1. トップ
  2. 暮らし
  3. 「次の給料が出てから」タイヤ交換を後回しにした40代男性→彼女とのドライブで払った“3倍近くの代償”

「次の給料が出てから」タイヤ交換を後回しにした40代男性→彼女とのドライブで払った“3倍近くの代償”

  • 2026.10.13
undefined
出典:photoAC(※画像はイメージです)

元自動車整備技術アドバイザーの松尾です。

タイヤの溝がまだ残っているからと、交換を先延ばしにしていないでしょうか。

以前、私が自動車関係の仕事をしていたときに知り合った40代男性のFさんは、タイヤショップで劣化を指摘されながらも、出費を抑えるため交換を延期していました。

ところが、その後に彼女との県外ドライブへ出かけたところ、高速道路でタイヤに異常が発生。レッカー搬送まで必要になり、当初予定していたタイヤ交換だけでは済まない事態になりました。

「溝は残っているから大丈夫」と交換を先延ばし

Fさんがタイヤショップを訪れたのは、定期的な点検のためでした。そこでスタッフから、タイヤの状態について説明を受けたといいます。

「溝はまだ残っています。ただ、トレッドやサイドウォールにひび割れがいくつも出ています。ゴムの劣化が進んでいるので、早めの交換をおすすめします」

しかし、Fさんはすぐには交換しませんでした。

「溝が残っているなら、もう少し使えるんじゃないかなと思って。それに、4本交換するとそれなりの金額になりますから」

タイヤは4本まとめて交換すると、車種や銘柄によって数万円から10万円程度になることもあります。Fさんの場合も、交換を急ぐほどの余裕がそのときにはなく、「次の給料が出てから交換しよう」と考えたそうです。

また、タイヤショップからの提案を「まだ使えるのに交換を勧められているのでは」と感じてしまう人もいるでしょう。車の知識が十分でなければ、溝が残っているタイヤを見て「まだ大丈夫」と判断してしまうのも無理はありません。

高速道路で「バタバタ」と異常な振動

その後、Fさんは彼女と県外へドライブに出かけました。高速道路をしばらく走っていると、車体から突然「バタバタ」という異常な振動が伝わってきたそうです。

「最初は何か荷物でも動いたのかと思ったんです。でも、明らかに車のほうから変な振動が出ていて」

Fさんは安全な場所へ移動して停車。タイヤを確認すると、明らかな異常が発生していました。単純なパンクというだけではなく、劣化していたタイヤ内部にもダメージが及んでおり、そのまま走行を続けるのは危険な状態だったといいます。さらに、異常が発生した影響でホイールにも損傷が及んでおり、タイヤだけを交換すれば済む状況ではありませんでした。

結局、Fさんはロードサービスを手配して車を搬送。しかし、県外からの搬送で無料距離を超過してしまい、タイヤ交換に加えてホイール交換、追加のレッカー費用なども発生し、最終的な出費は当初予定していたタイヤ交換費用の3倍近くになりました。

「数万円を惜しんで先延ばしにしたのに、結局もっとお金がかかってしまいました。しかも旅行中だったので、彼女にも申し訳なかったです」

とFさんは振り返ります。

「溝がある=安全」ではない!タイヤはゴムの状態も確認

タイヤ交換を判断するとき、溝の深さは重要なポイントです。

しかし、それだけを見て「まだ使える」と判断するのは避けたほうがいいでしょう。タイヤはゴム製品なので、使用期間や保管状態、走行環境などによって少しずつ劣化します。特に注意したいのが、サイドウォールやトレッド部分に現れるひび割れです。そのほか、製造からの経過年数、偏摩耗、変形などもタイヤの状態を判断する材料になります。

また、普段は問題なく走れていても、高速道路や長距離走行ではタイヤに大きな負荷がかかります。「近所では普通に走れているから大丈夫」と「高速道路を使って遠出しても安全」は、必ずしも同じではありません。タイヤショップや整備工場などで交換を勧められた場合は、単に「営業トークかもしれない」と決めつけるのではなく、ひび割れの状態や使用年数など、なぜ交換が必要なのかを確認してみましょう。

予算の都合からメンテナンスを後回しにしたくなる気持ちは誰にでもあります。しかし、タイヤは車を支える重要な部品です。

「まだ走れる」と「安全に長距離を走れる」は別物。

特に高速道路を利用する予定があるなら、溝の残量だけではなく、タイヤ全体の状態を確認してから出発することが大切です。Fさんのように、交換費用を抑えようとして先延ばしにした結果、レッカー代やホイール交換など、さらに大きな出費につながる可能性もあります。

タイヤに少しでも気になる症状があるなら、専門家に状態を確認してもらい、必要であれば早めの交換を検討したいところです。


ライター:松尾佑人(二級ガソリン自動車整備士・二級ジーゼル自動車整備士資格保有)
新卒で自動車整備業界に入り、約8年間整備に従事したのち、現役メカニックに向けた故障診断アドバイザーや各種講習の講師として活動。年間約1,200件の技術相談に対応し、電気回路や配線図の読み解きを基盤とした電子制御システムの解説を得意としている。


【エピソード募集】日常のちょっとした体験、TRILLでシェアしませんか?【2分で完了・匿名】

の記事をもっとみる

注目コンテンツ