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キーを切ったのに愛車が止まらない…!?中古の日産・180SXに付いていた“昭和から続く装備”の正体

  • 2026.11.1
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出典:PIXTA(※画像はイメージです)

中古車を買うと、前の持ち主が取り付けた装備が、そのまま残っていることがあります。見慣れないスイッチを見つけて、「これは何に使うんだろう」と思った経験のある方もいるのではないでしょうか。

取り付けた人にはおなじみでも、初めて使う人には分からない。車本体の操作とは別に、装備の使い方を覚えることも、中古車との付き合いの一つです。

私が以前乗っていた日産の180SXにも、買ったときから付いていた機械がありました。そこで戸惑ったのは、走り出すための操作ではありません。エンジンを止めようとしたときのことでした。

キーを切ったのに、まだ動いている

キーを切れば、エンジンも止まる。そう思っていたのに、180SXではエンジンが動いたままになりました。どうすれば止まるのか分からず、私は車屋に尋ねました。そこで教わったのが、ターボタイマーの役割でした。

「エンジンを保護するための機械ですよ」

ターボタイマーは、キーを切ったあとも一定時間アイドリングを続け、その後、自動でエンジンを停止させる装備です。

つまり、キーを切る操作と、実際にエンジンが止まるタイミングに、時間差があったわけです。仕組みを知っている方には普通の作動でも、初めての私には、それが分かりませんでした。

保護する対象は、主にターボチャージャーです。ターボは、排気ガスの力で羽根を回し、空気を圧縮してエンジンへ送り込む装置。エンジンの出力を高める一方、高温の排気にさらされます。

走行後にアイドリングを行う「アフターアイドル」は、熱を持ったターボを冷ますためのものです。HKSは、ターボタイマーを軸受けの焼き付きを防ぐ目的で開発したと説明しています。

車屋から聞いた「エンジンを保護するため」という言葉も、この仕組みを踏まえると分かりやすくなります。止める操作をしたあとにも、機械をいたわるための時間を設けていたのです。

昭和から続く装備と、現在の使い方

HKSの製品史には、昭和に当たる1982~1985年のターボタイマーが掲載されています。1980年代には各メーカーからターボ車が相次いで登場し、その保護のための装備も開発されていました。私が乗った180SXの登場は1989年、平成元年。昭和からある装備を、平成の愛車で使っていたわけです。

今は、信号待ちなどでエンジンを自動停止させ、燃料消費や排出ガス、騒音を抑えるアイドリングストップ機能を備えた車もあります。

そうした機能になじみがあると、キーを切ったあとに、あえてエンジンを動かし続ける仕組みは意外に感じるかもしれません。同じアイドリングに関わる装備でも、働く目的が違います。

ただし、ターボタイマーは、エンジンをかけたまま車から離れてよいという装備ではありません。道路交通法第71条第5号では、車両から離れる際に原動機を止めるなどの措置が求められます。同法が適用される場所で、作動中の車を離れると違反となるおそれがあります。

また、神奈川県など、条例で駐車時のアイドリングストップを義務づける自治体もあります。適用範囲や例外は地域によって異なり、使い方によっては条例に違反するおそれもあります。使用する際は地域のルールを確認し、車から離れる前にはエンジンの停止を確かめる必要があります。

なお、アフターアイドルの要否や時間は、車両の取扱説明書に従って判断してください。時間設定や停止操作についても、装着されている製品の取扱説明書で確認しておきたいところです。

車屋で教わった、もう一つの操作

「ボタンで秒数も変えられますよ」

私の180SXに付いていたタイマーは、アイドリングの長さをボタン操作で調整できるタイプでした。キーを抜くだけでなく、タイマーの設定や手動での停止手順まで把握しておく。それが、この車に乗って最初に知った「ひと手間」でした。

さらに、店主はこう付け加えました。

「ボタンひとつですぐに切れるから、住宅街でエンジンを止めるときも困りませんよ」

アイドリングの長さを調整するだけでなく、状況に応じて即座に止める操作もある。その説明を受けて、キーを抜いても止まらなかったときの戸惑いが、ようやく腑に落ちました。

私と180SXの付き合いは、走らせ方ではなく、まずはエンジンの止め方を覚えるところから始まったのです。


参考:
ターボタイマー10」開発物語・製品説明 (HKS)
180SX TYPE II (日産ヘリテージコレクション)
アイドリング・ストップ (神奈川県)


ライター:三枝 雄太
自動車アフターマーケットや自動車流通の分野で長年、販売・買取、店舗運営、接客、スタッフ育成などに携わる。カー用品や車のカスタムにも幅広く関わり、現場で培った経験をもとに、クルマに詳しくない人にも伝わりやすい言葉で、カーライフや懐かしい車文化を紹介している。


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