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「画面を保存する女は怖い」と送ってきた彼→彼の方が私の画面を保存していた

  • 2026.9.30
ハウコレ

誤送信で届いたのは、私がいつか彼に送った短いメッセージの画面でした。「保存する男は怖くないの」。そう打ち込んだあと、入力中の表示が何度も出ては消えました。

彼からのメッセージを開いたまま、私はスマホのアルバムをさかのぼっていました。そこには2年分の、彼とのやりとりの画面が並んでいます。消すつもりなんてなかったのに、指はもう一番古い1枚を選んでいました。

届いた1行に、身に覚えがあった

彼とは付き合って2年になります。営業職で帰りの遅い彼とは、平日はほとんどメッセージだけのやりとりでした。

その日、彼から届いたのは、前置きのない1行でした。

「画面を保存する女は怖い」

「急にどうしたの」

「SNSで見た。証拠にするために全部残しとくやつ」

「そういう人もいるだろうね」

既読はすぐにつきました。それきり、返信は来ません。

私は自分のアルバムを思い出していました。喧嘩のあとに届いた仲直りのメッセージ。記念日の約束。うれしかった日のやりとりを、私は画面ごと残していたのです。証拠のつもりなんて一度もありません。でも、彼から見たら同じことなのかもしれない。フォルダを長押しして、削除を押しました。

誤送信の1枚

数日後、彼から画像が1枚だけ届きました。

見覚えのある吹き出しでした。去年、彼が仕事で大きなミスをして落ち込んでいたころ、私が送ったメッセージです。

「無理しなくていいよ。帰ってきたら一緒にごはん食べよう」

送った私自身が忘れていた1行を、彼はアルバムに残していました。

「ごめん、間違えた」

私は画面を何度も上下に動かしました。怖いと言った本人が、私の画面を保存している。頭の中で、あの1行の意味がひっくり返っていきました。

怖くないの、と打ち込んだ

「保存する男は怖くないの」

送ってから、私は画面をにらんだままでいました。既読がつき、入力中の表示が出ては消えるのを、繰り返し見ていました。

「怖くない。何回も読み返してるから」

彼は言い訳をしませんでした。私は消したばかりのフォルダのことを考えていました。2年分の、彼の言葉を。

「私は全部消しちゃったよ」

「じゃあ俺のを送る」

そして...

続けて届いたのは十数枚の画面でした。どれも私が送ったもので、彼が返信できなかった日のものばかりです。彼が残していたのは証拠ではなく、私が忘れていた自分の言葉でした。

私はもう一度、フォルダを作り直しています。消したものは戻りませんが、これから届く彼の言葉は、遠慮なく残しておくつもりです。

(20代女性・事務職)

本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。

(ハウコレ編集部)

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