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「彼を返して」と私に迫った元カノ→隣の彼が返したのは、私の名前ではありませんでした

  • 2026.9.30
ハウコレ

カフェで聞いた答えは、私の知りたいことから少しずれていました。「返す返さないの話じゃないんだ」。隣にいる私を主語にしなかった理由を、私はまだ聞けていません。

雨上がりの横断歩道の手前で、畳んだ傘を握った女の人が、私の顔だけを見ていました。

私に向けられた「彼を返して」

彼と付き合って半年。映画館を出て駅へ向かう途中、信号待ちの列に並んだところで、その人は人混みを抜けて私たちの前に立ちました。彼の顔を見て、それから私を見て、はっきりと言いました。

「彼を返して」

返してと言われても、私は誰からも彼を借りた覚えがありません。隣を見ると、彼はその人から目をそらさずにいました。私の腕に添えられていた手も、そのままでした。信号が青に変わって周りの人が動き出しても、私たち3人だけがその場に残りました。

彼が返した言葉

彼は少し間を置いて、その人に言いました。

「その言い方は、もうやめよう」

その人は傘の柄を握り直して、「わかった」とだけ答えると、横断歩道を渡らずに来た道を戻っていきました。私はその背中が人混みに消えるまで目で追っていましたが、彼はもう前を向いていました。

「その言い方」というのは、どの言い方なのでしょう。「もう」ということは、前にもあったということです。私はそのどちらも知りませんでした。

そして彼が言わなかったのは、「今付き合っているのはこの人だ」という、私がいちばん聞きたかった言葉でした。

主語にならなかった私

駅前のカフェに入り、私は運ばれてきたカフェラテに手をつけないまま聞きました。

「さっきの人、誰」

「3年付き合ってた人」

「返してって、何」

「返す返さないの話じゃないんだ。昔の話だから」

「もうって、前にもあったの」

「似たようなことなら、何度も」

何度も、と彼は言いました。私は、別れてからも何度もあの人に会い、そのたびに同じようなことを言われていたのだと受け取りました。

私の知らないところで続いていたやりとりに、今日はじめて立ち会っただけなのかもしれない。そんな考えまで浮かびました。

そして...

彼は改札まで送ってくれて、いつもと同じように手を振って別れました。そのあと、「さっきの『何度も』は、付き合ってた頃の話。別れてから会ったのは今日が初めて。そこだけ先に伝えておく」と届きました。その点は分かりました。でも、それ以上に引っかかっていることがあります。あの信号待ちで、彼は私の隣に立ちながら、

「今はこの人と付き合っている」

とは言いませんでした。なぜ私を主語にしなかったのか。次に会ったときは、あの人のことだけではなく、その理由を聞くつもりです。

(20代女性・事務職)

本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。

(ハウコレ編集部)

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