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「家だと退屈そうにするので」共用廊下を走る子どもと母親。だが、管理会社が取った対応

  • 2026.9.30
「家だと退屈そうにするので」共用廊下を走る子どもと母親。だが、管理会社が取った対応

夕方の廊下に響く足音

家で仕事をするようになって二年目の秋、夕方になると玄関の外から聞こえる音が気になり始めました。

隣の家の5歳くらいの男の子が、共用廊下を端から端まで走っていたのです。

ちょうどオンライン会議の時間と重なることも多く、甲高い声や足音がドア越しに響いてきます。

音が大きいときは、マイクを切って静かになるのを待つこともありました。

廊下で隣のお母さんと顔を合わせると、向こうから頭を下げてきます。

「すみません。うるさいですよね」

「いえ……でも、廊下なのでちょっと心配で」

謝ってはくれるものの、翌日の夕方になると、また同じように足音が聞こえてきました。

ある日、ゴミを出しに玄関を出ると、男の子が廊下の角で足をもつれさせました。

手すりの支柱にぶつかりそうになり、私は思わず声を上げました。

「あっ、危ない!」

追いかけてきたお母さんが男の子の手をつかみます。私は迷った末に声をかけました。

「さっきみたいに転ぶと危ないので、おうちの中で遊んでもらえませんか」

お母さんは少し困ったような顔をして、

「家だと退屈そうにするので」

と答えました。

「そうですよね。でも、廊下を走るのはやっぱり危ないと思います」

すると、お母さんは男の子の手を引いて部屋へ戻っていきました。

管理会社が届けた規約の一枚

その夜、私は管理会社に電話をしました。

これまでにも全戸向けの注意書きを出してもらったことがありましたが、状況が変わらないことも伝えました。

担当の男性は、廊下でどんなやり取りがあったのかを尋ねました。

「お母さんは、なんとおっしゃっていましたか」

「家だと退屈すると」

「わかりました。では、共用部分について書かれている規約も確認して、こちらからお話しします」

三日後の夕方、玄関を出たところで、ちょうど管理会社の担当者が隣の部屋を訪ねていました。担当者の手には、管理規約の共用部分に関する箇所を印刷した紙が一枚ありました。

「共用廊下は通路ですので、ここで走ったり遊んだりするのは控えてください。転んでけがをする危険もありますから、遊ぶときは中庭の広場を利用していただけますか」

お母さんは紙に目を落とし、しばらく黙っていました。

「……わかりました」

そう答えて、小さく頭を下げました。

そのとき、向かいの部屋から出てきた年配の女性も、担当者の言葉を聞いていたようで、小さくうなずいていました。

翌日から、夕方の廊下を走る足音は聞こえなくなりました。

窓から中庭を見ると、男の子が広場で遊び、そのそばのベンチにお母さんが座っています。こちらに気づいたお母さんと目が合うと、少し気まずそうに会釈をされました。

私も小さく頭を下げました。それからは、オンライン会議の途中で廊下の音を気にしてマイクを切ることもなくなりました。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた30代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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