1. トップ
  2. エピソード
  3. 「金は払ってんだ、口出しするな」朝食バイキングの肉を保存容器に詰めた団体客。だが、支配人の一言で状況が一変

「金は払ってんだ、口出しするな」朝食バイキングの肉を保存容器に詰めた団体客。だが、支配人の一言で状況が一変

  • 2026.10.3

切りたての皿が並んだ、その直後

夫と温泉旅館に泊まった翌朝のことです。

朝食バイキングの会場には、料理人がその場でローストビーフを切り分ける台があり、何人かが順番を待っていました。

私と夫のすぐ前には、男の子を連れた母親。

そのさらに前には、50代くらいの男女4人のグループが並んでいました。

「朝から切りたてなんて、ぜいたくだな」

夫が小声で言ったので、私は「楽しみだね」と返しました。

料理人が切り終えた肉をのせた皿を台に並べた、そのときです。

先頭にいたグループの男性が、かばんから大きな保存容器を取り出しました。

そして、肉を次々と容器の中へ移し始めたのです。

私は思わず夫の袖を引きました。

「ねえ…あれ、入れてるよね?」

「うん。そう見えるな」

すると同じグループの女性が、残っている皿を指さしました。

「そっちも取って。なくなっちゃうから」

皿はみるみる減り、とうとう台の上からなくなりました。

前にいた男の子は、空になった台を見たあと、母親の顔を見上げています。

支配人が静かに伝えたこと

そこへ女性スタッフが駆け寄ってきました。

「申し訳ございません。ほかのお客様もいらっしゃいますので、容器へのお詰め替えはご遠慮ください」

グループの女性は眉をひそめます。

「でも食べ放題でしょう?料金は払ってるのよ」

スタッフがもう一度説明しようとすると、保存容器を持った男性が振り返りました。

「金は払ってんだ、口出しするな」

大きな声が響き、周囲がしんとしました。

前にいた母親も、男の子をそっと自分のそばへ寄せます。

そこへ50代くらいの支配人がやってきました。

スタッフの前に立つと、男性に向かって落ち着いた声で言いました。

「お代は確かに頂戴しております。ただ、お料理は会場内でお召し上がりいただくものとしてご用意しております」

続けて、

「衛生上の理由から、お持ち帰りはどなた様にもお断りしております。恐れ入りますが、中のお料理はこちらで下げさせてください」

と伝えました。

男性は何か言いかけましたが、周囲を見回したあと黙り込みました。そして保存容器を支配人に差し出します。

4人はそのまま自分たちのテーブルへ戻っていきました。

ほどなくして、料理人が新しい肉を切り始めます。

「お待たせいたしました」

支配人が列に頭を下げました。

前の男の子の皿に1枚。そのあと私たちの番も回ってきました。

皿を受け取ると、夫が小さく笑いました。

「今度こそ、あったかいうちに食べよう」

私は「そうだね」と答え、夫と一緒に席へ戻りました。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた30代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

元記事で読む
の記事をもっとみる

注目コンテンツ