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【トラネコボンボン・中西なちおさん】旬と季節を味わう高知での暮らし

  • 2026.10.1

旬を味わうことは、毎日の暮らしを豊かにしてくれる、小さな楽しみです。
料理人で人気イラストレーターでもある中西なちおさんが、新刊に込めた思いと食を楽しむためのヒントを語ってくれました。

夏の料理をおいしくする大きめの「かちわり氷」

春の山菜、初夏の梅、秋の新米……。どのページを開いても、味わってみたい旬の食材やつくってみたいレシピに出合える『トラネコボンボンの台所ごよみ 今日はニャに食べる?』。

中西なちおさんが、1年をかけて綴った、日々の台所仕事の記録から生まれた一冊です。

「疲れていて長い文章は読みたくないけど、ちょっとだけ気分転換したい。私はそんなとき、よく料理本や海外の食文化の本を読むんです。読めない言語でも、眺めているだけで『行ってみたいな』『これは何だろう?おいしそう』と前向きになれる。私にとってはすごく幸せな時間です。だからこの本も、絵と短い文で気軽に楽しめるようなものにしたかったんです」

かつては沖縄や東京で暮らし、数年前から実家のある高知へと移った中西さん。
「東京では1年中何でも手に入るけど、高知にいるとあっという間に旬が移っていく。おいしい時期のうちに食べたり、保存食を仕込んだり……と忙しいのですが、それが面白いですね」

夏になると欠かせないのが、鍋に水を張って凍らせ、アイスピックで割った「かちわり氷」。

「冷たい麺は夏の定番ですが、大きな氷できゅっと締めると、柔らかいけどコシのある、おいしい麺になるんです。サラダも氷水に通すひと手間で、シャキッと仕上がります」

8月になると、しょうがや玄米、ゆで野菜などの体を冷やさない食材を摂って、早くも秋に備えて体を整えるそう。とはいえ、最も大切なのは「食べたい」という感覚だと話します。

「すごく疲れて、口内炎ができていたとき、生まれて初めてアロエを食べたい!と思ったんです。それまではあまり好きな食材ではなかったのですが、アロエをポン酢で食べていたら2日ほどで治って。体って、自分に必要なものをちゃんと分かっているんだと実感しました」

だからこそ、つくるときは自分だけでなく、一緒に食べる相手の声を大切にしているそう。

「『今日はどんな気分ですか?』『なにが食べたいですか?』と必ず聞いて、みんなでつくって一緒に食べる。食べたものって、すぐに体に影響するんですよね。活力になったり、気持ちをほぐしてくれたりする。だから私、どんなに落ち込んだ日でも、料理のことだけはできるんです」

自身でデザインしたという、動きやすいチュニックワンピー
スは、中西さんの定番服。
生地は「CHECK&STRIPE(チェックアンドストライプ)」のものを使って仕立てたそうです。

『トラネコボンボンの台所ごよみ 今日はニャに食べる?』 中西なちお トラネコボンボン ¥2,750(文藝春秋)

高知で暮らす著者が、旬の食材とおいしい食べ方を綴った一冊。カバーや本文に登場する猫たちのイラストはすべて書き下ろしです。
「同じ料理は重複しないようにしましたが、大好きなごはんは豆ごはん、桑の葉ごはん、菜飯……と何度か登場しています(笑)」

〔執筆のお供〕 描き心地の良いペンが猫たちの豊かな表情を生む

イラストを描くときに愛用しているつけペン。
「写真は新しいものですが、古道具店で古いペン先を探すことも。古いものは描き味がまったく違って、より細い線が描けるんです。使うインクは自分で調合しています」

〔私の好きなもの〕 各国で買い集めたお気に入りのスプーン

動物をモチーフにした木の匙は彫刻家・奥山泉さん作。
「スプーンが好きで、各国で買い集めています」。キッチンにはさまざまな素材やサイズのスプーンが引き出し3つ分もあるそう。

photograph: Yusuke Shirai text: Hanae Kudo

大人のおしゃれ手帖2026年9月号より抜粋
※画像・文章の無断転載はご遠慮ください

この記事を書いた人

大人のおしゃれ手帖編集部

大人のおしゃれ手帖編集部

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