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「階段に犬の毛がたまっていて」ペット禁止の団地で続く散歩。だが、総会で決まった管理組合の対応

  • 2026.10.1

階段の隅にたまる茶色い毛

私の住む団地では、入居時の規約で犬や猫を飼うことが禁止されています。

ところが、同じ階段を使う50代くらいの女性が、毎朝小型犬を連れて散歩へ出かけるようになりました。

茶色い毛のおとなしい犬で、すれ違うと尻尾を振ってくれます。

ただ、しばらくすると階段の隅に毛がたまり、踊り場ではにおいも気になるようになりました。

やがて管理組合が掲示板に「ペットの飼育は禁止されています」という張り紙を出しました。

ひと月後には、同じ内容の張り紙がもう一度掲示されましたが、女性は変わらず犬を連れて散歩に出ていました。

ある朝、階段で顔を合わせたとき、私は思い切って声をかけました。

「おはようございます。あの…階段に毛がたまっていて、少し気になっているんです」

女性は犬を見下ろしてから、私に答えました。

「あ、すいません、でも、この子はおとなしいですし…そんなに迷惑はかけていないと思うんですけど」

そう言って犬を抱き上げると、そのまま階段を下りていきました。

それから私は、毛が目立つ日の階段を写真に撮り、日付と一緒にノートへ残すようになりました。張り紙が出た日も記録しておきました。

記録を持って管理組合へ相談

しばらくして、私はそのノートを持って管理組合の理事長を訪ねました。

70代くらいの理事長は、写真を一枚ずつ確認しました。

「張り紙のあとも続いていたんですね」

「はい。直接お話ししたこともあるんですが、変わらなくて…」

「分かりました。次の総会で、この件について話しましょう」

年に一度の総会の日、集会所には多くの住人が集まり、後ろの席にはあの女性の姿もありました。

理事長は住人たちに向けて、あらためてペットの飼育禁止について説明しました。

「規約では犬や猫の飼育は禁止されています。現在飼っている方には、規約を守るための対応について誓約書を提出していただきます」

女性は何も言わず、膝の上で手を組んでいました。

総会のあと、手渡された誓約書

総会が終わると、理事長から声をかけられ、私は一緒に女性の家へ向かいました。

ドアが開くと、奥からあの犬が顔をのぞかせました。

理事長は誓約書を差し出し、静かに言いました。

「責めたいわけではありません。ただ、皆さん同じ規約で暮らしていますので、そこは守っていただきたいんです」

女性はしばらく紙を見つめていました。足元へ来た犬の頭をなでると、小さな声で答えました。

「……分かりました。親戚に相談します」

翌月のある朝、階段を下りると、女性がほうきとちりとりを持って踊り場を掃いていました。

「ご迷惑をおかけしました。あの子、庭のある親戚の家に引き取ってもらったんです。向こうでは元気に走っているそうです」

「そうですか。それならよかったです」

女性は少し照れたように笑いました。

いつの間にか階段の毛もにおいもなくなっていました。私は久しぶりに階段側の窓を開け、入ってきた風にほっとしました。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた60代以上女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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