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「息子が刺されたらどうしよう」隣の庭にできたハチの巣、困り果てた僕に向かいの女性がかけた一言

  • 2026.10.2

庭に出られなくなった夏

一戸建てに越して数年目の夏、4歳の息子が庭に出ようとするたび、僕は呼び止めるようになりました。

隣の家の庭から伸びた木の枝に、ハチの巣が1つできていたからです。

隣の家は、持ち主が年に3日ほどしか帰ってきません。

雑草は腰の高さまで伸び、植木の枝はフェンスを越えて、うちの芝生に花の実や葉を落としていました。

虫も目に見えて増え、巣ができてからは洗濯物のまわりをハチが飛ぶようになりました。

「パパ、なんでお外だめなの?」

「ハチさんがいるからね。刺されたら危ないから、今はやめておこう」

息子はボールを抱えたまま、窓越しに庭を見ていました。

スプレーを使うことも、枝を切ることも考えました。ただ、よその家の木に勝手に手を出すわけにはいきません。持ち主への連絡方法も分からないまま、ひと月ほどが過ぎました。

向かいの女性がつないでくれた連絡

ある朝、ゴミを出しに行くと、向かいに昔から住んでいる70代くらいの女性が、ほうきを手に立っていました。

僕の様子を見て、「何か困ってるの?」と声をかけてくれたので、隣の庭を指さしました。

「あの木にハチの巣ができてしまって。息子も庭に出せなくて…」

女性は枝を見上げると、すぐにうなずきました。

「あそこのご主人なら連絡できるわよ。私から知らせてみる。写真もあったほうが分かりやすいわね」

その日のうちに、僕は巣を写した写真を何枚か印刷して女性に渡しました。

女性は手紙に「子どもが庭で遊べずにいます」と一行添えて、隣の家の持ち主へ知らせてくれました。

それから1週間後。郵便受けに一枚のはがきが入っていました。差出人は、隣の家の60代くらいの男性です。

几帳面な字で、こう書かれていました。

「ハチの巣のこと、知らせてくださってありがとうございます。すぐに業者に駆除を頼みました。お子さんに怖い思いをさせて、申し訳ありません」

返事が来るまで少し身構えていた僕は、その言葉を読んでほっとしました。

次の週には業者の人たちが来て、防護服を着て巣を取り除きました。伸び放題だった木も、フェンスの高さまで短く切りそろえられました。

作業を見に来た向かいの女性が、その後のことも教えてくれました。

「これからは年に2度、庭の手入れを頼むことにしたんですって。ご主人、電話でも何度も謝ってたわよ」

「本当にありがとうございました」

「いいのよ。坊やがまた庭で遊べるなら、それが一番よ」

その週末、僕は久しぶりに息子と庭へ出ました。

「パパ、もうハチさんいない?」

「いないよ。もう大丈夫。蹴ってごらん」

息子が蹴ったボールが芝生を転がり、向かいの垣根の前で止まりました。ほうきを持っていた女性が笑いながら拾い、こちらへ投げ返してくれました。

短くなった枝の向こうには、夏の空が広く見えていました。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた30代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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