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「若い人の方が動けるから」と清掃当番を任せる男性。2週目、僕がスマホで見せた一枚の写真

  • 2026.9.30

土曜の朝、ポストに入っていた木の札

去年の秋の土曜日、新聞を取りに外へ出ると、うちのポストに木の札が一枚入っていました。

近所の十数軒で使っているゴミ置き場の、清掃当番の札です。

当番の家は土曜の朝にネットを畳み、周囲をほうきで掃除します。終わったら掲示板の順番表を確認し、次のお宅へ札を回す決まりでした。

「うちの番、こんなに早かったかな」

少し気にはなりましたが、越してきて二年目だった僕は、自分の勘違いかもしれないと思い、そのまま掃除をしました。

掃き終えて札を手にしていると、斜め向かいに住む60代くらいの男性がこちらに気づき、笑いながら声をかけてきました。

「いやあ、助かったよ。札はうちが持ってくよ」

言われたとおり男性の家へ札を返しました。

ところが翌週の土曜、ポストを見ると、また同じ札が入っていたのです。

「さすがに、これはおかしいな…」

僕はゴミ置き場の横にある掲示板へ向かいました。

順番表を見ると、今週の当番は二軒先のお宅です。念のため携帯で表を撮影し、ちょうど近くにいた管理人さんに声をかけました。

「この札、先週も今週もうちに入っていたんです。でも、順番は違いますよね?」

管理人さんは表を確認すると、少し困ったような顔をしました。

「先週、あの方から『若い人の方が動けるからお願いした』とは聞きました。でも、当番はこの表の順番で回すことになっていますよ」

そこで初めて、単なる間違いではなかったのだと分かりました。

写真に残した順番表を見せると

その日の昼、僕は札を男性の家へ返しに行きました。

朝の話を受けて、管理人さんも一緒に来てくれました。

男性は門の前で植木に水をやっていました。僕の手にある札を見ると、いつものように笑います。

「おお、今週もありがとう。若い人の方が動けるし、助かると思ってさ」

僕は携帯を取り出し、朝に撮った順番表の写真を見せました。

「でも、今週は二軒先のお宅ですよね。僕も自分の番ならちゃんとやります。ただ、順番どおりに回してもらえませんか」

男性は画面を見たまま、しばらく黙っていました。

「いや、でも…若い人の方が楽だろうと思って」

すると管理人さんも、穏やかな口調で続けました。

「年齢に関係なく、みなさん同じ順番でお願いしています。これからは表どおりに回してください」

ホースから流れる水の音だけがしばらく続きました。やがて男性は蛇口を締め、僕から札を受け取ります。

「……分かったよ」

それ以上、言い合いになることはありませんでした。

翌週の土曜、うちのポストに順番外の札が入ることはありませんでした。ゴミ置き場で男性と顔を合わせると、向こうから軽く頭を下げてきました。

それ以来、当番札で困ることはなくなりました。僕は念のため、掲示が更新されたときには順番表を確認するようにしています。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた30代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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