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ドレスアップを祝福! 日常を“グラマラス”に彩る「ドリス ヴァン ノッテン」【2027春夏コレクション】

  • 2026.10.2
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「ドリス ヴァン ノッテン」のショーは、いつだってポジティブなエネルギーに満ちている。会場を後にする頃には笑みがこぼれ、胸が弾み、足取りまで軽くなるほどに。予想外の色と色が出合い、柄と柄が重なり、日常の服が思いがけないスタイリングによって新鮮な表情を見せる。ランウェイには、見る者にファッションの楽しさを改めて思い出させる力がある。それは創業者の時代も、ジュリアン・クロスナー率いる現在も変わらない。そして今季は、まさにその真骨頂だった。

ショーに先駆けて届いた招待状から、物語はすでに始まっていた。それは、1950年代のハリウッド映画を思わせる架空の映画ポスター。クロスナーとスタジオチームが今季のために作り上げた、実在しない映画の一枚だ。ノスタルジックな色彩とドラマチックなグラフィックは、これから始まる一本の映画を予告するかのよう。そしてショーのオープニングは、ハイヒールの足音と共にスタート。車のクラクション、街のざわめき、その向こうからドラマチックなオーケストラの旋律。イタリアの作曲家ピエロ・ウミリアーニの映画音楽を軸に構成された、映画と現実の境界を行き来するサウンドスケープが物語の一部となった。

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真っ白なランウェイに送り出した今季の女性像は、一日の撮影を終えた俳優。ついさっきまでスクリーンの中で完璧なスターを演じていた彼女が、スタジオを出て、家へ帰ったり、友人とカクテルを飲みに出かけたり。まだ役の余韻をまとっているようでいて、すでに日常へと戻りつつある――そんなオンとオフの間にある時間だ。「どんなにささやかであっても、人の中には、時々スターのような気分になりたいという気持ちがある。それって、とてもチャーミングなことだと思ったんです。だから今季は、グラマーについて熟考しました」とショー後にクロスナーは語った。

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そもそも、グラマーとは何か? レッドカーペットのドレスや映画スター、完璧にセットされたヘア&メイク。どこか非日常的で、手の届かない世界として想像しがちな言葉だ。けれど、クロスナーが見つめたのは、もっと小さく、個人的なグラマーだった。「それは、きつく締めたベルトの感覚かもしれないし、キラキラしたブローチを着けることなのかもしれません。僕はブローチが大好きなんです。ワードローブにある何でもない服を、グラマラスにすることができるから」。その言葉通り、ランウェイには“普段の服”と“着飾るための服”が軽やかに混在する。

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ウールのVネックカーディガンには、ツバメや花をかたどったきらめくブローチ。ストライプのポロシャツやメンズライクなシャツにはシアーなスカートを重ね、グラフィックTシャツの上からシルクドレスを着る。スウェットのようなトップスには、ふわりと透けるスカートと鮮やかなカラーグローブを。しかも、片手だけ。ルールはない。むしろ、少しちぐはぐなくらいがちょうどいい。なぜなら、ここで描かれるのは、他者の評価やSNSの「いいね」のためではなく、ただ自分の心を満たすためのドレスアップだから。

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招待状として届けた架空の映画ポスターは、コレクションにも大胆なプリントとして登場した。フラミンゴ、マティーニグラス、星、キスマーク、アイライナーを引いた目。ステンシルにスプレーを吹き付け、それをプリントへと発展させたモチーフが、スカートやブラウス、ミリタリージャケットの上を自由に飛び交う。「フラミンゴは華麗さの象徴。マティーニグラスはカクテルアワー。僕は“カクテルのために着飾る”というアイデアが大好きなんです」とクロスナー。どれも少しレトロで、少しユーモラス。そして徹底的にロマンチックだ。

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色と柄、装飾が衝突するコレクションは、ここ数年ファッションを覆ってきた、控えめであることを良しとするムードとは対照的な世界だった。「“着飾りすぎ”ということには、時にネガティブな意味があると思います。でも、ドレスアップを祝福する行為には何か美しいものがある。今季はグラマラスで、フェミニンで、軽やかで、あまりシリアスになりすぎないスタイルにしたかった。そして、見た人が服を着たくなって、自分の服で遊びたくなってくれたらうれしい」。人生という名の物語では、自分自身が主人公。だからこそ、自分を映画スターのように扱って、誰のためでもなく、自分のために着飾る日があっていい。そんな純粋なファッションの喜びを、改めて思い出させてくれた。

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