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教習生「後ろの車に追突されそうで…」意外な回答に周囲が戸惑い…焦りが招く“反則金9,000円”

  • 2026.11.8
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出典:PIXTA(※画像はイメージです)

運転免許を取るまでの教習には、「セット教習」と呼ばれるものがあります。技能教習1時限と、ディスカッション形式の学科教習1時限を組み合わせ、危険を予測した運転を学ぶ教習です。

運転の直後に教習生の生の声を聞いていると、思わぬ言葉にハッとさせられることも。今回紹介するのは、「後ろの車に追突される」という回答です。どんな場面で出た言葉なのかを見ながら、日常の運転に役立つ危険予測のポイントを考えてみましょう。

複数の教習生で取り組む危険予測教習

運転中に起こり得る危険を前もって考える力を、危険予測といいます。セット教習の技能教習では、最大3人の教習生が同じ車に乗り、お互いの運転を観察し合うのが特徴です。

学科教習では、観察した運転場面を振り返ったり、交通場面の画像や映像を見たりしながら意見を交わします。話し合う内容は、どんな危険が考えられるか、安全に走るにはどうすべきかといったことです。

あくまでも予測なので、出てきた意見は基本的に間違いではありません。可能性が低くても、起こり得る危険の一つであることに変わりはないからです。ただ、運転経験の浅い教習生からは、ときに意外な意見が出てくる場合もあります。

「後ろの車に追突されそうで…」という回答

このとき取り上げたのは、次のような場面です。皆さんも一緒に考えてみてください。

運転席から見て、前方の横断歩道を歩行者が2人渡っています。ルームミラーには、近づいてくる後続車の姿。1人は足早に渡り切ろうとしていますが、もう1人はあなたの車の前を過ぎたあたりで後ろを振り返っています。このとき、どんな危険が予測できるでしょうか?

運転経験のある人なら、いろいろな可能性が浮かぶはずです。たとえば、次のようなものが挙げられます。

・小さな子どもなどが、その人に追いつこうと急いで渡ってくる
・信号が変わりそうなので、振り返った人が引き返してくる

ところが、ある教習生の回答は違いました。

「早く行かないと、後続車にクラクションを鳴らされたり、追突されたりする危険があります。だから、歩行者の後ろをすり抜けて、後ろからの危険を回避します」

もちろん、そうした危険もゼロではありません。ただ、その意識は歩行者よりも、後ろの車に向いていたようです。

まず守るべきは目の前の歩行者

このときは3人でのセット教習だったため、ほかの2人は「えっ?」という表情で私を見ました。どちらも、少し戸惑っている様子でした。

私が伝えたのは、「後ろの車への配慮も大切ですが、まずは目の前の歩行者の動きに注目しましょう」ということ。振り返った歩行者は、急に引き返してくるかもしれません。

ほかの教習生の意見を聞き、自分とは違う視点に触れられるのも、この教習のよいところです。話し合いを重ねるうちに、その教習生の答えも、歩行者の動きに目を向けたものへと変わっていきました。

焦って一時停止を怠れば違反になることも

横断歩道を渡っている人や渡ろうとしている人がいるときは、その直前で一時停止するのがルールです。横断する人がいないと明らかな場合を除き、手前では止まれる速度で進むことも定められています。

教習生の回答にあった「歩行者の後ろをすり抜ける」行動も、気をつけたいところ。止まらずに歩行者の通行を妨げれば、道路交通法第38条の違反(横断歩行者等妨害等)となります。

違反点数は2点で、普通車の反則金は9,000円です。罰則として、3か月以下の拘禁刑(刑事施設に収容される刑罰)または5万円以下の罰金も定められています。後ろの車を気にして急いだ結果、かえって違反や事故を招くおそれもあるのです。

日常の運転に生かしたい危険予測のポイント

日ごろから意識したいのは、周りのプレッシャーより危険予測を優先する考え方です。急かされているように感じると、歩行者の飛び出しや対向車の陰といった、本当に注意すべき危険への意識が薄れてしまいます。

焦りを感じたときこそ一歩引いて、「今、何を最も守るべきか」を考えましょう。

かもしれない運転を前提とした安全運転を!

「〜だろう」ではなく、「〜かもしれない」と考えながら走ることを、かもしれない運転といいます。横断歩道に限らず、あらゆる交通場面で役立つ心構えです。

後続車などが気になったときこそ、周囲の交通環境に何か危険があるかもしれないと考える余裕を持ちましょう。


参考:
横断歩道は歩行者優先です(警察庁)


ライター:ちだてつし
自動車教習所の指導員・技能検定員として、23年間にわたり現場で安全運転の指導・検定を担当。現在はその専門知識と現場での実務経験を活かし、安全運転やドライブテクニックに関するWebライターとして活動中。また、ペーパードライバーや外免切り替えの事業を展開し、運転に自信のないライダーを対象に、実践的なツーリングを通して運転技術を身につける「日本ツーリングサポート協会」を設立・運営。「安全で楽しいカー&バイクライフ」を伝える発信を行っている。日本二輪車普及安全協会の二輪安全運転指導員として活躍中。


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