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彼女「なんかおかしくない?」修理代をケチった20代男性をデート中の高速道路で襲った“思わぬトラブル”

  • 2026.10.20
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

元自動車整備技術アドバイザーの松尾です。

車に乗っていると、ハンドルを切ったときの感触や段差を越えた際の振動など、いつもと違う変化に気づくことがあります。しかし、普段どおり走れていると「まだ大丈夫だろう」と考え、修理を後回しにしてしまう人もいるのではないでしょうか。

今回は、車検前の点検で足回りの劣化を指摘されながら、修理を先延ばしにした20代男性のRさんのエピソードを紹介します。彼女とのドライブ中に違和感が強まり、最終的にはレッカーで車を搬送することになったそうです。

「まだ普通に走れる」足回りの劣化を後回しに

Rさんは、筆者の知人である20代男性。休日には彼女と県外へドライブに出かけることを楽しみにしていました。

あるとき、車検前の点検で整備工場を訪れたRさんは、足回りの部品に劣化が見られると指摘されました。ただ、その時点では普段どおり走行できており、すぐに走行不能になるような症状も自覚していなかったといいます。

「交換したほうがいいとは言われたんだけど、車検の満了まではまだ日があるし、普通に走れているし、今すぐ直さなくても大丈夫かなって」

Rさんには、修理費用をできるだけ抑えたいという気持ちもありました。車の整備にはまとまった出費が必要になることもあり、緊急性を判断する知識がなければ、交換を勧められても「本当に今必要なのだろうか」と迷ってしまうものです。また、整備工場からの説明を聞いても、部品の劣化が具体的にどのような危険につながるのか、十分にイメージできない場合もあります。

結局、Rさんは修理を先送りにし、その後も通勤や買い物などで車を使い続けました。いつもどおり走れていることが、かえって安心材料になってしまったのです。

彼女とのドライブ中にハンドルの違和感が強まる

それからしばらくして、Rさんは彼女と県外へドライブに出かけました。行き先までは高速道路を利用し、順調に走っていたそうです。ところが、走行中にハンドルを切った際、以前よりも操作に違和感を覚えるようになりました。

「なんか、ハンドルの感じがおかしい気がする」

Rさんがそう感じていると、助手席の彼女からも声がかかりました。

「さっきから車、なんかおかしくない?」

自分だけでなく、同乗者も異変に気づくほどだったのです。さらに、路面の段差を越えた際、大きな違和感が発生。Rさんは、このまま走り続けるのは危険だと判断し、最寄りのパーキングエリアなど安全を確保できる場所に停車してロードサービスへ連絡しました。

足回りは、タイヤだけでなく、ステアリングやサスペンションなど、車の走行安定性や操舵に関わる複数の部品で構成されています。こうした部品に劣化や不具合が生じると、ハンドル操作や車体の動きに変化が現れることがあります。もちろん、違和感があれば必ず重大な故障が起きているとは限りません。しかし、高速道路では走行速度が速く、異常が急激に悪化した場合に安全な場所へ移動することが難しくなります。

ロードサービスの手配後、車両を点検したところ、足回り部品の劣化が進行していることが判明しました。Rさんは旅行先からそのまま自走して帰ることを諦め、車をレッカーで搬送してもらうことになったのです。

ハンドルや車体の変化は放置せず、早めに点検を

足回りの異常は、運転中の小さな変化として現れることがあります。例えば、ハンドルが左右どちらかに取られる、まっすぐ走りにくい、段差を越えると異音がする、車体が左右に流れるといった症状です。

こうした変化に気づいたら、まずは「いつから症状が出たのか」「低速時と高速時で違いがあるのか」「段差を越えたときに発生するのか」などを整理しておくと、整備工場で状況を伝えやすくなります。異音がする場合も、音の種類や発生するタイミングを覚えておくと、原因を調べる際の手がかりになります。

タイヤの空気圧や目に見える損傷など、取扱説明書に沿って安全に確認できる範囲をチェックすることも大切です。ただし、外観に異常がなくても、ステアリングやサスペンション内部の部品が劣化している可能性があります。自分で判断しきれない場合は、整備工場で点検を受けましょう。

特に、ハンドル操作に関係する違和感がある場合は、距離や速度に関わらず運転を控え、早急に点検を受けることが重要です。症状が強い場合や、操舵が不安定に感じられる場合には、無理に走行を続けず、安全な場所に停車してロードサービスなどに相談してください。

修理費用は、劣化した部品や車種、交換範囲によって大きく異なります。軽微な部品交換で済むケースもあれば、複数の部品交換や関連箇所の整備が必要となり、数万円から10万円以上かかるケースもあります。正確な金額は点検と見積もりで確認する必要がありますが、走行を続けることで不具合が進行すれば、修理範囲が広がる可能性もあります。

Rさんのように、普段どおり走れていると「まだ大丈夫」と考えてしまうことはあるでしょう。しかし、整備費用への不安や、交換を勧められた理由がよく分からないことと、安全性の判断は分けて考える必要があります。予算が厳しい場合でも、どの部品にどの程度の劣化があるのか、走行を続けてよい状態なのか、修理を急ぐ必要があるのかを整備工場に具体的に確認することが大切です。

「走れているから大丈夫」ではなく、「以前と何かが変わった」という事実を見逃さないこと。それが、楽しいドライブを思わぬトラブルで終わらせないための第一歩です。


ライター:松尾佑人(二級ガソリン自動車整備士・二級ジーゼル自動車整備士資格保有)
新卒で自動車整備業界に入り、約8年間整備に従事したのち、現役メカニックに向けた故障診断アドバイザーや各種講習の講師として活動。年間約1,200件の技術相談に対応し、電気回路や配線図の読み解きを基盤とした電子制御システムの解説を得意としている。


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