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「連れが前にいるんだよ」1時間並んだ人たちを横目に進む男性。その直後、係員がかけた一言

  • 2026.10.1
「連れが前にいるんだよ」1時間並んだ人たちを横目に進む男性。その直後、係員がかけた一言

日差しの下で続く2時間待ちの列

30代の僕は、学生時代からの友人と二人で旅行に出かけた。

いちばん楽しみにしていたのは、旅先で人気の観光スポットだった。

入口の手前には長い列ができていて、案内には「2時間待ち」と書かれていた。

強い日差しのなか、列は少しずつしか進まない。友人と水を分け合いながら、僕たちも黙って順番を待っていた。

並び始めて1時間ほどたったころ、横の通路から50代くらいの男性が歩いてきた。

男性は僕たちのすぐ前で立ち止まると、ロープをくぐって列に入った。

「2時間待ちなんだね。悪いけど、ちょっと前に入れてね」

そう言いながら、そのまま前へ進もうとする。あまりに迷いのない動きだったので、僕も友人も一瞬あっけにとられた。

すると、僕たちの前に並んでいた若い女性が声をかけた。

「すみません、みんな並んでますよ」

男性は振り返り、列の後ろをちらりと見た。

「連れが前にいるんだよ」

それだけ言うと、再び前へ進もうとした。女性はそれ以上強く言えない様子で、困ったように男性を見ていた。

係員が示したのは列の最後尾だった

そのとき、近くで列を整理していた女性係員がこちらへやってきた。

「お客様、申し訳ありません。途中からの合流はご遠慮いただいています」

男性は足を止めた。

「いや、連れが前にいるんだけど」

「恐れ入りますが、最後尾からお並びください」

係員は穏やかな声のまま、列のずっと後ろにある最後尾の案内を手で示した。

男性は何か言おうとしたものの、周囲を見回して口を閉じた。そして、そのまま最後尾のほうへ歩いていった。

男性が離れると、先ほど声をかけた女性が小さく息をついた。

友人が「最初に言ってくれて、ありがとうございました」と声をかけると、女性は「いえ」と少し照れたように笑って前を向いた。

それからさらに1時間ほど待ち、僕たちはようやく入口までたどり着いた。

先ほどの係員が「お待たせしました。どうぞ楽しんでいってください」と笑顔で迎えてくれる。

「ありがとうございます」

友人と顔を見合わせ、僕たちはようやく目的の観光スポットへ足を踏み入れた。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた30代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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