中には、小さなお菓子が入っていました。

苦情を言いに来たのだと思い込んでいた私は、思わず言葉に詰まりました。

「あ…こちらこそ、よろしくお願いします」

謝る気満々だった自分が急に恥ずかしくなりましたが、それ以上にほっとしたのを覚えています。

次の週には、近所の人からゴミの出し方や安いスーパーのことも教えてもらいました。

今でも家のインターホンが鳴って私が一瞬身構えると、夫は笑いながら言います。

「また謝る準備してるでしょ」

そのたびに私は、あの日、紙袋を差し出された瞬間のことを思い出します。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた40代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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