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長距離フライトで機内食にも飲み物にも“いっさい手をつけない”男性…CAが不安になり尋ねると?発覚した“予想外の真相”

  • 2026.10.27
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。大手航空会社で10年間、CAとして勤務しておりましたSAKURAです。

CAは保安要員としての立場から、お客様のふとした行動から異変を察知したり、ときには警戒心を高めたりする場面があります。

特に国際線のようにフライト時間の長い便では、その傾向はいっそう強まります。

今回は、お客様が機内食もドリンクもいっさい口にされず、未開封のまま残された「手付かずのトレー」から始まったエピソードです。

体調不良なのか、それとも保安上のリスクがあるのか。

CAたちの緊張感が高まるなか明かされたのは、予想もしていなかった”ある事情”でした。

「ずっしりと重い」トレーの回収から始まった違和感

それは、国際線の長距離路線、エコノミークラスでの出来事でした。

一食目のお食事サービスが終わり、お客様からトレーを回収していたときです。

ある外国人の男性のトレーが「ずっしりと重い」ことに気がつきました。

キッチンへ戻り念のため蓋を開けてみると、お食事にはいっさい手がつけられていない状態でした。

「たまたまお腹が空いていなかったのだろう」と受け止め、その場はひとまず胸に納めました。

しかし、しばらくして通路を通ったとき、離陸直後に配ったドリンクやスナック類がすべて未開封のまま座席ポケットに残っているのが目に入ったのです。

「何も口にしていない……?」

さまざまな懸念が頭をよぎり、静かな胸騒ぎを覚えました。

高まる警戒心と、到着前の変化

万が一の体調不良や保安上のリスクに備え、私はすぐに他のクルーへ情報を共有しました。

他のお客様へ「お飲み物はいかがですか?」と声をかけながら男性の席へ向かい、同様にお伺いしてみたものの、男性は首を横に振って「No」と答えられました。

体調が悪そうな様子もなく、ただ静かに過ごされている男性。

しかしその後も、何かを口にすることは一度もありませんでした。

「何か理由があるのだろうか」

一抹の不安を抱え、クルー間の警戒心が高まるなか、やがて到着前の二食目のお食事サービスが始まりました。

男性は一食目と同じように、静かにトレーを受け取られました。

「今回も召し上がらないのかな」と見守っていた、まさにそのときでした。

それまで頑なだった男性が一転して、ドリンクを一口飲み、お食事を口にし始めたのです。

安堵と驚きが混ざった私たちの視線に気づいた男性は、申し訳なさそうに、ふっと優しく微笑みました。

男性から明かされた、予想もしていなかった”ある事情”とは

微笑んだ男性は「不安にさせてしまってごめんなさい」と、静かに語り始めました。

「宗教上の断食の最中だったんだ。でも、ちょうど断食が明けたから、口にできるようになったんだよ」

私が驚いていると、

「これまでのフライトでも、クルーの方たちに心配されたことがあったから、きっと今回もそう思われていたのだろうね。先に説明しておけばよかったね」

と、どこかいたずらっぽく照れたように微笑みました。

そして、久しぶりに口にするお食事を一口一口噛み締めるように、美味しそうに食べ進められたのです。

予想もしていなかった”事情”を知った私たちは、深い安堵とともに、心から納得したのでした。

保安要員としての視点と、多様な背景へ寄り添う眼差し

保安要員としての警戒心を持ちながらも、その背景にある多様な視点に思いを巡らせる大切さ。

何事もなかった男性の穏やかな笑顔に胸のつかえがすっと下がり、まだ見ぬ世界にもっと目を向けていこうと改めて心に決めた瞬間でした。


ライター:SAKURA * 心を読む元国際線CA

日系大手航空会社にて10年間、客室乗務員(CA)として勤務。国内線・国際線を経験し、多種多様なお客様と接する中で「感情を読み解く力」を磨く。客室責任者としてVIP対応や後輩育成に携わる傍ら、社内の人材教育やグループ会社での業務にも携わり、多角的な視点から接客のあり方を見つめてきた。

現在は、その鋭い洞察力を活かし、言葉だけでない、「心理的・物理的アプローチによるクレーム回避術」を発信するライターとして活動中。国内線での細やかな気配りから国際線での難しい状況判断まで、現場での実体験に基づいた「心に届く接客のヒント」を言語化し、接客業にとどまらず、人と人とがよりよい関係を築けるサポートをしている。


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