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お酒は飲めないとダメ?運動神経は?芸妓さんの世界も人手不足…札幌花柳界のリアル【さっぽろ芸妓日記vol.48】

  • 2026.9.30

札幌で芸妓をしております、「こと代」と申します。 「芸妓」といえば、京都のイメージが強いと思います。
しかし北海道にも開拓期から道内各地に花柳界がございました。
現在は札幌のみになってしまいましたが、「さっぽろ 名妓連」には11名の芸者衆が所属し、毎日お稽古、お座敷などで活動しております。

Sitakke

連載「さっぽろ芸妓日記」では、札幌の花柳界の歴史や 文化などをご紹介していきたいと思います。お付き合いのほど、どうぞ宜しくお願いいたします!

皆さまの中で、「芸妓さんになりたい」と思ったことがある方はいらっしゃいますか?

「芸妓さんって、どうやったらなれるの?」
「若い人もいるの?」
「そもそも、新人募集はしているの?」

そんな質問をいただくことがあります。
実は札幌では、常に新人さんを募集しているのです。

私自身、札幌の芸妓として活動してきて、早いもので今年で9年目。
これまでたくさんの方とお座敷をご一緒してきましたが、最近特に感じるのが、「次の世代が必要だ」ということです。

芸者の世界も、人手不足です

Sitakke
地方(演奏専門)5名、立方(踊り専門)6名、計11名で活動しております

現在、札幌には11名の芸者衆が活動しております。

私が入門する前は10名を切ったそうで、これ以上の継続は難しいだろう…というところで、危機一髪!若手育成を担う「さっぽろ芸妓育成振興会」が発足したのです。
私はそこの一期生になります。

その後も、人数が増えたり、減ったり…現在は11名に落ち着いて、同じメンバーのまま何年も経ちます。

「芸妓」という仕事は、年齢を重ねても続けられます。

若い世代が入らなければ文化が続かない。
札幌のとあるお姐さんがおっしゃるには、「色んな年代の芸妓がいることが大切。大きいお姐さんばかりでも、若い子ばかりでも、だめ」なんだそう。

これを聞いて、私自身もなるほど、と思いました。

芸妓に向いてるのはこんな人!

Sitakke
札幌芸者衆が出入りする、料亭・川甚さんにて

それではどんな人が芸妓にむいてるのでしょうか?私が個人的に感じる、必要な素質についてお話したいと思います。

①人と接することが好き

お客様との会話、おもてなしはもちろん、場の空気を読むことが必要になります。
人とお話することが好きな方は、その点とても有利だと思います。

このお客様だったらこの話題かな…と事前に予習することもありますが、例えばビジネス用語や時事について毎日勉強!ということではありません。
できればなお良し、というところでもありますが、会話を一緒に楽しむ気持ちが一番大切ですね。

②素直に学べる

踊り、唄、三味線、礼儀作法、着物など…覚えることはたくさん。
お師匠さんやお姐さんの言うことが素直に聞けて、それを自分の中で落とし込み、自力で成長する力がある子が一番強いと思います。

踊るから運動神経が必要なのか、唄を覚えるから音痴だとダメなのか…ということでもありません。

それよりも、体力があること、リズム感があることのほうが大事かな、と思います。
ちなみに私も、子供のころから運動はまったくダメです!

③継続できる

すぐに一人前になれる仕事ではないので、小さな一歩を積み重ねることが大切。
学ぶことが大好きで、常に成長していたい!くらいの心持ちでないと、お稽古漬けの毎日はちょっと厳しいかもしれません。

新人のころ、私はどうだった?

Sitakke
お披露目したてのころ、お客様にお食事に連れていただいたときの様子。恥ずかしいですが、載せちゃいます。我ながら初々しい…

えらそうなことを言っておりますが、私もまったくの「ド初心者」として入門させていただきました。

お稽古ごとなんて全く経験がないし、なんだったら人とお話しするのが苦手なタイプだし、よくもまあそんな状態で入門しようと思ったな…と今だったら思います。

経験を重ねるとあれやこれやと考えてしまって行動できなくなるので、当時は勢いに任せて「えーい!」と知らない世界に飛び込んで良かったのかもしれません。

入門してからお披露目(デビュー)まで

入門しても、すぐにお座敷にあがれるわけではありません。
はじめの数か月は『お見習いさん』として、お稽古はもちろん、礼儀作法や着付けを学びます。

慣れてくると、お姐さんのお座敷に『お手伝い』として付いてまわらせていただきます。
実際に目で見て、現場から学ぶのです。

期間はその人によりますが、数か月のお見習いさん期間を経て、お披露目させていただきます。

ここからがスタートです。
最初の数年は、朝からお稽古、夜遅くまでお座敷と、自由時間はほとんどありません。お休みも少なかったです。
それでも、やってみたい!という方じゃないと難しいですね。

札幌の花柳界を、これからも残していくために

Sitakke

芸妓という仕事は、私たちが「昔からあるものだから」と続けていくだけでは、未来には残りません。

新しい人が入って、新しい感覚を持ち込んでくれることで、伝統もまた次の時代へ進んでいくのだと思います。

お母さんやお姐さん方も、私たち若手が入門したときは、ジェネレーションギャップで相当頭を抱えたことと思います。笑(おそらく今でも…!)

そして何より 「芸妓になる」という選択肢を知らない人にも知ってほしいです。

「ちょっと興味がある」
「花柳界ってどんな世界なんだろう」
「自分にもできるのかな」

そう思った方がいたら、ぜひ一度、札幌の芸妓の世界をのぞいてみてください。

***

連載さっぽろ芸妓日記」

文:さっぽろ名妓連 こと代
編集:Sitakke編集部あい

<「こと代」プロフィール>
札幌生まれ、札幌育ち。2018年にお披露目して以降、現在も最北の花柳界「さっぽろ 名妓連」で芸妓として活動中。開拓期から続く北海道の花柳界文化をたくさんの方に 知っていただくべく日々奮闘中。飼い猫達と遊ぶことが日々の癒し。

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