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「向かいの人、見てたね」門を出るたび動く向かいのカーテン。友人にも「見てたね」と言われ、気づいた視線

  • 2026.9.30

門を出るたびに動くカーテン

道をはさんだ向かいの家には、70代くらいのご夫婦が二人で暮らしています。

玄関どうしが向き合うような位置で、うちの門を出ると、正面に向こうの二階の窓が見えます。

最初に気づいたのは、買い物へ出ようと門を閉めたときでした。二階の窓のレースのカーテンが少し横へ動き、すぐに元へ戻ったのです。

そのときは、風でも入ったのだろうと思いました。

ところが翌日も、その次の日も、私が門を出るころになると同じ窓のカーテンが動きました。一度開いて戻り、少しすると、もう一度だけ動きます。

夕方、妹から電話がかかってきたとき、私は何となくその話をしました。

「出かけるたびに、向かいのカーテンが動くの」

「たまたま外を見てるだけじゃない?」

「そうだよね。私が気にしすぎかな」

そう答えたものの、次に出かけるとき、私は門の前で振り返ってみました。

カーテンのすき間から、向かいの奥さんの顔が半分だけ見えていました。私がそちらを向くと、カーテンはすぐに閉じました。

少なくとも、あのとき奥さんがこちらを見ていたことだけは間違いありませんでした。

その日の午後、坂の下で奥さんとすれ違いました。

「あら、お出かけ?いいお天気ね」

「ええ、ちょっとそこまで」

後ろにいたご主人も、いつものように軽く頭を下げました。普段と何も変わらない様子だったので、私もそれ以上は何も言えませんでした。

友人も同じ窓を見上げた

しばらくして、学生時代からの友人が遊びに来ました。

夕方まで話したあと、門の外まで見送っていると、友人がふと向かいの二階を見上げました。

「向かいの人、見てたね」

「え、やっぱり?」

友人はそのまま歩き出しましたが、角を曲がる手前でもう一度こちらを振り返りました。

「うん。やっぱり見てたね」

自分だけが気にしすぎているのではないかと思っていた私は、その言葉に少し戸惑いました。

その後も、法事の帰りに寄った叔母や、荷物を届けに来た姪が、帰りぎわに向かいの窓を見上げて似たようなことを口にしました。

「何か用ですか」

そう聞いてみようかと、玄関の内側で何度か考えたこともあります。

けれど、向かいの人たちから何かをされたわけではありません。道で顔を合わせれば、いつも普通に挨拶をしてくれます。それだけに、わざわざ声をかけるきっかけもありませんでした。

何年たっても残った癖

あれから何年もたちました。

私は今も同じ家に住んでいますが、暮らしの中で困るようなことは一度もありません。

ただ、玄関のドアを開ける前に、向かいの二階を一度確認してしまう癖だけが残りました。

今朝も、ゴミ袋を手に玄関のドアを開けました。

まだ一歩も外へ出ていないうちに、向かいの窓のカーテンが、静かに少しだけ開きました。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた50代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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