1. トップ
  2. エピソード
  3. 「ご近所に迷惑かけるんじゃないよ」毎朝7時に響くバイク音。幼いころ世話になった隣家へ伝えた翌朝、息子さんが見せた行動

「ご近所に迷惑かけるんじゃないよ」毎朝7時に響くバイク音。幼いころ世話になった隣家へ伝えた翌朝、息子さんが見せた行動

  • 2026.10.2

毎朝7時、隣から響いてくる音

隣の家とは、僕が小学生のころからの付き合いです。両親の帰りが遅い日には、隣のおばさんが夕飯を食べさせてくれました。四人家族の長男だった息子さんにも、よくキャッチボールの相手をしてもらったものです。

その息子さんも40代になりました。数年前、マフラーを換えたバイクに乗り始めてから、朝になると低いエンジン音が住宅街に響くようになりました。

毎朝7時ごろ、まずエンジンをかけている音が続き、そのあと走り出す音がもう一度響きます。帰宅するときも遠くから音が聞こえるので、家の中にいても「あ、帰ってきたな」と分かるほどでした。

ある朝、ゴミ出しで向かいの奥さんと顔を合わせると、小さな声で言われました。

「今朝もすごかったわね。うちの犬、あの音で毎朝吠えるのよ」

「うちもかなり聞こえます」

「でも……昔から知ってるお宅だと、なかなか言えないわよね」

僕も同じ気持ちでした。子どものころからお世話になっているだけに、関係が気まずくなるのが嫌で、ずっと何も言えずにいたのです。

回覧板を届けたとき、思い切って伝えた

ある夕方、回覧板を持って隣の家を訪ねました。出てきたおばさんは70代になっても変わらず、「上がってお茶でも」と笑います。

僕は玄関先で少し迷ってから、切り出しました。

「おばさん、ちょっと言いにくいんですけど…朝のバイクの音、このあたりにかなり響いてるんです」

「あら、そうなの?」

「単気筒のバイクの低い音が、エンジンをかけているときと出ていくときに聞こえて。向かいの家の犬も吠えるみたいで」

責めたいわけではないことも伝えると、おばさんは驚いた顔をしました。

「そうだったの。言ってくれてありがとうね」

その夜、風呂上がりに窓を少し開けると、隣からおばさんの声が聞こえてきました。

「ご近所に迷惑かけるんじゃないよ」

翌朝、いつもの音が聞こえなかった

翌朝7時。いつもなら聞こえてくるはずのエンジン音がしませんでした。

玄関を出ると、息子さんがエンジンを切ったままバイクを押し、大通りのほうへ歩いていくところでした。

ゴミ袋を持った向かいの奥さんも、それに気づいて足を止めています。

僕とすれ違うと、息子さんは少し気まずそうに首の後ろをかきました。

「うるさかったよな。ごめん」

「いえ。助かります」

息子さんは照れくさそうに笑い、そのままバイクを押していきました。

角を曲がったずっと先で、小さくエンジンの音が聞こえました。向かいの奥さんは僕を見ると、何も言わずに親指を立てました。

それからは、少なくとも朝7時の大きなバイク音に悩まされることはなくなりました。長い付き合いだからこそ言いにくいこともありますが、伝えてみなければ相手が気づけないこともあるのだと感じた出来事です。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた30代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

元記事で読む
の記事をもっとみる

注目コンテンツ