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「来月には返すから3万円だけ貸して」半年後、旅行写真を見せる彼女に僕が思わず口にした言葉

  • 2026.10.1

「来月には返すから」と頼まれた3万円

当時付き合っていた彼女とは、お互いに働いていて、それぞれ自分の暮らしを持っていた。

デートの食事代は僕が少し多めに出すこともあれば、その都度割り勘にすることもあり、お金のことで揉めたことはなかった。

ある晩、食事を終えたあと、彼女が少し言いにくそうに両手を合わせた。

今月は美容院と服を買う予定が重なり、家賃の支払いが厳しいのだという。

「お願い。来月には返すから、3万円だけ貸してくれない?」

「3万円なら、なんとかなるよ」

「ほんと?助かる。お給料が出たらすぐ返すね」

僕はその場で財布から1万円札を3枚出して渡した。

困っているなら助けたいと思ったし、翌月には返してくれるものだと思っていた。

ところが、翌月になっても彼女から返済の話は出なかった。

その後、彼女は新しいバッグを買い、友人と海外旅行にも出かけた。高級レストランで食べたコース料理の話も、うれしそうに聞かせてくれた。

そのたびに3万円のことは頭をよぎった。それでも僕から催促するのは気まずくて、「そのうち返してくれるだろう」と言い出せないまま時間だけが過ぎていった。

旅行の写真を見ながら、ようやく切り出した

貸してから半年ほどたった週末、僕たちはいつものカフェで向かい合っていた。

すると彼女がかばんから、旅行先で撮ってプリントしたという写真の束を取り出した。

「見て、この前の旅行。いい写真ばっかりなの」

写真には海辺のホテルやレストランの料理、新しいバッグを肩にかけた彼女の姿が写っていた。

「このホテル、朝ごはんがすごかったんだよ」

楽しそうに話す彼女の横で写真をめくりながら、僕は半年前の約束を思い出していた。

ここで言わなければ、また先延ばしになる。そう思って、写真をテーブルに戻した。

「ねえ、半年前に貸した3万円なんだけど。今日、返してもらえる?」

彼女の手が止まった。

「……今日?」

「うん。来月には返すって話だったし、そろそろちゃんとしてほしい」

僕がそう言うと、彼女はしばらく黙っていた。それから財布を開き、1万円札を3枚取り出した。

「……わかった」

コーヒーカップの横に置かれた3万円を受け取り、僕は「ありがとう」とだけ返した。

そのあとは、さっきまでの旅行の話が嘘のように途切れた。彼女は写真を束ねてかばんに戻し、僕もそれ以上何も言わなかった。

それから数週間して、僕たちは別れた。

3万円が戻ってきたことよりも、約束を守ってもらえないまま半年間、何も言えずにいた自分のほうが心に残った。

お金のことは言い出しにくい。それでも、気になることを黙ったままにしていても、関係がよくなるわけではない。あの日きちんと伝えられたことで、僕の中でもひとつ区切りがついた。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた30代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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