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「そんなに響いてたのか」多い週には2度の草刈り。休日のたび家を出ていた僕が隣人に伝えたこと

  • 2026.10.1
「そんなに響いてたのか」多い週には2度の草刈り。休日のたび家を出ていた僕が隣人に伝えたこと

夏の休日に響き続けた音

数年前、うちの隣に60代くらいのご夫婦が越してきました。

隣の家は驚くほど敷地が広く、夏になると庭一面に背の高い草が生い茂ります。

その草を刈るのは、いつもご主人でした。

朝8時ごろに草刈り機のエンジンがかかると、日が傾くころまで甲高い音が響きます。

リビングでテレビの音量を上げても、声が聞き取りにくいほどでした。

多い週には2度、まったくない週もありました。ひと夏で数えると7回ほどです。

ある休日の朝、また草刈り機の音が聞こえてくると、妻がリモコンを置いてため息をつきました。

「また始まったね。今日も長いのかな」

「うーん…今日は出ようか」

「せっかくの休みなのにね」

結局、その日も車で出かけました。特に行きたい場所があったわけではなく、郊外の駐車場などで時間をつぶし、夕方に家へ戻りました。それでも、隣からはまだ草刈り機の音が聞こえていました。

そんな日が続くうち、休みの前の夜には「明日も始まるだろうか」と気になるようになっていました。

思い切って隣人に伝えたこと

ある夏の夕方、ようやく草刈り機の音が止まりました。

庭を見ると、ご主人が機械を足元に置き、首に巻いたタオルで汗をぬぐっています。

僕は少し迷いましたが、生垣越しに声をかけました。

「一日作業するの、大変ですね」

「いやあ、広すぎてね。毎年これだよ」

そこで僕は、思い切って続けました。

「実はうち、音がかなり響くんです。朝から夕方まで続く日は、家にいるのがつらくて、車で出かけているんです」

ご主人は驚いたように僕を見ました。

「そんなに響いてたのか」

「はい。多い週だと2回くらいありますよね。テレビの声も聞こえにくくて……」

ご主人はしばらく黙っていました。それから腰に手を当て、ゆっくり背中を伸ばしました。

「…そうか。朝から夕方までは、さすがに長いよな。わしも、腰がもう限界でね」

責めるつもりで声をかけたわけではありません。ただ、こちらの状況を知ってもらえただけでも、少し気持ちが軽くなりました。

次の夏、庭にやってきた人たち

そして次の夏。ある朝、隣の門の前に作業着姿の人たちが数人集まっていました。

業者さんの草刈り機が動き始めると、庭の草はみるみる短くなっていきます。昼が近づくころには、広い庭がすっかり見渡せるようになっていました。

作業を終えた人たちを見送りながら、ご主人は僕に気づくと、少し照れくさそうに頭をかきました。

「半日で終わるなら、最初から頼めばよかった」

「本当に、あっという間でしたね」

ご主人は腰をさすりながら笑い、縁側にいた奥さんもこちらに手を振っていました。

その夜は、翌日のことを気にせず眠れました。朝のリビングでは、テレビから流れる天気予報の声が、いつもよりはっきり聞こえました。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた40代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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