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「支払いに間に合わないじゃん!」口座の開設を急いだ客が銀行員に放った一言。その裏にあった切迫した事情とは…

  • 2026.10.27
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出典:photoAC ※画像はイメージです。

こんにちは。くまえり銀行員です。

今日は、法人の口座開設に来店されたお客様から、思いがけず融資の相談を受けたときのお話です。

「支払い間に合わないじゃん!」と、口座開設に約2週間かかることに不満を漏らすお客様。

さらに話を聞くと「今月中に支払わないと破綻してしまうかもしれない」と切迫した資金繰りの事情を打ち明けられました。

融資課へおつなぎしたことで安堵されたお客様の姿から、強く当たるお言葉の裏にある困りごとに耳を傾ける大切さを実感した出来事をご紹介します。

「銀行の審査に時間がかかってるせいで、支払いに間に合わない」

「銀行の審査に時間がかかってるせいで、支払いに間に合わないんですよ」

口座開設を急いでいた理由は、単に新しい法人口座が必要だったからではありません。今月中に業者へ支払わなければならない事情があったのです。

私は状況を確認するため、「他の銀行でお口座はお持ちではないのですか? 当行からのお振込みでないといけないのでしょうか?」と尋ねました。

すると、お客様は、「他の銀行口座と今回事業は分けたいし、名義も少し違うのでこちらから支払いたいんです!」と答えました。

それでも話を聞いていると、口座開設だけの問題ではないように感じました。

「今月中に支払わないと、うちは破綻してしまうかもしれない」

さらに事情を聞くと、お客様から切迫した言葉が出ました。

「今月中に業者に支払わないとうちは破綻してしまうかもしれない!」

支払い期限が迫る一方で、事業収入の入金時期が合わない。法人を立ち上げたばかりということもあり、資金繰りそのものが厳しい状況だったのです。

すると今度は、お客様のほうから融資について相談がありました。

ただ、私は融資を担当する部署ではありません。そこで、「こちらでは融資のご相談は承っておりませんが、融資課につなぐことは可能です」とお伝えしました。

すると、それまで銀行への不満を口にしていたお客様が、急に弱気になりました。融資について話を聞いてもらえると分かると、ほっとしたような表情を見せたのです。

私はその場で融資課へ連絡し、詳しく話を聞いてもらえるよう担当者とのアポイントを取りました。

最初は「銀行の審査に時間がかかったせいで、支払いに間に合わない」と不満を口にしていたお客様。しかし、その言葉の奥にあったのは、会社の存続に関わるほど切迫した資金繰りの問題でした。

窓口で強い言葉を口にするお客様にも、その背景には本人にしか分からない事情があります。

目の前の言葉だけで判断せず、その奥にある困りごとまで丁寧に聞くこと。それも銀行の窓口担当者に求められる大切な役割なのだと感じた出来事でした。


ライター:くまえり銀行員
金融機関の窓口業務に携わり、日々さまざまなお客様対応を経験。忙しい日常の中で起こりがちな銀行手続きの行き違いやトラブルを、窓口の内側から見た視点で、読者に寄り添いながら伝えています。「知らなかった」がトラブルにつながらないよう、銀行で実際に起きた出来事をもとにお届けします。


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