1. トップ
  2. エピソード
  3. 「こんな所に花を植えるな、邪魔よ」無断で花壇の花を抜いていた女性。だが、思わぬ言い分に我慢の限界がきた

「こんな所に花を植えるな、邪魔よ」無断で花壇の花を抜いていた女性。だが、思わぬ言い分に我慢の限界がきた

  • 2026.10.4

植えるたびに抜かれる、駐車場わきの花

両親と暮らす家の駐車場のわきには、細い花壇がある。道との境に低いブロックが並び、その内側に母が季節の花を、父が低い木を植えている。

去年の秋ごろから、母が新しい苗を植えると、数日のうちに何株かが根ごと抜かれ、道に捨てられるようになった。

母は植え直すたび、抜かれた日付と株数を台所のノートに書き残していた。

そんなことが半年近く続いたある朝、向かいの家の奥さんが、花壇の前にいた母と私に声をかけてきた。

「花を抜いている人、見たことがあります。毎朝ここを通る女性です」

驚く私たちに、奥さんは続けた。

「前から駐車場の角を斜めに横切っていたんです。『ここ、お宅の敷地ですよ』って声をかけたこともあるんですけど、そのまま行ってしまって」

どうやら、花が増えて通りにくくなったことを不満に思っているようでした。

父が開いた1冊のノート

休みの日の朝、ごみを出して戻ると、花壇のふちに60代くらいの女性がかがんでいた。

ブロックの外の道には、根に土のついた花が転がっている。見ると、女性は次の株にも手を伸ばした。

「何をしているんですか。そこ、うちの花壇です」

女性は手を止め、こちらを見上げた。

「前はここを通れたのよ。あなたたちがふさいだんでしょ」

「でも、ここはうちの敷地です。母が植えた花です」

すると女性は、抜いた花を握ったまま言った。

「こんな所に花を植えるな、邪魔よ」

そのとき玄関が開き、父が出てきた。手には、母が記録をつけていたノートがある。

父は境のブロックを指さし、落ち着いた声で言った。

「この線から内側は、うちの敷地です。前に通れていたのは、うちの敷地を勝手に通っていたからです」

さらにノートを開き、日付と株数が並んだページを見せた。

「抜かれたのは9回、全部で31株です。妻が植え直すたびに記録してきました」

女性が何か言いかけたところで、向かいの家の門が開いた。

声を聞いた奥さんが出てきた。

「私も何度か見ています。前にも、ここはお宅の敷地だとお伝えしましたよね」

その声に気づいたのか、隣の家の窓も開き、通りがかった人も足を止めた。

父は女性を責め立てることなく、静かに続けた。

「抜いた分の苗を用意して、元どおりに植え直してもらえませんか」

女性は手の中の花と周囲を見比べると、握っていた花を花壇の土の上に置いた。

「…申し訳ありませんでした」

そう言って、女性はその場で深く頭を下げた。

その日の午後、女性は苗のポットを抱えて戻ってきた。向かいの奥さんが見ている前で、抜いた場所に黙って苗を植え直していった。

それ以来、その女性が駐車場の角を横切ることはなくなり、花が抜かれることもなくなった。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた30代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

元記事で読む
の記事をもっとみる

注目コンテンツ