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「これ持ってて」家族旅行の高速道路、助手席の子どもに渡された1枚の紙…ETC世代には意外な“光景”

  • 2026.10.9
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

「これ持ってて」

子どものころ家族旅行で高速道路に乗ると、助手席の私に通行券が渡されました。入口で預かり、出口で運転手に返す。

ETCが普及した今では出番の減ったそのやりとりを、ハイウェイカードや有料道路の小銭の支払いとともに思い出します。

助手席には「通行券係」がいた

高速道路の入口で車が止まり、運転していた家族が発券機から通行券を取る。そのあと、運転席から助手席へ1枚の紙が渡ってきます。私がよく覚えているのは、そんな家族旅行の始まりです。

預かった券は、出口が近づいたら運転手に戻す。入口と出口の間、助手席にはちょっとした役目がありました。料金を払うのは大人ですが、そのときに必要な紙は私が持っている。

今振り返ると、ずいぶん小さな係です。それでも、車内で自分に任されていたこととして覚えています。

この通行券には、どのインターチェンジから入ったか、車の種類などの情報が示されています。走った距離に応じて料金を支払う道路では、出口で精算するために使うもの。入口でお金を払った証明でも、旅行の記念にもらう紙でもありません。

どこへ出かけた日のことか、正確な時期までは思い出せません。ですが、入口で渡された券を、出口で運転手に返していた手順は残っています。

旅の思い出というと目的地の出来事を挙げがちですが、私の場合は料金所を通るときの動きも、その中に入っています。

支払いには「ハイウェイカード」も

家族は、高速道路の料金をハイウェイカードで支払うこともありました。名前を聞いて、久しぶりにあのカードを思い出した方もいるのではないでしょうか。

ハイウェイカードは、先に購入しておき、通行料金の支払いに使う磁気式のプリペイドカードです。

現在のETCカードとは別のもの。1987年(昭和62年)に販売が始まり、2006年3月31日をもって利用を終了しています。

通行券は、どこから乗ったかを確かめるためのもの。ハイウェイカードは、その料金を支払うためのものです。

現金とハイウェイカード、どちらで支払う場合でも、私が預かっていた券は出口で精算するために不可欠なものでした。

鴨川有料道路では、小銭を料金箱へ

もう一つ、家族旅行でよく走ったのが、千葉県の鴨川有料道路です。

こちらで覚えている支払いは、高速道路の出口で通行券を渡す方法とは違います。車の窓から、小銭を料金箱へ投げ入れていました。
料金所で車を止め、小銭を用意し、箱へ入れる。今なら、道路の料金を払うのにお金を投げるのか、と少し驚くかもしれません。当時の私にとっては、その道を通るときに見る、いつもの動作でした。

ただ、うまく入らないこともあります。運転していた家族が「入らなかった」と言って車を降り、落ちた小銭を拾ったこともありました。

券を預かって返す高速道路と、小銭が箱に入るかどうかを見る有料道路。同じ旅行の途中でも、料金所によって車内でしていることは違ったのです。

鴨川有料道路は、2019年4月21日に無料開放されました。今は、その道を通るために小銭を料金箱へ入れる必要はありません。

あの支払いの場面も、昔の家族旅行を思い返すときに浮かぶものになりました。

ETCに引き継がれた、私の小さな仕事

現在、ETCを利用する高速道路では、車載器と料金所の設備が無線でやりとりし、通行料金を自動で精算します。

入口で券を取り、出口で渡す必要はありません。もちろん、一般レーンなどで通行券を使う場面は今もあります。

ETCの車載器にカードを入れておけば、料金所が近づくたびに券や支払いの準備をする手間は減ります。

高速道路では通行券の受け渡しが減り、鴨川有料道路では小銭を用意する必要がなくなりました。昔は料金所に近づくと、券やお金を取り出していたものです。

家族から通行券を預かったことのある人なら、この役目に覚えがあるかもしれません。ETCでの支払いになじんだ世代には、料金所を通るために車内でも紙を受け渡していたことが、意外な光景に見えそうです。

あの「これ持ってて」を思い出すと、便利になったなと感じます。ETCを使う車では、支払いのために窓を開ける機会が減り、助手席の通行券係も出番がなくなりました。運転も、料金の支払いもしていなかった私まで、なんだかETCに「唯一の仕事」を取られてしまったようなさみしさがあります。


参考:
ハイウェイカード終了のお知らせ (首都高速道路株式会社)
なぜハイウェイカードを廃止したのですか。(NEXCO東日本)
鴨川有料道路の無料開放について (千葉県道路公社)
ETC全般について (ETC総合情報ポータルサイト)


ライター:三枝 雄太
自動車アフターマーケットや自動車流通の分野で長年、販売・買取、店舗運営、接客、スタッフ育成などに携わる。カー用品や車のカスタムにも幅広く関わり、現場で培った経験をもとに、クルマに詳しくない人にも伝わりやすい言葉で、カーライフや懐かしい車文化を紹介している。


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