1. トップ
  2. 暮らし
  3. 電気ストーブのNG5つ ミスの8割超は燃えやすい物

電気ストーブのNG5つ ミスの8割超は燃えやすい物

  • 2026.9.30

NITEの製品事故情報から電気ストーブ・電気ファンヒーターの事故3,017件を集め、使い方が原因とみられる729件をweboo編集部で分類すると、8割超の605件は布団や衣類など燃えやすい物が触れた・熱せられた事故でした。寝ている間、洗濯物、プラグの差しっぱなしなどやりがちなNG5つと、東京都の実験でわかった布団までの距離と温度をまとめました。

朝晩が冷えてくると、足元をすぐ温めてくれる電気ストーブやセラミックファンヒーターを出したくなります。火を使わないので安心、と思われがちな暖房です。
この記事でわかることは次のとおりです。
・電気ストーブ・電気ファンヒーターの製品事故の記録3,017件でみる、使い方の事故の中身(weboo編集部の集計)
・寝ている間、洗濯物、布団やカーテンとの距離、つけたままの外出、プラグの差しっぱなし。やりがちなNG5つと代わりにできること
・東京都の実験でわかった、ストーブの前に置いた布団の距離と温度
ここでいう電気ストーブは、NITE(製品評価技術基盤機構)の資料と同じく、ハロゲンヒーター・カーボンヒーター・シーズヒーター・パネルヒーター・電気ファンヒーター・オイルヒーターなどをまとめた呼び方です(セラミックファンヒーターは電気ファンヒーターの一種)。根拠にしたのは、NITE・東京都・消防庁消防研究センターの公表資料です。

事故の記録3,017件を分類 使い方の事故729件のうち605件は燃えやすい物

NITEが公開している製品事故情報の検索サービス「NITE SAFE-Lite」で、電気ストーブ・電気ファンヒーターの事故を集めました。品名で絞ると3,017件(1988年〜2026年2月に発生。発生日がわからない14件を含む)。weboo編集部が事故原因の記述を1件ずつ読み、原因ごとに1件1分類しました。
・製品の不具合とみられるもの:1,459件
・使い方が原因とみられるもの:729件
・長く使ったことによる劣化:27件
・原因がわからない・製品以外が原因とみられるものなど:802件

使い方が原因とみられる729件の中身を分けると、605件(83.0%、8割超)は、布団や衣類などの燃えやすい物がヒーターに触れた、または近くで熱せられて火が出た事故でした。このうち17件は、倒れたストーブが布団や畳、紙などに触れた事故です。605件のうち122件は、亡くなった方がいる事故です。
次に多かったのは、コードやプラグを引っ張る・踏むなどで傷めた事故の64件、分解や改造、自分で修理したことによる事故の28件でした。コードの扱い方は、延長コード・タップや暖房器具を出す日のNGの関連記事で紹介しています。

燃えやすい物の事故605件で、ヒーターに触れた・熱せられた物は次のとおりです(記録で最初に書かれている物で1件1分類)。
・布団・毛布など:288件
・衣類・洗濯物・タオル:173件
・カーテン:13件
・その他(新聞や紙類、座布団、家具、壁など):131件
また、記録に書かれていた状況を拾うと、寝ている間の事故が194件、ストーブの上や近くで洗濯物などを干す・乾かしていた事故が61件、つけたままその場を離れた・外出した事故が52件、物が当たるなどして意図せずスイッチが入った事故が22件ありました(1件に複数の状況が書かれたものもあります)。

数字を見るときの注意
・これはNITEに通知された製品事故のうち、検索で拾えた電気ストーブ・電気ファンヒーターの事故の件数です。事故全体の数ではありません
・原因・状況の分け方はweboo編集部が記録を読んで決めたもので、NITEの分類ではありません。状況は記録に書かれているものだけを数えました
・燃えやすい物の事故605件のうち439件は2000〜2009年に起きたもので、最近の事故ほど少なく見えます
ここからは、記録に多い状況と公的機関の呼びかけをもとに、NG1〜5をみていきます(NGの並びは件数の順ではありません)。

NG1|電気ストーブをつけたまま寝る

寒い夜、布団に入る前に部屋を暖めて、そのまま眠ってしまう。ベッドの足元に置けば朝まで暖かい。つい、やってしまいがちです。
燃えやすい物の事故605件のうち、寝ている間の事故は194件ありました。このうち165件は布団・毛布などがヒーターに触れた・熱せられた事故で、42件は亡くなった方がいる事故です。寝返りで掛け布団がずれた、ベッドから落ちた布団がストーブにかぶさった、という記録が目立ちました。
火事にならなくても、つけたまま寝ていて体に低温やけどを負った記録も2件ありました。

代わりに:寝る前にスイッチを切り、プラグも抜く。
NITEは、電気ストーブをつけたまま就寝すると寝具などの燃えやすい物が高温部に触れて発火するおそれがあり、就寝中は発見が遅れやすく、大きな火災につながるおそれがあるとして、就寝時の使用は絶対にしないよう呼びかけています。寝るときは電源プラグをコンセントから抜いておくことも挙げています。
消防庁消防研究センターも、寝る前や電気ストーブから離れるときは必ず電源スイッチを切り、プラグを抜くよう呼びかけています。東京都は、寝るときは必ずスイッチを切るよう呼びかけています。

NG2|ストーブの上や前に洗濯物・タオルを干す

部屋干しの洗濯物がなかなか乾かない日、ストーブの真上にハンガーを掛けたり、ぬれたタオルを本体にかけたり。早く乾きそうに思えます。
集計した記録では、ストーブの上や近くで干す・乾かしていた事故が61件あり、そのうち56件は衣類・洗濯物・タオルでした。上に干していた洗濯物が乾いて軽くなり、ストーブの上に落ちた。ぬれた衣類を本体に直接かけたまま放っておいた。こうした記録が多くみられました。

代わりに:洗濯物を乾かすのに使わない。
NITEは、電気ストーブでは上方で乾かしていた衣類が落下して接触し、発火した事故もあるとして、衣類の乾燥には使用しないよう呼びかけています。電気ストーブの上に洗濯物が落ちて火事になった事例の再現映像も公開し、電気ストーブで洗濯物を乾かすことは絶対にやめるよう求めています。
東京都も、電気ストーブの上で洗濯物を干すことはやめるよう呼びかけています。

NG3|布団やカーテンのそばで「触れていないから平気」

狭い部屋で、ソファやベッドのすぐ横にストーブを置く。布団やカーテンに触れてさえいなければ大丈夫、と思いがちです。
東京都が2014年に公表した、電気ストーブ1台(石英管式・最大出力0.96kW)の前に綿の布団を置いて温度を測った試験では、5cm離した布団は11分で煙が出て、14分20秒で表面が549.5℃に達しました。10cmでは約230℃で安定し、120分後には焦げて変色していました。30cmでも約120℃、50cmで約75℃、100cmでは30℃でした。東京都はこの調査で、物が触れていなくても、距離が近いと火災ややけどの危険が高まるとしていました。

代わりに:取扱説明書の距離を確かめ、燃えやすい物から離す。
どのくらい離すかは、資料によって示し方が違います。NITEは、取扱説明書に周囲の物や壁などとの距離が書かれているので、確認して距離を取るよう求め、距離は製品によって異なるとしています。東京都の調査資料は、消防関係法令での例として、2kW以下の前方放射型の電気ストーブで前方・上方100cm、側方30cm、後方4.5cmの距離を挙げています(この距離によらない場合もあるとしています)。消防庁消防研究センターによると、火災予防上安全な距離は国の省令で基準が示され、実際の決まりは市町村の条例によるため、自治体ごとに異なります。
迷ったら、まずお使いの製品の取扱説明書の数字を確かめましょう。東京都は、洗濯物・カーテン・布団など燃えやすいものから離して使うよう呼びかけています。

NG4|つけたまま部屋を離れる・出かける

ちょっと買い物に行くだけ、洗濯物を干してくるだけ。すぐ戻るからと、ストーブをつけたまま部屋を出ることはありませんか。
集計した記録では、つけたままその場を離れた・外出した事故が52件ありました。ストーブの前に衣類や新聞を積んだまま出かけた、離れている間に窓から入った風で物があおられて触れた、という記録です。飼っている猫や犬が関わったとみられる事故も4件ありました(倒した、上に乗った、敷いていた衣類を動かしたなど)。

代わりに:離れるときは電源を切り、プラグを抜く。
NITEは、使用中にその場を離れている間に燃えやすい物が触れて火災になった事故や、ペットが燃えやすい物を電気ストーブの前に運んで火災になった事例があるとして、別の部屋に移動するときや外出時など、製品から離れる際は電源を切り、電源プラグを抜くよう呼びかけています。
消防庁消防研究センターによると、火災予防条例(例)は、電気を熱源とする器具の取り扱いとして「通電した状態でみだりに放置しないこと」を定めています。東京都も、その場を離れるときは必ずスイッチを切るよう呼びかけています。

NG5|使わない時もプラグを差したまま

スイッチさえ切っておけば大丈夫と、プラグはコンセントに差したまま。脱衣所やトイレに置きっぱなしのストーブでは、よくある使い方です。
集計した記録には、物が当たるなどして意図せずスイッチが入った事故が22件ありました。ストーブの上にバスマットや段ボールをかぶせた重みでスイッチが入った、上の棚から物が落ちてスイッチに当たった、通りがかりに体がスイッチに触れた、猫が上に飛び乗った、別の家電と間違えてスイッチが入ったままのストーブのプラグを差した、という記録です。スイッチを入れたまま置いていたストーブが、停電のあとに再び通電して近くの物を熱した事故もありました。

代わりに:物が当たってもスイッチが入らないよう、プラグを抜いておく。
東京都は、誤ってスイッチが入らないように、使用しないときは電源プラグをコンセントから抜くよう呼びかけています。2014年公表の東京都の調査では、外出時や就寝時に電気ストーブのスイッチは切るが電源プラグは抜かない、という回答が約半数でした。この調査で東京都は、地震で物が落ちてスイッチに当たるなど、何かの拍子にスイッチが入ってしまい火災につながる危険もあるとしていました。
NITEも、就寝時や外出時に電源プラグをコンセントから抜いておくことを挙げています。

よくある質問

セラミックファンヒーターやオイルヒーターでも同じ?

NITEの資料では、電気ファンヒーターやオイルヒーターも「電気ストーブ」に含めて注意を呼びかけています(セラミックファンヒーターは電気ファンヒーターの一種)。集計した記録にも、品名にセラミックヒーター・ファンヒーター・オイルヒーターとある事故で、使い方が原因とみられるものが含まれていました。
ただし、品名が「電気ストーブ」だけで方式のわからない記録が多いため、方式ごとに事故が多い・少ないとは比べられません。方式にかかわらず、取扱説明書の注意と距離を確かめて使いましょう。

不具合の事故で多かったのは?

いちばん大きなまとまりは、ヒーターランプの弱出力切換用ダイオードという部品の不良として記録された262件です。1つの事業者のハロゲンヒーター(2機種)を弱モードで使っているときに、本体上部のカバーの中で部品が熱を持ち、煙や火が出た事故で、262件のうち254件は2002〜2004年に起きています。
NITEの記録によると、この事業者は2004年8月に新聞やホームページに社告を出し、無償点検と代替品との交換を行いました。

まとめ 寝る前・離れる前・使い終わりにプラグを抜く習慣を

出典 www.nite.go.jp

電気ストーブでやりがちなNGと、代わりにできることをおさらいします。
・電気ストーブをつけたまま寝る → 寝る前にスイッチを切り、プラグも抜く
・ストーブの上や前に洗濯物・タオルを干す → 洗濯物を乾かすのに使わない
・布団やカーテンのそばで「触れていないから平気」 → 取扱説明書の距離を確かめ、燃えやすい物から離す
・つけたまま部屋を離れる・出かける → 離れるときは電源を切り、プラグを抜く
・使わない時もプラグを差したまま → 物が当たってもスイッチが入らないよう、プラグを抜いておく
NITEの製品事故の記録3,017件をweboo編集部で集計すると、使い方が原因とみられる事故の8割超は燃えやすい物が触れた・熱せられた事故で、194件は寝ている間に起きていました。寝る前に切る、洗濯物を乾かさない、燃えやすい物から離す、離れるときは切る、使わないときはプラグを抜く。今シーズン最初にスイッチを入れる前に、置き場所から見直してみてください。

※本記事は電気ストーブ・電気ファンヒーターの事故を防ぐための一般的な情報提供を目的としたものです。使う前に、お使いの製品の取扱説明書・本体の表示を必ず確認してください。
※原因・状況別の件数は、製品評価技術基盤機構(NITE)の「NITE SAFE-Lite」で、電気ストーブ・電気ファンヒーターの事故をweboo編集部が2026年9月29日に検索し、記録をもとに分類・集計した値です。記事の情報は2026年9月29日時点のものです。

元記事で読む
の記事をもっとみる

注目コンテンツ