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親「新品なのに結構色が違うね」バンパーを交換した軽自動車に違和感…元塗装担当が語る“納得の理由”

  • 2026.10.31
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

車のボディとバンパーは、同じ色に塗られている。普段はそう考え、部品ごとの違いを意識しない人もいるかもしれません。しかし、同じ色に見える部分でも、素材に応じて塗料や塗装の条件が異なる場合があります。

筆者も、親の車でバンパー交換後にボディとの色の違いに気づいたことがありました。自動車塗装の生産技術に携わった経験を交えながら、異なる素材の部品を、一台の車として同じ色に見せる難しさをひもときます。

ボディとバンパーは塗料が違う

親が乗っていたのは、紫色の軽自動車です。フロントバンパーをぶつけて割ってしまい、新品に交換しました。ところが、交換後の車を見ると、筆者にはバンパーのほうがボディより明るく見えました。親も、その違いに気づいていました。

「新品なのに、結構色が違うね」

それに対して、筆者はこう説明しました。

「ボディとバンパーって、塗料が違うんだよ。こっちの車も色が違うでしょう」

比較したのは、近くにあった赤い普通車。その車でも、筆者にはボディとバンパーの色に違いが見えていました。

筆者は大手自動車メーカーで、塗装ラインの構築や品質検査に携わっていました。その経験から、ボディとバンパーの色が完全には一致しない場合があることを知っていました。交換や補修をしていない新車でも、部品同士の色差が見える場合があります。

金属のボディと樹脂のバンパーでは、塗装の条件が違う

一般的な車では、ボディの外板に鋼板などの金属、バンパーの外装部分には樹脂が使われています。樹脂は軽く、複雑な形に成形しやすいうえ、柔軟性もあります。同じ車の外側にある部品でも、塗装する素材が異なるのです。

金属と樹脂の大きな違いの一つは、耐えられる熱です。新車の金属製ボディの塗装では、熱を加えて塗膜を固める工程があります。一方、樹脂部品は高温によって変形する場合があるため、素材に適した温度で仕上げる必要があります。

そこで、バンパーなどには、比較的低い温度でも固まるよう設計された塗料が使われます。見た目の色をそろえるだけでなく、素材に無理をかけず、必要な耐久性を持つ塗膜にすることも求められるのです。

また、樹脂製バンパーはたわむため、塗膜にもその動きに対応する性質が必要です。部品が曲がったときに塗膜が追従できるよう、柔軟性を持たせる材料を使う場合もあります。

色を塗る前の準備も同じではありません。バンパーに使われる樹脂には、塗料が密着しにくい素材もあります。そのため、表面をわざとざらざらにしたり、プライマーと呼ばれる密着を助ける下塗りを使ったりします。

つまり、ボディとバンパーは、同じ塗料を同じ条件で塗ればよいわけではありません。それぞれの素材に適した塗料や塗装条件を使い分けながら、できるだけ同じ色に見えるように仕上げているのです。

別々に仕上げた部品を、一台の車として同じ色に見せる難しさ

新車の生産では、一般にボディとバンパーは別々の工程で塗装され、後から組み付けられます。部品単体で狙った色に仕上げることに加え、隣り合ったときにも違和感なく見えることが求められます。

さらに、塗膜の厚さや塗り方、メタリックやパールの粒子の並び方も、色の見え方に影響します。光の当たり方や見る角度によって、部品同士の差が分かりやすくなることもあります。

このように、色合わせは単に塗料の色を選ぶだけの作業ではありません。異なる素材に、異なる条件で塗装しながら、一台の車として見た目をそろえる必要があるのです。

親はその後も、交換したバンパーのままその軽自動車に乗り続けました。筆者は色合わせの難しさを知っており、今回見えた違いについては、お店に相談しない判断をしました。

交換後の仕上がりが気になる場合は、ボディとバンパーを比べて、どう違って見えるのかをお店に伝え、説明してもらうとよいでしょう。色合わせの難しさを知ることは、気になる違いを我慢するためではなく、仕上がりについて具体的に相談する手がかりになります。


筆者:jaco

大手自動車メーカーで、自動車の塗装ラインの構築に携わった。車体の塗装面に色むらや異物がないか、品質検査を行った経験もある。現在はITエンジニア兼Webライターとして、ものづくりの現場で得た経験を生かして執筆している。趣味はキャンプ、登山、旅行。フリーランス時代には年間50泊ほどのキャンプを楽しみながら、アウトドアやIT系の記事を執筆していた。


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