1. トップ
  2. ヘルスケア
  3. 睡眠中のピンクノイズ、睡眠にどう影響する?新研究で分かったこと

睡眠中のピンクノイズ、睡眠にどう影響する?新研究で分かったこと

  • 2026.10.3

近年集中力が高まると海外で話題になっている「ブラウンノイズ」。ホワイトノイズやピンクノイズなど、“色の名前がついた雑音”は、寝る前に流す睡眠ハックとしても利用されている。そんななか2026年2月、米ペンシルベニア大学の研究チームが、ピンクノイズを流した夜にはレム睡眠が短くなったという実験結果を発表。(フロントロウ編集部)

ホワイト・ピンク・ブラウン、音の違いは?

ホワイトノイズ、ピンクノイズ、ブラウンノイズは、どれも幅広い周波数の音を含む「ブロードバンドノイズ」の仲間。高い音と低い音にどれだけエネルギーが分布しているかによって、聞こえ方が変わるという。

ホワイトノイズは、同じ幅の周波数帯ごとに、同じ量のエネルギーを含む音。さまざまな色の光を混ぜると白く見えることにちなんだ名前で、昔のテレビの砂嵐のような「ザー」という音がイメージしやすい。周囲の物音を目立ちにくくするために使われることもある。

ピンクノイズは、ホワイトノイズより高い音のエネルギーが少なく、低い音が相対的に強い音。雨が降り続く音や、木の葉が風にこすれる音などにたとえられる。

ブラウンノイズはさらに低音寄りで、ゴロゴロと響くような音が特徴。色の名前は、音の高さや響きの違いを表している。

ピンクノイズでレム睡眠が平均約19分短く

今回の研究は、ペンシルベニア大学ペレルマン医学大学院の研究チームが、米国の学術誌『Sleep』で発表したもの。健康な成人25人が睡眠研究所に7晩泊まり、毎晩8時間の就床時間を設けられた。初日は研究所の環境に慣れるための夜とし、その後の6晩で条件を変えて比較している。

条件は、騒音を流さない夜、航空機などの騒音を流す夜、ピンクノイズだけを流す夜、騒音とピンクノイズを組み合わせる夜、耳栓をつけて騒音を流す夜など。睡眠中の脳波などを記録し、毎朝、テストやアンケートも行った。

大学の発表によると、50デシベルのピンクノイズだけを流した夜には、騒音を流さない夜と比べて、レム睡眠が平均約19分短くなった。レム睡眠は、記憶の定着や感情の調整、脳の発達に関わるとされる眠り。

騒音とピンクノイズを組み合わせた夜には、深い睡眠とレム睡眠の両方が短くなり、起きている時間も長くなった。一方、耳栓をつけた夜には、騒音による深い睡眠の減少が大きく抑えられた。

ところが、「よく眠れた気がする」という感覚と、実際の睡眠の状態は一致するとは限らない。ピンクノイズ単独の夜にはレム睡眠が減ったものの、参加者自身による睡眠の評価には、騒音を流さない夜との差がはっきりとは出なかったようだ。

子どもへの影響や、長く使った場合はまだ分からない

研究を率いたマティアス・バスナー教授は、とくに新生児や幼児への使用について注意を促している。幼い子どもは大人よりレム睡眠の割合が高く、脳が発達する時期でもあるためだ。

ただし、今回の実験対象は成人であり、大学の発表でも、子どもなどへの影響や長期使用について、さらに研究が必要だとしている。

また、参加者は25人で、実験期間は7晩。もともと音を流して眠る習慣がない人を対象にしているため、長年ノイズを愛用している人にも同じ結果が出るかは分からない。今回調べたのはピンクノイズで、ホワイトノイズやブラウンノイズについても、同じ影響があると断定することはできない。

周囲の音が気になるなら、耳栓も選択肢に

今回の研究で、騒音から睡眠を守る効果がよりはっきりしていたのは耳栓。外の物音が気になる人にとっては、ノイズを重ねる以外の選択肢になりそう。

大学側は、ブロードバンドノイズの睡眠への効果をめぐる研究はまだ少なく、結論が定まっていないと説明している。心地よい音だからこそ、眠っている間にどんな影響があるのか、今後の研究にも注目したい。

元記事で読む
の記事をもっとみる

注目コンテンツ