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「年明けまで待とうかな」と車の売却を先延ばしにする人が知らない…200万円で6万円差の“売り時”

  • 2026.10.31
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出典:PIXTA(※画像はイメージです)

車の売却は「新生活前の1〜3月が一番お得」と思っていませんか。実は最新の実査定データを見ると、年末のほうが査定額が高いケースも存在します。

今回は「年を越すと価値が下がる」という噂の真相や季節による価格変動の仕組みを解説するとともに、愛車の価値を正しく知り、納得のいくタイミングを見つけるヒントをご紹介します。買い替えをご検討中の方はぜひ参考にしてみてください。

1〜3月が最高値とは限らない?データが語る査定額の真実

大切に乗ってきた愛車を手放すとき、できる限り良い条件で次のオーナーへ送り出したいと考えるのは、ドライバーとしてごく自然な感情ではないでしょうか。多くの方が「新生活に向けた需要が高まる春先(1〜3月)が一番お得になりやすい」というイメージを持たれているかもしれません。たしかに、新たに車を求める人が増えるこの時期は、中古車市場全体が活発になる傾向があります。

しかし、中古車買取専門店のユーポスが公表した実査定データ(2022年9月〜2026年8月)を見てみると、少し違った事実が浮かび上がってきます。同データによると、1月の査定傾向が+0.1%であるのに対し、12月は+0.9%と、年末のほうがやや高い数値を示したのです。さらに、秋にあたる9月から11月にかけては+2.0%〜+4.1%と、年末以上に高い傾向が出ていました。

参考:車は何月に売ると高い?実査定データで査定額の季節性を検証(株式会社ユーポス)

この結果から、「市場全体で車がよく売れる時期」と、「ご自身の車が一番高く評価される時期」は、必ずしも一致しないと言えそうです。春まで待てば必ず良い結果が待っているわけではないとすると、売却時期への考え方が少し変わってくるのではないでしょうか。では、なぜ年をまたぐ時期にこうした評価の違いが生まれるのか、次で詳しく見ていきましょう。

「年を越すと査定が下がる」と言われる理由と、その誤解

年末年始の車の売却において、よく耳にするのが「年を越すと車が1年古くなるから、査定額が下がってしまう」という噂です。たしかに、年越しによって「年式」に対する市場の印象が変化する可能性は否定できません。新しい年を迎えると、前の年に登録された車は暦の上でどうしても「1年古い車」として認識されやすくなるため、買い手側の心理や買取基準に影響を与えることがあるのです。

ですが、ここで気をつけたいのは、車検証に記載されている「初度登録年月」そのものが年越しで変わるわけではないという点です。実際の車齢(登録からの経過期間)は月単位で細かく評価されるため、年が明けた瞬間に車の価値が一律で急落するわけではありません。

その一方で、少しでも高く売りたいからと売却を春まで先延ばしにするリスクにも目を向ける必要があります。数ヶ月待つ間にも日常的に車を使用していれば、走行距離は少しずつ増えていきます。また、目に見えない部品の消耗や、飛び石などの小さな傷がつくリスクもゼロではありません。こうした日々の使用による状態の変化が、結果的に査定評価へ影響してしまう可能性も考えられます。とはいえ、価格を決める要因は時間や状態だけではありません。

季節要因だけじゃない?愛車の「旬」と市場のリアルな動き

中古車の買取価格は、「今が何月か」という単純な季節要因や年式の古さだけで決まるわけではないようです。市場に流通している車の台数と、それを求める人の数のバランスによって、価格は日々変動しています。そして、買取店側が「今、どんな車を在庫として確保しておきたいか」という事情も、査定額を左右する大きな要因となります。

たとえば、秋から冬にかけての時期には、雪道での運転やウィンタースポーツに適したSUVや4WD車の需要がぐっと高まりやすいといった、車種ごとのトレンドが存在します。本格的な冬が到来する前に、販売店側がそうした車の仕入れを強化することが多いため、需要と供給のバランスから一時的に評価が高まることがあるのです。また、海外で人気のある特定の車種であれば、日本の季節とは関係なく、輸出先の需要や為替の影響を受けて価格が動くことも珍しくありません。

つまり、市場全体の相場傾向を知ることも大切ですが、それ以上に重要なのは「今、目の前にある愛車が、現在の市場でどのような評価を受ける状況にあるか」を見極めることだと言えるでしょう。全体的な季節要因、年式に対する評価、そして車種ごとのピンポイントな需要。これらが複雑に絡み合って査定額は決まる傾向にあります。それでは、結局のところいつ行動を起こすのが、ご自身にとってより納得のいく選択となるのでしょうか。

結局いつ売るのがベスト?納得のいく決断のためのステップ

ここまでの内容を踏まえると、少しでも良い条件で愛車を手放すためには、タイミングを慎重に考えることが重要になってきます。仮に、200万円で査定される車があったとしましょう。市場の状況や売却時期の違いによって、もし3%の価格差が生じたとすれば、手元に残る金額には6万円もの違いが出ることになります。もちろんこれはあくまで試算に過ぎませんが、わずかな違いであっても、家計や次の車の購入資金にとっては決して無視できない影響となります。

そこで、「春の繁忙期まで待とう」と先延ばしにする前に、まずは年内(12月中)に一度査定を受け、現状の価値を把握することをお勧めします。今の価値を客観的な数字として知ることで、急いで手放すべきか、あるいはじっくり待つべきかの適切な判断材料を得ることができるからです。

また、1社だけの査定で決めてしまうのではなく、複数の買取店を比較して条件の良いお店を探すことも大切です。お店によって得意な車種や求めている在庫が異なるため、評価に差が出ることがあるからです。提示された査定額がいつまで有効なのか、そして次に乗る車の納期はいつ頃になるのかといった点もあわせて確認しておくことで、引き渡し時のトラブルを防ぎ、より計画的に進めることができるでしょう。

愛車の価値を正しく知り、後悔のない手放し方を

中古車の売却において、「春だから高く売れる」「年末だから安い」といった固定概念にとらわれる必要はないということが、おわかりいただけたのではないでしょうか。査定データが示すように、秋から年末にかけて良い評価がつきやすいケースもありますし、お持ちの車の種類や状態によっても結果は大きく変わってくる可能性があります。

これまでさまざまな思い出をともにしてきた大切な愛車だからこそ、一般的な噂やイメージだけで手放す時期を決めてしまうのは少しもったいないかもしれません。まずは、ご自身の愛車の「今の価値」をしっかりと把握し、市場の動向と照らし合わせてみることが大切です。

車の買い替えや売却は、ご自身のライフスタイルや家庭の事情に合わせた、無理のないスケジュールで進めることが何より重要です。「年明けまで待とうかな」と悩まれている方は、まずは現在の査定額を知るという小さな一歩から始めてみてはいかがでしょうか。その行動が、後悔のない納得のいくお乗り換えにつながるきっかけになるかもしれません。



ライター:Masaki.N
自動車メーカーで車体開発エンジニアとして設計・先行開発に携わった後、マーケティング/市場リサーチ領域で商品導入・訴求設計にも従事。さらに自動車サブスク系ITベンチャーでマーケティングを担当し、ユーザー視点のコミュニケーション設計を経験。現在は自動車ライターとして、新車情報、技術解説、モデル比較、中古車相場、維持費、業界動向まで幅広く執筆。SEO記事・コラム・インタビューなど媒体横断で制作し、専門知識を生活者の言葉に翻訳して「買う/持つ」の判断を支援します。加えて、カスタムを含む実車取材・体験を通じて得た一次情報を記事に落とし込み、机上の知識にとどまらない“現場感”のある解説を強みとしています。


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