1. トップ
  2. エピソード
  3. 「うちは夜9時までしか歌ってないわよ」窓全開で続くご近所のカラオケ。だが、隣家のカラオケを5分聞いた町内会長の返答

「うちは夜9時までしか歌ってないわよ」窓全開で続くご近所のカラオケ。だが、隣家のカラオケを5分聞いた町内会長の返答

  • 2026.10.3
「うちは夜9時までしか歌ってないわよ」窓全開で続くご近所のカラオケ。だが、隣家のカラオケを5分聞いた町内会長の返答

窓を閉めても聞こえてくる歌声

わが家の居間と隣の家の居間は、細い庭をはさんで窓が向かい合っています。

隣のご夫婦は歌や楽器が好きで、月に何度も知人を10人ほど集め、マイクを使ってカラオケをしていました。

真夏も真冬も、歌っているあいだは窓が全開です。こちらが窓を閉めても歌詞まで聞き取れるほどで、電話中に相手から何度も聞き返されることもありました。

それでも何年かは我慢していました。ところがある日曜の午後、居間で昼寝をしていた孫が歌声で泣いて起きてしまったのです。

曲が途切れたところで庭へ出ると、隣の奥さんがマイクを持って窓辺に立っていました。

「すみません。歌っているあいだだけでも、窓を閉めてもらえませんか」

すると奥さんは、少し鼻で笑うように言いました。

「うちは夜9時までしか歌ってないわよ」

「時間というより、音の大きさなんです。孫も起きてしまって…」

奥さんは部屋の中をちらりと振り返ると、声を強めました。

「聞きたくないなら、お宅が窓を閉めればいいじゃない」

「うちはもう閉めています」

そう伝えましたが、それ以上の返事はありませんでした。奥さんが部屋へ戻ると、しばらくしてまた前奏が聞こえてきました。

町内会長さんにも聞いてもらうことに

どうしたものかと思い、私は町内会長さんに相談しました。

70代くらいの男性で、事情を最後まで聞くと、「次に歌っているとき、一度お宅で聞かせてもらえますか」と言いました。

次の機会、会長さんは窓を閉めきったわが家の居間に座り、腕時計を見ながら5分ほど黙って音を聞いていました。

そのあと隣の家へ向かい、私は一歩後ろについていきました。

玄関に出てきた奥さんは、まだマイクを手にしていました。

廊下の奥からは、知人たちもこちらを見ています。

「あら、会長さん。苦情なら、うちは9時までって決めてるの」

会長さんは落ち着いた声で答えました。

「お隣には、窓を閉めればいいとおっしゃったそうですね。でも、さっき私も窓を閉めたお隣の居間で聞きました。歌詞まで聞こえていましたよ」

知人の一言で静かになった窓辺

会長さんは続けて、廊下の奥にいる人たちにも声をかけました。

「皆さんの家の隣で、窓を開けたまま10人ほどがマイクで歌っていたら、どうでしょう」

知人たちは顔を見合わせました。すると、いちばん前にいた女性が小さな声で言いました。

「…うちなら無理だわ。だから窓を閉めようって言ったのに」

奥さんは何か言いかけましたが、そのまま黙り、マイクを持つ手を下げました。

やがて知人のひとりが居間へ戻ると、サッシを閉める音がしました。

それに続くように、ほかの窓も閉められていきます。

玄関の戸が閉まったあと、隣から聞こえてきたのは、窓越しのかすかな伴奏だけでした。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた50代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

元記事で読む
の記事をもっとみる

注目コンテンツ